またも、だいぶ間が空いてしまいましたが、前回の続きです。
HIDバラストの出力を変更する、「切換スイッチ」です。LEDの透過照明になっています。
この切換スイッチをコンソール周辺にそのまま付けると、「いかにも後から付けました」という“後付け感”バリバリなので、頭と手を使って、少し工夫してみることにします。
M3 Coupeのオリジナルの状態では、純正のスイッチユニット(正式名称:「ライトコントロールエレメント」)の青○の位置は、スイッチカバーで塞がれています。
(M3 Coupeでは、メーター等のイルミネーションの照度調節は、iDriveから電子的に行うため、3 Series用にはあったボリュームが、省略されています)
このスイッチカバーの部分に、切換スイッチを埋め込むことにします。
切換スイッチの中身です。3つの状態があり、45W出力の時、赤く点灯、25W出力の時、黄色く点灯します。
(中立状態(35W出力)の時は、LEDは消灯)
切換スイッチから延びているケーブルは、太くて扱いにくいため、単芯のコードに付け替えておきます。
(いつも使っているコードは、自動車用の、耐熱性のあるものを使っています)
純正スイッチユニットのスイッチカバーをフライス盤に固定し、エンドミルで切削します。
手作業(ヤスリ等による手加工)では、完璧な直線を出したり、四隅に均等にアールを出したりするのは困難です。このフライスマシンは、非常に重宝します。
加工の終わったスイッチカバーです(画像左側)。
純正スイッチユニットも、切換スイッチの中身の基板が載るよう、フレームを切削加工してから、基板を固定します(画像右側)。
スイッチカバーを取り付けた状態です。
M4のエンドミルを使ったので、四隅にはR2が付いています。
シーソー部分を取り付け、純正スイッチユニットを、元に戻した状態です。
シーソー部分とスイッチカバーとの間隔は、0.3mm程度です。
いや~、我ながら、コワいくらい上手くできました。まるで、最初から組み込まれていたかのような、カンペキな完成度です。(と、自画自賛)0xF9F8
前回の続きです。
約2週間掛かって、はるばるドイツ本国から、部品が届きました。
コンタクトピンだけかと思っていたのですが、補修部品として、コードに圧着された状態で来ました。
ということで、さっそく改造に取り掛かります。
運転席右下の、「足下モジュール」(A4011)です。
右ハンドル車なので、コネクタの位置関係は、WDSの図(左ハンドル車)とは、天地逆さまになっています。
コネクタX10164の7番ピンに、新たにコンタクトピンを挿入します。
同じく、コネクタX14259の15番ピンに、新たにコンタクトピンを挿入します。
コネクタX10164の7番ピンと、コネクタX14259の15番ピンとを、結線します。これで、フロントフォグランプスイッチを押すと、信号「S55V」がアクティブになるはずです。
とりあえず、テスターを当てて、信号「S55V」の状態をチェックします。
フロントフォグランプスイッチを押すと・・・、
回路図の通り、信号「S55V」が、アクティブ(+5V)になりました。素晴らしいっ!!0xF9CF
いや~、ここまで予想通りにいくとは思いませんでした。
自分で言うのも何ですが、世界広しと言えど、ここまでマニアックな電装系チューンをしているM3オーナーは、かなり少ないのではないでしょうか。
(っていうか、いない?)0xF9C7
前回の続きです。
5 Series用(E60系)の、「HIDフォグランプユニット」です。BMW純正部品のため、なんとかM3 Coupeに流用できないかと考えていた訳ですが、
その形状から、おそらく、このユニットが組み込まれているものと思われます。Hella製の、「Micro DE Xenon Driving Lamp Kit」です。
ただ、「Micro」という名前だけあって、レンズの開口部が50mmほどしかありません。苦労して取り付ける割には、ちょっと小さいような気がします。しかも、プロジェクタータイプではなく、旧来のリフレクタータイプとなっています。
せっかく取り付けるHIDなので、プロジェクタータイプのユニットを選定することにします。
レンズ開口部は、大きければ大きいほど収束効率が高まるため、同じ光源を使っていても明るくなります。
ということで、レンズ口径がφ120mmの、「120mm Single DE Halogen Low Beam Module」です。おそらく、Hella製のプロジェクタータイプとしては、最大級のユニットかと。
(画像は、ロービーム用で、その他、ハイビーム用とフォグランプ用とがあります)
さすがに超弩級のユニット、デカ過ぎです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」、奥行きが208mm以上も必要となるため、M3 Coupeのフロント部分には、とても取り付けられません。
(電源電圧が24V版もあるので、おそらく、これはトラック用?)
ということで、中庸なサイズ、レンズ口径がφ90mmのユニットです。
画像左側が、ロービーム用の「90mm Single DE Xenon Low Beam Module」、右側が、ハイビーム用の「90mm Single Xenon High Beam Module with Position Lamp」です。
ハイビーム用のユニットは、ポジションランプが付いていますが、プロジェクタータイプではありません。
φ120mmのユニットよりは一回り小さくなりますが、奥行きが162mmとなるので、なんとかフロント部分に押し込めそうです。
「90mm Single DE Bi-Xenon High/Low Beam Module」
前回の続きです。
A4011の「足下モジュール」です。
部品番号を確認したところ、M3と335i(アダプティブヘッドランプ付き)とでは、同じ部品が使われてることが分かりました。
(少なくとも、M3の専用設計ではない、ということ)
部品番号: 61 35 9 166 709
部品名: FOOTWELL MODULE 2
よって、コネクタX14259の15番ピン、「S55V」をアクティブにすれば、フロントフォグランプ用の電源が供給されそうです。
(ただし、あくまで、車種別にライト制御のファームを変えていなければ、の話ですが)
#これだけ予想を外されているので、もしかすると、その可能性も、無きにしもあらずんば虎児を得ず、です。0xF9C5
ということで、「S55V」を、無理矢理アクティブにすることにします。具体的には、コネクタX10164の7番ピンとコネクタX14259の15番ピンとの間を、新たに結線します。
(リヤフォグランプは、日本国内では基本的に使わないので、コネクタX10164の7番ピンと9番ピンとを、入れ替えてしまうという大技もありますが)
#よく高速道路などで、リヤフォグを煌々と点けて走っているオバチャン外車がいますが、あれは止めて欲しいです。後ろから追突してやりたくなります。0xF9D1
これにより、コネクタX14261の37番ピンと、コネクタX14260の3番ピンとから、電源電圧が出てくれれば、バッチリです。
コネクタX14259の15番ピンは、0.35mmなので、それに合わせたコンタクトピン(図中1番)を使います。
部品番号: 61 13 0 005 197
部品名: BUSHING CONTACT 0.2-0.5mm
同様に、コネクタX14261の37番ピンと、コネクタX14260の3番ピンとは、1.5mmなので、それに合わせたコンタクトピン(図中7番)を使います。
部品番号: 61 13 0 007 257
部品名: BUSHING CONTACT 1.5mm
コンタクトピンは、秋葉原に行けば、1個10円ぐらいで買えるのですが、どこのメーカーのものであるか分からないため、BMWの純正部品で揃えることにします。
ニコニコNicleさんに確認したところ、日本国内には在庫が無いとのことで、ドイツ本国から取り寄せることにします。