SOARISTO工房 Logo
Computer Archive
2012/03/10

 前回の続きです。今回は、ラジエーターを強化します。

cooling01.jpg

 以前に紹介した際には、ラジエーター本体に、直接PCファンを取り付けていました。

 実運用に入って、ラジエーター周辺に手をかざしてみると、PCファンが高速回転ししている際に、PCファン前方に、なぜか冷たい風が吹き出しています。

 どうやら、PCファンが起こした風がラジエーターに上手く吸い込まれず、風が逆流しているようです。

cooling02.jpg

 ということで、ラジエーターに「シュラウド」を取り付けてみることにしました。

 これは、ラジエーター本体とPCファンとの間に距離を持たせ、PCファンが起こした風を、ラジエーター全体に、均一に当てるためのものです。

 その効果をイメージにすると、上記画像のようになります。

 今回は、PCファン(およびラジエーター)が3連なので、トリプルシュラウド(25.95ドル)と、グリルガード(4.50ドル)を購入しました。

cooling03.jpg

 取り付けたところです。

 グリルガードが、PC本体のブラックメッシュと良くマッチして、なかなかイイ感じです。

cooling04.jpg

 んがしかし、このシュラウド、作りはけっこういい加減です。

 天板(および底板)の両端にある“ツメ”は、アクリル板を切削したままなので、左右の側板の嵌合とうまく合いません。ツメの部分を平ヤスリで少し削って、調整してやる必要があります。

 また、シュラウドとPCファンとの間、シュラウドとラジエーターとの間に、微妙な隙間が空いてしまっています。

#生産国は書かれていませんが、おそらく中国か台湾かと。

cooling05.jpg

 ということで、こんな感じにスポンジシートを貼り込んで、気密性を高めてみました。

cooling06.jpg

 シュラウドの取り付け前後で、クーラントの温度測定をしていないので、効果の程は定かではありません。

 定かではありませんが、ラジエーターの裏側に手をかざしてみると、ラジエーターのフィン全体から生温い風が抜けてきているので、少なからず効果はあるものと思われます。(と思いたい)

 HD映像のエンコードのため、4.8GHzまでオーバークロックしても、CPU温度は最大で38℃でした。水温は、イン側(冷却前)が28℃で、アウト側(冷却後)が26℃となりました。
(いずれも、室温19℃の時)

 高負荷時には、PCファンの回転数は2,000rpm前後となるため、それなりの騒音はしますが、CPU温度が40℃を超えることはないので、長時間、安心してオーバークロックすることができます。
(アイドル時の回転数は、1,200rpm程度なので、ほぼ無音に近い状態となります)

2012/02/25

 ジャストシステムのATOKを購入しました。最新版となる「ATOK 2012 for Windows」は、2月10日の発売でした。

atok01.jpg

 このATOK、今年で誕生30周年だそうです。PC-9801で出ていた「一太郎」の頃から使っているので、かれこれ四半世紀は使っていることになります。

 途中、MS-IMEなども使ってみましたが、やはり98(キューハチ)世代の職人は、ATOKから離れられません。0xF9C7

 秋葉原の某店では、通常版のパッケージ製品が7,980円で売られていますが、PCパーツと一緒に買うと、なぜか3,990円になるとのことで、買うつもりは無かったのですが、買ってしまいました。
(現在、ATOK 2006を使っていて、「Ultimate Tera Storage Machine」も新しくなったので、この機会に購入することにしました)

2012/02/18

 前回の続きです。水漏れが発見されたため、リカバーします。

waterblock01.jpg

 水道補修用の防水シールテープ(198円)です。
(ほとんど配管工状態)0xF9C7

waterblock02.jpg

 「EK Water Blocks」の水冷ブロックと「Koolance」のフィッティングとの組み合わせには、まったく問題が無かったのですが、「Phobya」の温度センサーと「Koolance」のフィッティングとの間で問題が発生しました。

