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RECAROシートの取付
'01/07/21初版,'01/08/12更新

[はじめに]

 ARISTOの純正シートって、どうですか?

 これまでのビッグサルーンと呼ばれる車達のシートと比べれば、確かにしっかりとサポートしてくれますし、ドライビングカーを意識してそれなりに堅めに造ってあります。

 でも、まだちょっと柔らかく感じませんか?

 私は特に腰が弱いと言う訳ではありませんが、ロングドライブをした後など、「何となく腰が疲れている」と言う感覚を何度か経験したことがあります。

 そこで、ボーナスも出たこともあり、免許取り立ての頃からの憧れであったRECAROシートを装着することにしました。

 RECAROシートには、最高級タイプからレーシングタイプまで多くのラインナップがありますが、近年ラインナップに追加されたAM-19シリーズのSPORT-JCというシートにしてみました。

 SPORTモデルは、ヘッドレストが一体化したセミバケットタイプで、サイドサポート・ショルダーサポート共に、かなり大きく造られています。このクラスの車に合わせるシートとしては、少しタイト過ぎるかも知れませんが、そのサポート性の高さを重視して選択してみました。

 JC仕様では、日本人の体格に合わせてシートクッションの厚みを薄くしてあります。また、電動リクライナー・シートヒーター・レカロヴェントが装着された快適仕様となっています。

 RECAROシートの詳細については、ブリンプさんをご覧ください。シートは、RECAROの正規代理店であるネッツトヨタ東京ハブポート若林さんから購入しました。また取付も、ハブポート若林さんのピットをお借りして行いました。

[取付方法]

[写真1]
recaro01.jpg
  • 「ARISTO修理書」を元に、フロントシートを取り外します。
    (取り外しにあたっては、サイドエアバックが誤動作する可能性があるりますので、必ず修理書の手順に従ってください)
  • シートレールを固定している4ヵ所のボルトを取り外します。各ボルトは、相当なトルクで締まっているいるので、ナメないように慎重に緩めます。
    (ボルトを覆っているカバーは、クリップリムーバーを使うと簡単に取り外せます)
  • これでシート本体がフリーの状態になりますが、動かす前に、シート本体に接続されたコネクター(2個)を外しておきます。また、車外に取り出す際にボディーを傷つけてしまわないよう、Bピラーやスカッフプレート周辺に段ボール等でカバーをしておきます。
  • 各部に接触しないよう、慎重にシート本体を取り出します。シート本体を取り外した状態です。(写真1)
  • (以下、考え中)

[装着比較]

[写真2]
recaro02.jpg
  • 純正シートです。(写真2)
 
[写真3]
recaro03.jpg
  • RECARO AM-19シリーズ SPORT-JCシートです。(写真3)
 
[写真4]
recaro04.jpg
  • 装着前と装着後に、それぞれいつものドライビングポジションを取った時のものです。(写真4)
  • 装着前に比べて装着後の方が、こぶし1つ分ぐらいローポジション化が図られています。
  • これだけ違うと、高速コーナリング時にも、かなりの安定感の違いとして現れてくるでしょう。

[インプレッション]

○第一印象 「さすがはRECARO!!」

 初めてシートに腰を下ろした瞬間は、「ちょっと堅いんじゃないかなぁ」と言う感じでした。まさにドイツ車的な味わいのするシートです。人によっては、この堅さに違和感を覚えるかも知れません。ですが、この「適度な堅さ」がRECAROシートの快適さのヒミツなのでしょう。

 「卵を割らずに長い距離運ばなければならない」と言う時に、柔らかいクッションで包んで運ぶと言う人もいるでしょうし、堅めのクッションでピンポイントで支えて運ぶと言う人もいるでしょう。どちらが正解と言う訳ではありませんが、黄身の気分になってみると、後者の方が、「揺れはしても、揺れている時間が短いので、結果としてそれほど疲れを感じない」と言うことになるのでしょう。

