'01/09/25初版,'02/04/06更新 |
[はじめに]
アンダーディフューザーとは、車体下部に流れ込む空気を整流し速く抜けさせることで、車体上部を流れる空気との速度差を作り出します。これにより、局所的な気圧差を作り出し、ボディーを下へ押し付けるダウンフォースを得ることができます。結果として、高速域でのボディーの安定性が増すことになります。
アンダーディフューザーというと、これまではレーシングの世界でのことでしたが、R34 GT-Rの辺りから本格的に市販車に取り入れられるようになりました。さらに最近では、単に高速域でのボディー安定性の獲得だけではなく、空力の改善による燃費向上のための方策としても用いられています。30 CERSIORでは、ボディー下面はほとんどカバーに覆われ、ほぼフラットになっています。
ARISTOも、昔の車に比べれば、アンダーカバーで覆われている部分が多くなっていますが、それでもリフトに載っているSOARISTO号を下から眺めていると、まだまだ凹凸が多いような気になります。
ということで、電気系にわか職人としては、
「効果があると言われているものは試さずにはいられない!」
という生来の気質を背負ってしまっているため、今回も性懲りもなくDIYすることにしました。0xF9F8
[作製方法]
ARISTO用のリヤアンダーディフューザーというと、既に某A社から発売されている製品があります。この製品は、某A社の特徴であるカーボンを使った、軽量かつ強固な作りとなっているようです。ですが、お手軽チューンとしては、いかんせんちょっと高価なような気がします。
また、アフターパーツとして発売する以上、装着する車がどのようなマフラーを付けていても、きちんと取り付けられなければなりません。したがって、デザインや形状の自由度に、自ずと制約が出てきてしまいます。
このような制約があったかどうかは分かりませんが、発売されてる製品は、ボディー下面はあまり覆われてはいないような気がします。
(空力的には、十分な性能が得られているのかも知れませんが)
そこで、DIYチューンの強みを活かし、SOARISTO号のボディー下面ににジャストフィットするリヤアンダーディフューザーを作製することにしました。第一目標は、「何が何でもフラット化!」です。
また、空力的に意味があるかどうか分かりませんが、左右のスプリッターとの間にフラップを取り付けてみました。取付穴の位置を変更することにより、角度調整ができるようなっています。
(エアロダイナミクスの「エ」の字も知らないので責めないでください)0xF9C7
[写真1] | |
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つぎに、今回作製したリヤアンダーデフューザーの図面を示します。
(真面目に製図するのは久しぶりだなぁ。確か大学時代の「電気工学実験Ⅰ」以来かな?)
にわか職人が片手間に描いたものなので、加工性は全く考慮されていません。このまま金属加工屋さんに持っていっても、恐らくダメです。
(あくまでディフューザーの形状確認の参考としてください)
[図面3] | (画面をクリックすると拡大します) |
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[図面4] | (画面をクリックすると拡大します) |
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アルミ板およびステンレス板の加工は、金属加工屋さんにお願いしました。3D CADで図面を起こし、レーザー加工機で切り出します。何もしないで見ている間に切り出してくれます。
[写真2] | |
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[写真3] | |
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[写真4] | |
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まさに、コンコルドのリヤジェットエンジン状態になってしまいました。
(このままではアニメチックでちょっと派手過ぎるため、現在はフラップを外してあります)0xF9C7
[インプレッション]
Club ARISTOのFISCOオフミへの行きの東名で、リヤアンダーディフューザーの効果の程を「検証」してみました。0xF9C6
100km/h未満では違いは感じられませんでしたが、120km/hを越えた辺りになると、ノーマルとの違いをはっきりと感じることができます。
また、高速湾岸線西行きの浦安I.C.手前付近に、いつもフワッと飛び跳ねて怖い思いをするポイントがあるのですが、このポイントをディフューザを装着した状態で通過してみました。
確かに最初はフワッとくるのですが、その後ピタリと上下方向の動きが抑制されて、何か路面から強力な磁石で吸い付けられているような感覚を受けました。
ただし、予想以上に効果が大きかったため、逆にフロントが持ち上がってしまっているような感じも受けました。
(これは、さっそくフロントディフューザーを作るしかないですねぇ)0xF9F7
逆にいうと、リヤ周りに簡単なディフューザーを付けるだけでも、かなり大きな効果を産み出すことができるという大きな発見でもありました。
[写真5] | |
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[写真6] | |
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装着する前は、
「SOAさんはあまり飛ばさないから、リヤディフューザー入れても変わらないかも」
という声もありましたが、確かに一説にはそのとおりです。
でも、
「い~んです!」 (川平慈英風発音)
本人さえよければ。0xF9C7
[おわりに]
ディフューザー作製にあたりご協力いただきました「トヨタビスタ北千葉ベイ稲下店」のメカニックの皆さま、どうもありがとうございました。また、型取りをお手伝いいただいた「光」さん、金属加工のお手配をいただいた「TOM」さん、どうもありがとうございました。
[おまけ]
リヤエンドのカスタマイズの一つとして、前々から気になっていた、VA300用のリヤバンパースポイラーを取り付けてみました。
※このパーツは、通常のルートでは入手することはできません。入手方法について、TOM'Sさんやモデリスタさんにお問い合わせされることは、ご遠慮いただけますようお願いいたします。
[写真7] | |
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[写真8] | |
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[写真9] | |
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