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BMW Archive
2006/05/10

 最新刊、「Motor Magazine」 (2006年6月号)の第二特集は、18ページに渡って、
   「BMW 3.0スタイルの構造的探求」
というタイトルで、モータージャーナリストであり、「BMWドライバー・トレーニング」のチーフインストラクターでもある、こもだきよし氏が、BMWの新世代3リッター直列6気筒エンジン「N52B30A型」を搭載した、3台の3.0モデルのインプレッションをされています。

motor01.jpg

 はじめに、新世代3リッター直列6気筒エンジン「N52B30A型」が、世界に先駆けて搭載した数々の新機構の詳細が解説されています。

 つづいて、このエンジンを搭載する3台の3.0モデル、
   130i M-Sport、330xi、530i
について、「共通する部分」、「共通しない部分」、「関連する部分」という点を切り口に、こもだきよし氏らしい、分かりやすい解説、インプレッションがなされています。

 以下、一部をご紹介します。

 5シリーズは、3シリーズより大きなボディだからそれなりに重量も増しているが、N52B30Aのたっぷりとしたトルクのお蔭で、軽快に走ることができる。特に低回転域からトルクが太いので楽だ。同じ3リッターでも前のM54エンジンと比べると、最大トルクの値は300Nmで同じだが、その発生回転数が3,500rpmから2,500~4,000rpmと1,000rpmも低いところで同じトルクが出ているからだ。

 そしてステップトロニックのマニュアルシフトモードを使ってワインディングロードを走ったときには、高回転域までパンチがあり気持ちよく吹け上がるのが楽しい。これも最高出力が170kWから190kWへと1割以上アップし、そのときの回転数は5,900rpmから6,600rpmまで引き上げられているからだ。6,750rpmからゼブラゾーンで7,000rpmからレッドゾーンが始まる。低回転からトルクがあり、高回転域の気持ちよく走れるゾーンも広がった。

 こうやってマニュアルシフトして走っていると、5シリーズのボディでもちょっとしたスポーツカーのように軽快に走ることができる。

   (中略)

 3台乗ってみると、どれもBMWだということはわかるが、どれも違う味付けになっていることもわかる。オールマイティな3シリーズあるが、ダイレクト感たっぷりの1シリーズもいい。でも5シリーズでも十分にスポーティな走りを堪能できて愉しい。

 同じ素材を使った料理でもまろやかもあれば、スパイシーもある。それぞれに個性があるから、どれが一番だと単純に決められない。それがBMWの3.0スタイルなのだ。

N52B30A01.jpg

 「M54B30Bエンジン」から新世代「N52B30Aエンジン」にスイッチされることを知り、正式価格の分からないままオーダーを掛け、ドイツ本国から輸送されてくるまで3ヶ月近く待った訳ですが、本当にこのクルマで、このエンジンで良かったなぁ~と、つくづく思います。0xF9CB

 さすがは、「バイエルン・エンジン製造会社」の工業的芸術作品です。0xF9CF

〔関連情報〕
   ・「Motor Magazine
   (モーターマガジン社)

 前回のレポートで、誇大広告「999CX」に替えて、質実剛健「610HID」を取り付けることになりましたが、

#「JAROって、なんジャロ?」0xF9D1

 「610HID」は、直径がφ100mmもあるため、M-Sportパッケージのフォグランプに付いている「カバー」は、取り付けることができません。

 よって、フォグランプカバーを取り外した状態で「610HID」を取り付けることになりますが、

HID Fog Lamp

 このままでは、あまりにも"取って付けたような"状態になってしまいます↑。

 よって、純正の状態に限りなく近づけるために、エアインテークの周辺を「ブラックアウト」することにしました。

HID Fog Lamp

 まず、塗装する部分をきちんと脱脂し、寸分の狂いなく、正確にマスキングします↑。

 ここは、時間を掛けて掛け過ぎるということはありません。納得がいくまで、デザインナイフを使って、何度も位置を微修正します。

 小さい時にプラモで鍛えた「マスキング技」が冴え渡ります。
(職人にとっては、実物大のプラモという話も・・・)0xF9C7

HID Fog Lamp

 薄く広く、何回かに分けてスプレーします↑。

 ここは、決して焦ってはいけません。ガレージの前を通り過ぎるおばちゃん達に、

   (もぅ、シンナー臭いのよねぇ)

