しばらく漫画というものから離れていましたが、
ワタクシとしたことが・・・。0xF9FC
「沈黙の艦隊」(1988年~1996年)、「ジパング」(2000年~2009年)と、かわぐちかいじ氏の作品を“熟読”していたのですが、新作が出ていたことに、まったく気付いていませんでした。
#しかも、すでに3巻まで出ていたとは・・・。0xF999
2014年から連載が開始された、「空母いぶき」です。
(画像は、特別公開日の模様から)〔関連情報〕
・「ヘリ搭載護衛艦「いずも」特別公開(1)」(2015年4月11日)
・「ヘリ搭載護衛艦「いずも」特別公開(2)」(2015年4月12日)
・「ヘリ搭載護衛艦「いずも」特別公開(3)」(2015年4月13日)
舞台となるのは、昨年(2015年)3月に就役した「いずも型護衛艦」の1番艦、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)「いずも」を基に、スキージャンプ式の飛行甲板を搭載した航空機搭載型護衛艦(DDV)「いぶき」です。
この「いぶき」は、海上自衛隊最大の護衛艦であるとともに、海上自衛隊初の、事実上の「航空母艦」となります。(当然ながら、架空の護衛艦です)
物語としては(以下、ネタバレ注意)、
「いぶき」就航の翌年(20xx年)、突如として中国人民解放軍が尖閣諸島(魚釣島)および沖縄県先島諸島に軍事侵攻、揚陸・空挺部隊を以て各島を占領。与那国島および多良間島島民3,000人余とともに、陸上自衛隊沿岸監視隊隊員150名を制圧下に入れます。
与那国島分屯地の制圧にあっては、中国人民解放軍との戦闘により、先の大戦以来、初の「戦死者」を出すに至ります。
まさに、「起きてはならないことが、現実となった」(垂水首相の言)となります。
一個大隊規模の師団を投入するという大規模な軍事侵攻をしておきながら、のらりくらりと対応を続ける中華人民共和国政府は、ついに、日本国政府に要求を突き付けます。
(例の、カチンとくる中国女性報道官が発表)0xF8EB
「我が国中国は、戦争を望んでいない。琉球まで戦線を拡大するつもりはない。与那国島島民は、速やかに日本側へ引き渡す用意がある。日本との対話による解決を望む」
「その代わり、釣魚島(魚釣島の中国名)をはじめとする釣魚群島(尖閣諸島の中国名)の領有権を認めよ」
#沖縄県の島民を“人質”に取っておきながら、その解放と引き換えに、歴史的にも何ら根拠のない自らの主張を強引に認めさせようという、いかにも中国共産党らしいやり方で。0xF9D1
その裏では、多良間島上空を偵察飛行中の「RF-4E」が中国軍機のミサイル攻撃により撃墜、パイロット2名が戦死するなど、戦線が次第に拡大していきます。
日本国政府は、国連安全保障理事会への提訴をはじめ、国内外へ向けて必死の対応を行う中、中国海軍空母「広東」(ロシアのポンコツ船あがりの「遼寧」ではなく、中国国産の新造空母)を旗艦とする北海艦隊が、尖閣諸島海域へ向けて南下。
一方、事態が時々刻々と深刻さを増していく中にあっても、永田町の国会周辺では、デモ団体が「戦争反対っ!! 人命は地球より重いっ!!」、「無人島(魚釣島)より、島民の命を守れっ!!」と気勢を上げます。
#いやぁ、“左巻き”のヒトたちの奇声、いや気勢を上げる姿が、目に浮かぶようです。0xF9D1
この事態を受け、南鳥島沖にて演習航海中であった空母「いぶき」を旗艦とする海上自衛隊第5護衛隊群は、被占領地域の奪還と島民の救出に向け、針路を先島諸島海域へ取ります。
はたして制空・制海権を懸け、先の大戦以来、世界的にも初となる、空母艦隊同士の現代戦に突入し、最新鋭戦闘機、攻撃型潜水艦などが入り乱れ・・・。
というあらすじです。
読み込めば読み込むほど、ディテールが綿密に織り込まれ、空恐ろしいほどの現実味を持っています。「さすがは、かわぐちかいじ氏」という感じです。
#平和ボケした日本人に、ぜひとも読ませてやりたい内容ですが、そういうヤカラに限って、現実に目を向けようとはしません。0xF9D1
アメリカ合衆国では、目下、大統領選挙中ですが、いまの候補者の顔ぶれを見る限り、両党どちらの候補者が大統領になろうとも、上記のような日中有事の際、はたして積極的に軍事介入しようとするでしょうか。
“極東の小競り合い”の扱いで、「当事者同士の対話による平和的解決を望む」と、冷たく突き放されるのが関の山。もはや米国は、“世界の警察”を気取れるほど、国力は残っていないのです。
かつての「ジャイアン国家」も、年を取り、衰えました。国外に“ちょっかい”を出す以前に、国内に解決すべき問題が山積しているのです。
憲法9条は遵守すべきですが、9条をかざしてみても、鋼鉄の弾丸の雨は防げません。21世紀の大海の荒波にあって、自らの身は、自らの力で守るしかないのです。0xF9C5
で、ですね。何のプロローグかと言いますと・・・。