前回の続きです。
画像右側が純正バーナー、左側が蒼白化したバーナーです。
両側を蒼白化したバーナーに取り替えると、こんな感じです。
ちなみに、上下の画像は、別の日に撮影しています。
(SONYさんのビルの、照明の点いている部屋の位置が、微妙に違うでしょ?)
別の日に、同じロケーションで、同じアングルで、同じ被写体を撮影するのは、なかなかに難しかったりします。
前回の続きです。
画像右側が純正バーナー、左側が蒼白化したバーナーです。
両側を蒼白化したバーナーに取り替えると、こんな感じです。
ちなみに、上下の画像は、別の日に撮影しています。
(SONYさんのビルの、照明の点いている部屋の位置が、微妙に違うでしょ?)
別の日に、同じロケーションで、同じアングルで、同じ被写体を撮影するのは、なかなかに難しかったりします。
さて、いよいよ取付です。
画像左側は、前回のブルーペイント&焼き入れ加工が終わったD1バーナーです。
(右側は、純正のPhilips製)
以前に、E90Lifeさん主催のオフミで、3 Series(E90系)にエンジェルアイを取り付けた際には、ジャッキアップしてフロントホイールを取り外すという大工事になりましたが、M3 Coupe(E92)の場合には、フロントホイールを取り外さなくてもヘッドランプユニットにアクセスすることができます。
ホイールアーチの裏側、青色の位置にあるM8mmのボルトと、水色の位置にあるM10mmのボルトを外します。
(画像では、取扱説明書のとおり、内側にステアリングを切っていますが、作業上は、外側にステアリングを切った方が、楽にアクセスできます)
左側は、エアインテークが邪魔をして手が入らないため、エアクリボックスを外します。
純正のD1バーナーと、蒼白化したD1バーナーとを、取り替えます。
画像左側が、純正のPhilips製(4,300K)、右側が加工したD1バーナー(8,000K)です。
拡大したところです。
(M3Postへの投稿用に、英語表記しています)
さすがはHella製次世代プロジェクター「Eagle Eye」、カットラインが驚くほど鋭く出ています。また、左右の光軸も、ピッタリ一致しています。
加工したD1バーナーに比べると、純正D1バーナーは、まるでハロゲンランプのように、黄色っぽく見えてしまいます。
一方、加工したD1バーナーですが、画像では紫掛かって写っていますが、目視では、もう少し青みがかった白に見えます。また、バラストが定常状態に入った後でも、その青味が失われることもありません。
(石畳の色合いの違いにもご注目)
いまを去ること5年半前、K-Lさんの研究成果を元に、「HIDバーナーの蒼白化」を発表しました。
その後、不思議なことに、複数のメーカーが、D2バーナーのセラミックチューブを、色温度に応じて、紫、青、白、黄などに塗り分けるようになってきました。
#偶然の一致にしては、タイミングが合い過ぎかと。0xF9D1
それはさておき、前回の「D1イグナイターソケット」に組み合わせるD2バーナーを、蒼白化することにします。
まずは、耐熱塗料です。
いつも使用している、オキツモさんの「オキツモワンタッチスプレー」(半ツヤブルー「D75-30P」、購入価格:1,870円)です。
ホームセンターなどに置かれているものは、耐熱200℃のもの(ツヤ有)が多いのですが、バーナーが発する熱に余裕を持って耐えられるよう、耐熱500℃のもの(半ツヤ)を使います。
バーナーをマスキングし、塗装します。
取り扱いは、特に慎重に行います。パキッといったら、一巻の終わりです。
十分に乾燥させた後、「焼き」を入れます。
具体的には、テスト用のバラストで、塗装したバーナーを一定時間点灯させます(30分ほど)。
(バラストは、やはり5年半前に発表した、「ハイワッテージバラスト」)
この処理は、必ずやります。やらないと、ヘッドランプユニットの中でバーナーを点灯させた際に、耐熱塗料の中に含まれていた揮発成分が蒸発し、ユニット内のレンズ等を曇らせてしまう原因となります。
(実際に、焼き入れ中は、バーナーからみるみる煙が上がっていきます)
D1イグナイターソケットに、D2バーナーを組み込んで完成です。
今回は、D2Sで、8,000Kのバーナーを使用しました。
さて、結果はいかに。
Bellofさんの「D1イグナイターソケット」が届きました。
こちらが、その「D1イグナイターソケット」(CZL002)です。
(定価:29,400円、購入価格:21,750円、割引率:26%)
(某「ファッション系チューニングショップ」での販売価格:29,400円+取付工賃)
この製品、、2007年5月の「東京スペシャルインポートカーショー」で参考出品されていたもので、Bellofさんの公式HPでは、2008年10月1日に「新登場!」となっていますが、実は少し前から販売はされていました。