という顔をされようとも、唯我独尊で。0xF9C8

 塗色は、フォグランプカバーに似せて、「マットブラック」(つや消しの黒)を使いました。

HID Fog Lamp

 塗装した仕上がりの状態です↑。

 どですか?0xF9C6

HID Fog Lamp

 ついでに、「610HID」はボディー側面がシルバーなので(写真左)、同様にブラックアウトしておきます(写真右)↑。

 ユニット本体は、エアダクトの中に埋もれてしまうため、ボディー側面はほとんど見えなくなるのですが、細かいところにも手を抜かないのが職人流です。0xF9C5

HID Fog Lamp

 完成した状態です↑。

 どですか^2?0xF9C6

 「これが純正の状態です」と言われても見分けが付かないくらい、違和感のない仕上がりになりました。0xF9F8

#走る「光害」車両。0xF99F0xF8BF0xF9AD
(公道での点灯は規定違反となるため、できません)

 前回のレポートで仮組みを終え、日もとっぷり暮れて、いよいよ「点灯式」を迎えることとなりました。

 ところがっ!

 な、な、な、なんとっ! 『世界最高で最強のランプマシン』(PIAAのキャッチコピーから)に驚愕の事実発覚っ!0xF999

HID Fog Lamp

 今回、「HIDターボジェクター(999CX)」を取り付けようとした訳ですが、工房に「HIDドライビングランプ(610HID)」が転がっていたので、試しに点灯させてみたところ・・・。

 まずは、結果をご覧ください。

HID Fog Lamp

 「999CX」の配光パターンです↑。上方向への光はカットされていますが、基本的には正面の一点にだけ光が集中しています。しかも、思っていたほど明るくないです。0xF997

HID Fog Lamp

 対して、「610HID」の配光パターンです↑。上方向への光がうまくカットされているだけでなく、手前から水平方向にかけて、まんべんなく光が分散しています。しかも、明るいっ!0xF9CF

#撮影は、すべて同一条件で行っています。(露出:F2.8×8、バーナー色温度:6,000K、バラスト出力:45W)

 ってことは?

   「『世界最高で最強のランプマシン』って、何だったんだ~っ!」0xF9A1

 PIAAのイメージ戦略にまんまとしてやられました。(以下、いろいろ書きましたが、問題になりそうなので削除)

 これまで、PIAAの製品をたくさん購入してきましたが、今後は一切購入しないことにします。ひとり不買運動。0xF9CA

 ってことで、気を取り直して、「999CX」に替えて、「610HID」を取り付けることにします。
(状況に応じてアダプティブに変えられることも、重要なことかと)0xF9C7

 以下、「610HID」による点灯実験です。

#海外のE60サイト、「E60 Forums」への投稿用に、英語表記してあります。

HID Fog Lamp

 まず、純正フォグランプのみ点灯させた状態です↑。

HID Fog Lamp

 つぎに、純正フォグランプに加えて、610HIDを、バラストの出力を「35W」(規格上の標準出力)にして点灯します↑。
(すでに、純正フォグランプの光は、HIDの光にかき消されて見えません)

HID Fog Lamp

 さらに、バラストの出力を、安全マージンいっぱいの「65W」にして点灯します↑。
(75Wぐらいまでいけそうですが、壊れるとまずいので、この辺で)

 フロント前方は、すでに地獄のような明るさです。真夜中に、ナイターの試合ができそうです。0xF9CF

 「道路運送車両の保安基準」における「眩惑防止基準」では、前照灯等(前部霧灯含む)の明るさは、「光度は10,000cd(カンデラ)以下であること。」とされているので、片側のHIDランプだけで、優に2倍以上も超えている(2倍以上も違反している?)ことになります。0xF9C7

