最新刊、「Motor Magazine」 (2006年6月号)の第二特集は、18ページに渡って、
「BMW 3.0スタイルの構造的探求」
というタイトルで、モータージャーナリストであり、「BMWドライバー・トレーニング」のチーフインストラクターでもある、こもだきよし氏が、BMWの新世代3リッター直列6気筒エンジン「N52B30A型」を搭載した、3台の3.0モデルのインプレッションをされています。
はじめに、新世代3リッター直列6気筒エンジン「N52B30A型」が、世界に先駆けて搭載した数々の新機構の詳細が解説されています。
つづいて、このエンジンを搭載する3台の3.0モデル、
130i M-Sport、330xi、530i
について、「共通する部分」、「共通しない部分」、「関連する部分」という点を切り口に、こもだきよし氏らしい、分かりやすい解説、インプレッションがなされています。
以下、一部をご紹介します。
5シリーズは、3シリーズより大きなボディだからそれなりに重量も増しているが、N52B30Aのたっぷりとしたトルクのお蔭で、軽快に走ることができる。特に低回転域からトルクが太いので楽だ。同じ3リッターでも前のM54エンジンと比べると、最大トルクの値は300Nmで同じだが、その発生回転数が3,500rpmから2,500~4,000rpmと1,000rpmも低いところで同じトルクが出ているからだ。
そしてステップトロニックのマニュアルシフトモードを使ってワインディングロードを走ったときには、高回転域までパンチがあり気持ちよく吹け上がるのが楽しい。これも最高出力が170kWから190kWへと1割以上アップし、そのときの回転数は5,900rpmから6,600rpmまで引き上げられているからだ。6,750rpmからゼブラゾーンで7,000rpmからレッドゾーンが始まる。低回転からトルクがあり、高回転域の気持ちよく走れるゾーンも広がった。
こうやってマニュアルシフトして走っていると、5シリーズのボディでもちょっとしたスポーツカーのように軽快に走ることができる。
(中略)
3台乗ってみると、どれもBMWだということはわかるが、どれも違う味付けになっていることもわかる。オールマイティな3シリーズあるが、ダイレクト感たっぷりの1シリーズもいい。でも5シリーズでも十分にスポーティな走りを堪能できて愉しい。
同じ素材を使った料理でもまろやかもあれば、スパイシーもある。それぞれに個性があるから、どれが一番だと単純に決められない。それがBMWの3.0スタイルなのだ。
「M54B30Bエンジン」から新世代「N52B30Aエンジン」にスイッチされることを知り、正式価格の分からないままオーダーを掛け、ドイツ本国から輸送されてくるまで3ヶ月近く待った訳ですが、本当にこのクルマで、このエンジンで良かったなぁ~と、つくづく思います。0xF9CB
さすがは、「バイエルン・エンジン製造会社」の工業的芸術作品です。0xF9CF
〔関連情報〕
・「Motor Magazine」
(モーターマガジン社)