BMWをはじめとする欧州車には、HIDのバーナーにD1規格を採用するクルマが数多くあります。
これに呼応して、アフターパーツとして、各社から高ケルビン数のD1バーナーが、ちらほら発売されるようになりました。
ただ、これらの製品、点灯直後は確かに青白いのですが、時間が経過し、バラストが定常状態に入ってくると、当初の青味が失われ、けっきょくは白っぽい感じに落ち着いてしまいます。
一方、D2規格のバーナーは、すでに各社からさまざまなケルビン数のものが発売され、自分の好みの応じて選択できるほど、バリエーションが広がっています。
この「D1イグナイターソケット」は、D2規格のバーナー(D2SまたはD2R)と組み合わせることにより、D1規格のバーナーとしてヘッドランプユニットに組み込むことができます。
これにより、あたかもカラーコンタクトレンズを付け替えるかのように、いろいろなケルビン数のバーナーを楽しむことができるようになります。
つづいて、使用する光素子を紹介します。
前回のE60用では、LumiledsさんのハイパワーLED、「Luxeon Star」(3W版:「LXHL-LW3C」、5W版:「LXHL-LW6C」)を使用しました。
その後の技術革新により、より高効率で高輝度、高寿命な光素子が、Lumiledsさんから発売になりました。
(Lumiledsさんは、2005年に、Philipsさんの子会社となりました)
その名も、「Luxeon K2 with TFFC Cool White」。
エベレスト(8,844m)に次ぐ世界最高峰「K2」(8,611m)の名を拝する光素子の実力は、ただ者ではありません。
(データシート等は、こちら)
こちらが、その「Luxeon K2 with TFFC Cool White」(980円/個)。
わずか7.35mm×7.35mmの大きさの中に(端子部を除く)、とんでもないポテンシャルを秘めています。
Luxeon Starの「最高・最強」タイプ(笑)、「LXHL-LW6C」(5W版)では、最大電流700mA(/6.84V)時に「120lumen」でしたが、この「Luxeon K2 with TFFC Cool White」(LXK2-PWC4-0160)では、最大電流1500mA(/3.85V)時に「220lumen」もの光束を得ることができます。
電力が1.2倍で、光束が1.8倍ですから、総合で1.5倍も改善されたことになります。
「わずか1.5倍かよ」と思うのは、技術屋の苦労が分からないトーシローです。2倍以上の電流を流している訳ですから、光素子の変換効率をかなり高くしないと、自らの発する熱で熔けてなくなってしまいます。
光素子自体の化学組成の吟味や改善、チップの製造プロセスの改良を繰り返して、この製品はできあがっているのです。
つぎに、ハイパワーLEDをドライブするための定電流ユニットです。
入力電圧は、DC12V(12~20V)で、外部ボリュームを付けることにより、出力電流を、700~1,400mAの間で可変にすることができます。
このユニット自体で、ある一定以上の負荷があるため、市販製品によくありがちな「球切れ警告」が出ることはありません。また、イグニッションON直後に点滅を繰り返す、いわゆる「フラッシング現象」が起こることもありません。
〔余 談〕
最近のクルマは、重要な灯火類については、あるタイミングで球切れをチェックし、必要に応じて警告してくれるようになっています。具体的には、イグニッションON時に、微弱な電流を断続的に流し、ある一定以上の電流が流れなければ「球切れ」と判断し、警告を発します。
市販の製品では、「ワーニングキャンセラー」と称される外部回路を介することより、これらの現象を回避していますが、そもそも低消費電力が売りであるはずのLEDに、わざわざ疑似抵抗をかまして負荷を増やすというのは、本末転倒もいいところです。
#いかにも、カッコだけのチューニング。まさに、某「ファッション系」にはピッタリかと。0xF9D1
また、ここで“~と称される”と書いたのは、それが「ワーニングキャンセラー」などという大層な名前に値するような回路ではまったくないからです。
お持ちの方は(買わされちゃった方は)、ぜひ一度分解して、中身を確認してみてください。いかにボッタクられていたかが、よ~く分かると思います。
スイッチング定電流ユニットには、2,000mAまで出力できるユニットがあり、このユニットを使えば、「LXK2-PWC4-0160」を、その最大定格電流である1,500mAでドライブすることができます。
ただし、光束と寿命とはトレードオフの関係にあり、いたずらに電流値を上げると、きちんとした放熱対策を採らないと耐久性が大きく落ちることから、1,400mA以下でドライブすることにします。
(1,400mAでも1,500mAでも、明るさにはそれほど大差ないと思いますが)