HID Fog Lamp

 実験中の模様です↑。

 なお、純正フォグランプを、ふつーにHIDに交換すると、「フォグランプ異常」の警告メッセージが出ます。ライトコントロールコンピュータは、イグニッションスイッチをONにした際に、各バルブに微弱な電流を流し、電流が検出できなかった場合には、球切れとして警告を出します。

 通常は、「ワーニングキャンセラー」などという、回路としては大したことしてないにも関わらず、ぼったくり価格のオプションパーツをわざわざ付けて、球切れ警告を回避する必要がありますが、工房では、「とある配線方法」を用いることにより、球切れ警告を本来の機能どおり動作させています。
(その方法は、企業秘密ということで)0xF9CD

 また、出力可変型のバラストをあえて採用したのは、例えば、それほど光量を必要としない市街地では、出力を25W程度に絞って、「デイランプ」的な意味合いで点灯させ、街灯等のない漆黒の山間部では、出力を標準より上げて、「ドライビングランプ」的な意味合いでHIDの光を活用するためです。

#走る「光害」車両。0xF99F0xF8BF0xF9AD
(公道での点灯は規定違反となるため、できません)

 今日は、関東地方は、とてもよい0xF89Fでした。こんな天気の良い日に0xF9BDしないなんて、もったいない、もったいない。

 えっ?0xF9C7

 ってことで、マイ・ガレージにこもって、久しぶりにDIYしてみました。

   (あ~ら、あそこん家のお兄ちゃん、またクルマ改造してるわよ。ほんとに好きねぇ)

という、通り掛かるおばちゃん達の冷ややかな視線を、背中一身に浴びながら・・・。0xF9C8

   (いや、あの、「改造」じゃなくて、「メンテナンス」とか「チューンナップ」とか言っていただけますか?)

と、心が叫んでいます。0xF9D3

 で、何をしたかというと、まず「ヘッドランプ」を取り外しました。

 前車ARISTOの場合は、フロントバンパーを取り外さないとヘッドランプユニットにアクセスできませんでしたが、BMWの場合は、取り外すことなくアクセスできます。

 傷を付けずにうまく取り外すためには、いくつかポイントがあるのですが、めんどくさいので省略。(たまには悩んでください)

#下手なショップでは、なんも考えずに外すと思いますけど。0xF9CA

HID Fog Lamp

 で^2、何をしたいかというと、「フォグランプ」をHID化します。

 しかし、ただ単にHID化しただけではつまらないので、純正フォグランプユニットを取り外し、クラス最高の配光効率を誇る「プロジェクターフォグランプ」に交換します。

 さらに、HIDバラストも、出力を限界近くまで高めた「ハイワッテージバラスト」を装着することにします。

 そうです、過去にここでご紹介した、光モノ「禁断の領域」、世界最高・最強の組み合わせです。0xF9F8

 ってことで、つづいて「フォグランプ」を取り外します。

HID Fog Lamp

 純正の状態です↑。

HID Fog Lamp

 フォグランプユニットを取り外します↑。ユニットは、2つのビスで留まっています。

HID Fog Lamp

 フォグランプの周りのカバーを取り外します↑。カバーは、1ヵ所の嵌合と、2ヵ所のツメで填っています↑。

HID Fog Lamp

 左側が「純正フォグランプ」、右側が「プロジェクターフォグランプ」です↑。大きさ(胴回り)は、ほぼ同じようです。
(純正フォグランプには、「Made in Austria」の刻印がありました)

 しかし、この純正フォグランプですが、レンズ部はガラスで出来ているのかと思っていたのですが、プラスチック製でした。もちろん、耐熱樹脂だとは思いますが、このままハイワッテージバラストを装着すると、長期間の後には、熱で変形してしまうかも知れません。

