つづいて、使用する光素子を紹介します。
前回のE60用では、LumiledsさんのハイパワーLED、「Luxeon Star」(3W版:「LXHL-LW3C」、5W版:「LXHL-LW6C」)を使用しました。
その後の技術革新により、より高効率で高輝度、高寿命な光素子が、Lumiledsさんから発売になりました。
(Lumiledsさんは、2005年に、Philipsさんの子会社となりました)
その名も、「Luxeon K2 with TFFC Cool White」。
エベレスト(8,844m)に次ぐ世界最高峰「K2」(8,611m)の名を拝する光素子の実力は、ただ者ではありません。
(データシート等は、こちら)
こちらが、その「Luxeon K2 with TFFC Cool White」(980円/個)。
わずか7.35mm×7.35mmの大きさの中に(端子部を除く)、とんでもないポテンシャルを秘めています。
Luxeon Starの「最高・最強」タイプ(笑)、「LXHL-LW6C」(5W版)では、最大電流700mA(/6.84V)時に「120lumen」でしたが、この「Luxeon K2 with TFFC Cool White」(LXK2-PWC4-0160)では、最大電流1500mA(/3.85V)時に「220lumen」もの光束を得ることができます。
電力が1.2倍で、光束が1.8倍ですから、総合で1.5倍も改善されたことになります。
「わずか1.5倍かよ」と思うのは、技術屋の苦労が分からないトーシローです。2倍以上の電流を流している訳ですから、光素子の変換効率をかなり高くしないと、自らの発する熱で熔けてなくなってしまいます。
光素子自体の化学組成の吟味や改善、チップの製造プロセスの改良を繰り返して、この製品はできあがっているのです。
つぎに、ハイパワーLEDをドライブするための定電流ユニットです。
入力電圧は、DC12V(12~20V)で、外部ボリュームを付けることにより、出力電流を、700~1,400mAの間で可変にすることができます。
このユニット自体で、ある一定以上の負荷があるため、市販製品によくありがちな「球切れ警告」が出ることはありません。また、イグニッションON直後に点滅を繰り返す、いわゆる「フラッシング現象」が起こることもありません。
〔余 談〕
最近のクルマは、重要な灯火類については、あるタイミングで球切れをチェックし、必要に応じて警告してくれるようになっています。
具体的には、イグニッションON時に、微弱な電流を断続的に流し、ある一定以上の電流が流れなければ「球切れ」と判断し、警告を発します。
市販の製品では、「ワーニングキャンセラー」と称される外部回路を介することより、これらの現象を回避していますが、そもそも低消費電力が売りであるはずのLEDに、わざわざ疑似抵抗をかまして負荷を増やすというのは、本末転倒もいいところです。
#いかにも、カッコだけのチューニング。まさに、某「ファッション系」にはピッタリかと。0xF9D1
また、ここで“~と称される”と書いたのは、それが「ワーニングキャンセラー」などという大層な名前に値するような回路ではまったくないからです。
お持ちの方は(買わされちゃった方は)、ぜひ一度分解して、中身を確認してみてください。いかにボッタクられていたかが、よ~く分かると思います。
スイッチング定電流ユニットには、2,000mAまで出力できるユニットがあり、このユニットを使えば、「LXK2-PWC4-0160」を、その最大定格電流である1,500mAでドライブすることができます。
ただし、光束と寿命とはトレードオフの関係にあり、いたずらに電流値を上げると、きちんとした放熱対策を採らないと耐久性が大きく落ちることから、1,400mA以下でドライブすることにします。
(1,400mAでも1,500mAでも、明るさにはそれほど大差ないと思いますが)