 温度センサーの首下が微妙に長く、僅か1.5mmほどの隙間から、蒸留水がしみ出すように漏れていました。

 写真のように、防水シールテープを巻いてもダメで、けっきょくは、「Oリング」を内部に挟んで解決することができました。

 ということで、都合、2回ほど試験運転しています。
(実運用に入ってから気づいたのでは、タイヘンなことになっていました。問題無いことが確認できるまで、試験運転は必ずすべきです)

 なお、1回目の試験運転の際に、蒸留水の表面に、薄~く油の膜のようなものが張っていました。おそらく、水冷ブロック(あるいはラジエーター)を加工した際の、「切削油」が流れ出たものと思われます。また、蒸留水自体が、少し白濁していました。

 実運用の際に、クーラントに悪影響を及ぼさないためにも、試験運転はしっかりやっておくべきです。

waterblock03.jpg

 紹介が遅くなりましたが、上側が、今回使用したチューブです。

 当初、「Koolance」のチューブ(1.79ドル/30.5cm)を買ったのですが、PVC(ポリ塩化ビニル)製で柔軟性が低く、特にいまのような気温の低い季節には、硬く渋くなってしまい、パイピングの引き回しに難儀します。

 そこで、「Tygon」の「R-3603」(2.50ドル/30.5cm)というチューブを使うことにしました。もともとは理化学研究室などで使われているチューブで、柔軟性が高い(温度による硬化が低い)だけでなく、安定性(耐薬品性)が高く、優れた特性を持っています。
(日本は、1,680円/mとかいうボッタクリ価格で売られてたりしますが)

 下側は、以前に紹介した、「折れ防止コイル」(「SPR-13GN」、2.99ドル)です。

waterblock04.jpg

 ついでに、内部照明にもこだわってみました。

 「EK Water Blocks」のCPU用とメモリ用の水冷ブロックには、Φ3mmのLED用の穴が、2つ開けられています。ここに、PCファンの時と同様、日亜化学の緑色LED(「NSPG300A」、250円/個、指向角:15°、光度:6,800mcd)を取り付けることにしました。

 ただ、Φ5mmのLED(「NSPG500DS」、指向角:15°、光度:37,700mcd)はすぐに見つかったのですが、Φ3mmのLEDは、秋葉原駅周辺でも取り扱っている店が無く、あっちこっちを探し歩いて、やっと見つけることができました。

#ちなみに、中○製だか台○製だかの格安緑色LEDはすぐに見つかりますが(70円ぐらい/個)、カタログ値でも、指向角:15~25°、光度:6,000~7,000mcd、波長:505~535nmとバラツキが大きく、さすがにパチもんだけあって、品質はボロボロです。0xF9D1

 今回は、色相の統一を図るため、少し高くても、あえて日亜化学のLEDにこだわってみました。

 左上は、石塚電子のCRD、「E-183」(60円/個)です。回路に流れる電流を、18mA程度(16~20mA)に保つことができます。緑色LEDの定格電流が20mAなので、ちょうど良い特性を持っています。

waterblock05.jpg

 こんな感じで、二股にしてみました。

 写真のように、端子部を熱収縮チューブで覆って絶縁しておきます。φ3mmのLEDなので、φ5mmのLEDに比べると、かなり細かい作業となりますが、根気よくハンダ付けします。

waterblock06.jpg

 水冷ブロックに装着し、テスト点灯させたところです。
(配線は、まだ整理していないので、ぐじゃぐじゃです)

waterblock07.jpg

 いや~、ちょっとハデ過ぎかも。0xF9C7

 にしても、かなりSFチックな内部照明になりました。

2012/02/05

 前回の続きです。

waterblock01.jpg

 今回の主役である「Aquagate Max」です。内蔵されていたポンプを、「DP-600」から「DP-1200」に強化してあります。

waterblock02.jpg

 リザーバーには、内部照明用として、φ5mmの緑色LEDが2ヶ所に付いています。これらを、PCファンの時と同様、日亜化学の「NSPG500DS」(180円/個)に付け換えてみました。