 ってことで、やはり「プロジェクターフォグランプ」を使って正解な訳です。
(プロジェクターフォグランプの集光レンズは、もちろんガラス製です)

HID Fog Lamp

 フロントバンパーの裏側です↑。リインホースメントが、横に走っています。(さらに、530iより上のモデルでは、「ヘッドランプウォッシャー」が付いているので、複雑な配線・配管となっています)

 E60は、軽量化のために随所にアルミ合金が用いられていますが、このリインホースメントもそうでした。(さすがBMWさん、徹底してます)

 フォグランプを、ブレなく、がっちり固定するためには、このリインホースメントにブラケットを固定すれば良い訳ですが、異なる組成の金属同士を接触させると、必ずそこから錆が発生します。

 ってことで、ここはちょっと工夫のしどころです。

#下手なショップでは、そんなことまで考えない(知らない)で、単純にボルトで固定すると思いますけど。0xF9CA

HID Fog Lamp

 仮組みしてみたところです↑。まるで図ったかのように、ピッタリのサイズ。ほとんど純正と見まがうばかりの一体感。0xF9CB

 しかし、これが、世界最高の配光と最強の光量を誇る、プロジェクターフォグランプなのです。(BMW史上、初?)

 早く「点灯式」したいな~と。0xF9CF

#走る「光害」車両。0xF99F0xF8BF0xF9AD
(公道での点灯は規定違反となるため、できません)

2006/04/29

 M-Sport Packageでは、18インチ(245/40)のランフラットタイヤが標準になっています。ライン装着のタイヤには、ブリヂストンとダンロップの銘柄があるようですが、残念ながら職人の530iには、「ダメロップ」のタイヤが装着されていました。

 前車のARISTOでは、「TOM'S Advox+BBS LM19」の組み合わせで乗っていました。Advoxの足は、標準の足から比べれば相当に引き締められてはいましたが、不快な感じはしませんでした。

 対して、530iですが、購入前にHi-Line(ノーマルタイヤ)とM-Sport(ランフラットタイヤ)のクルマを何度か試乗させていただきましたが、ランフラットタイヤのゴツゴツ感ときたら・・・。構造上、サイドウォールが堅いのは理解できますが、それにしてもこの堅さ。

 納車後、すぐにM5ホイール「Style 166M」かBBSホイールに変更しようと思っていたのですが、BBSさんから新作ホイール「LM-R」が発売されるとのことで、それまで待つことにしました。

 前置きが長くなりました。

 納車から半年ちょっと経過しましたが、「もう我慢ならねぇ!」ってことで、ランフラットタイヤのゴツゴツ感を少しでも軽減する対策として(気休めとして)、窒素ガスを充填することにしました。

 場所は、これまで度々お世話になっている、某「TOYOTA」のディーラーさんです。
(すみませ~んっ! あのARISTOが、角張って厳つい目付きになって帰ってきました~っ!)0xF9C7

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 空気圧は、BMWの指定どおり、フロント:2.3、リヤ:2.8としました。タイヤ4本分で、2,100円(税込)なり。

 リフトアップしたついでに、下回りをじっくり観察。普段はなかなか見る機会がないと思います。0xF8F2

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 ふむふむ、アルミ合金が、いたるところに多用されています

 さて、気になる乗り心地の変化です。

 いつものテストコース(湾岸線西行き、浦安付近のストレート、有明付近のストレート)で試してみましたが、確かに、ギャップ通過時の突き上げ感が、多少軽減されたような気がします。
(プラシーボ効果だとは思いますが)

 あと、高速巡航時の「クォ~~ン」というゴムまりのような微かな定常音が、消えました。
(あっ、職人ですが、別のところでも書きましたが、ふつ~のヒトには聞こえないような、高調波成分が聴こえるみたいなんです)

 まぁ、「乗り心地の改善」というよりは、職人の場合は、「空気圧低下の予防」を主眼としているので、こんなもんだと思います。

 皆さんも、お手軽チューンの一つとしていかがでしょうか。0xF9EB