 ドイツ的と日本的な発想の違いと言えるのではないでしょうか。
(よく分からない喩えですねぇ。とても技術屋とは思えない・・・)

○機能面

 今回装着したSPORT-JCの機能面について、純正シートと比較してみます。

 まずは、電動になっている部分です。純正のシートは、リクライニング・前後スライド・前後座面高さ調節・ランバーサポートが全て電動になっていますが、SPORT-JCは、リクライニングのみ電動となっています。

 座面の高さ調節は、シートレールの固定ボルトの位置を変えることで、3段階に調節することができます。またスライドは、普通の車のように座面下部のシートレバー押し上げることで、かなりの範囲で調節することができます。これらの位置は、一度決めてしまえばほとんど変更しない部分ですので、電動でなくても特に不便は感じていません。

 また、ランバーサポートについては、エア・ランバーサポートという面白い機能が付いています。これは、ちょうどNIKEのエアシューズのように、ポンプを手動で動かすことにより、バックレストに内蔵されたエアバッグを膨ませ、ランバーサポート量を調節するものです。

 純正シートには無い機能とすると、シート深さ調整・レカロヴェント・シートヒーターがあります。
(シートヒーターは、本革仕様には標準ですが)

 シート深さ調整とは、シートの深さ(シートクッションの奥行き)を手動で調節できる機能です。私は太股をしっかりサポートしてもらいたい方なので、2段階ぐらい深めしています。前述のエア・ランバーサポートと組み合わせると、かなりの範囲で自分好みにぴったりと調節することができます。

 レカロヴェントとは、シート背面にファンが付いていて、シート表面の湿気を強制的に排出してくれる機能です。実際に作動させてみると、フーンと言う静かな音がして背中がスースーしてきます。ロングドライブをしていると、背中がじっとり湿ってくるようなことがありますが、これをかなりの割合で軽減できると思います。

 シートヒーターは、まだ試していませんが、寒い冬の日にシートに腰を下ろす時に重宝しそうです。

 電動リクライナー・シートヒーター・レカロヴェントは、全て手元のリモコンでコントロールすることができます。またシートカラーは、まるでVertex Editionに装着されることを想定していたかのように、純正シートカラーとうまくマッチングして、全く違和感なく収まっています。

○気付いたこと

 デメリットと言う程ではありませんが、ちょっと気付いたことを少し。

 まずは、サポート性の高さに依る部分です。SPORTモデルは、ショルダーサポートの部分が大きく盛り上がっているため、シートベルトアンカーがそこに引っかかり、乗り降りの際にシートベルトが装着しづらいことがあります。またサイドサポートもしっかりしているため、バックする際に身を乗り出して後ろを振り返ると言うアクションが少ししづらくなりました。

 これらは、あえてサポート性の高いシートを選んだ訳ですから、文句は言えません・・・。

 あとは、リモコンについてです。各機能をコントロールするボタンには、イルミネーションが付いているのですが、これがイグニッションをONにすると、常に点灯しっぱなしになります。消費電流は大したことはないと思いますが、周りが明るい時には特に必要とはしませんので、車両側のイルミネーションと連動するようにしてもらいたいものです。

 また、日本仕様(JC仕様)は、ワイヤードリモコンになっているのですが、このリモコンの置き場所に困ってしまいます。日本仕様は、シートクッションの厚みを薄くしたため、ドイツ仕様(DC仕様)のようにシートクッションサイドにスイッチを配置できなかったようです。

 このリモコン、センターコンソールに固定していないと、いつの間にやらどこかに行ってしまっています。ドイツ仕様と同様に、スイッチの配置を何とか工夫して、シートクッションサイドに配してもらいたいものです。

○最後に

 某ブティックの店主の口上(?)のように、「腰痛か全く無くなった!」と言う極端な違いは感じられませんでしたが、少なくとも純正シートで感じていたような疲れは軽減されています。高い代価を払ってシートを交換しただけの効果はありました。

  
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