 もともと付いていたLEDを、わざわざ日亜化学のLEDに換えたのは、色相の統一を図るためです。

waterblock03.jpg

 水冷システムを稼働させる前に、下準備をします。蒸留水で、水冷ブロックやラジエーター、チューブの内部を洗浄するのです。あわせて、水漏れがないかどうか、チェックします。

 左側は、下準備のために使う蒸留水(コンタクトレンズ用の精製水)です。薬局やスーパーなどで、100円程度/500mLで入手できます。

 右側は、本番で使うクーラント(「EK-Ekoolant UV Lime GREEN」、6.98ユーロ/1L)です。蒸留水で希釈せず、そのまま使うタイプです。UVリアクティブで、紫外線を当てると淡く発光します。

waterblock04.jpg

 Aquagate Maxの天板に、クーラントの注入口があります。クーラントをこぼさないよう、漏斗を使って慎重に注入します。

 今回の水冷システムでは、クーラントは1Lほど必要でした。

waterblock05.jpg

 まずは蒸留水を注入して、24時間程度、試験運転します。

 試験運転の際には、マザーボード等には電源を供給せず、ポンプにのみ電源を供給するようにします。
(「ATX電源検証ボード」を使って、電源ユニットだけONにします)

 水冷ブロックとフィッティングの繋ぎ目などから水漏れしていないかどうか、慎重にチェックします。万が一、水漏れが発見された場合には、直ちにポンプを止め、マザーボード等に被害が及ばないよう養生します。

 ということで、試験運転したところ、問題発生っ!!0xF9FC

2012/01/29

 つづいて、温度センサーを組み込みます。

waterblock01.jpg

 左側は、「Aquagate Max 限定版」付属の温度センサーです。

 以前にも書いたとおり、今回の水冷システムでは、チューブのサイズを、内径3/8インチ(9.5mm)から内径1/2インチ(12.7mm)に変更しているため、付属の温度センサーは使えません。

 そこで、右側のPhobyaの「Temperature Sensor In/Outer Thread G1/4」(12.99ドル)を購入しました。パイピングの途中にあるフィッティングに割り込ませるタイプの温度センサーです。

 なお、市販されている温度センサーには、25℃で10kΩを示すタイプと、25℃で50kΩを示すタイプとがあります。よって、コネクタの形状が合うからといって、そのまま単純にコントローラーに接続したのでは、正常に温度が検出できないことがあります。

 テスターを使って、Aquagate Max付属の温度センサーを確認したところ、10kΩのタイプでした。また、「Maximus IV Extreme」付属の温度センサーも、10kΩのタイプでした。

 都合の良いことに、どちらのコントローラーに繋いでも、正常に温度を検出することができそうです。
(温度センサーをマザーボードに接続して、付属のツール類で確認した方が、細かなコントロールができそうなので)

waterblock02.jpg

 こんな感じで、PCIスロットのところに、専用のブラケット(「BKT-PCI-G」、10.99ドル)を挟んで、そのフィッティングの途中に割り込ませることにしました。

 クーラントが、CPUやグラフィックカードを巡回して最も暖まった状態の温度と、ラジエーターを巡回して最も冷やされた状態の温度とを、1ヶ所で測定することができます。

waterblock03.jpg

 ラジエーターをセットすると、こんな感じになります。

waterblock04.jpg

 ラジエーターとPCケースとの間です。

 アールがきついので、チューブが潰れてしまわないように、「折れ防止コイル」(「SPR-13GN」、2.99ドル)を入れて保護してあります。

 この折れ防止コイル、「こんなアイデアもあったのか!」と感心してしまいました。

 チューブは、何も付けていない状態だと、アールがきつくなるに従って潰れていく(断面が楕円形になっていく)のですが、この折れ防止コイルを付けると、ほぼ真円を保ったまま曲げることができます。

waterblock05.jpg

 製作開始からだいぶ時間が経ってしまっていますが、徐々に完成に近付いてきました。