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HIDバーナーの蒼白化
(2/2)
'03/06/01初版,'03/07/04更新

[おまけ2] “リフレクター形状の違いによる色調の差”

 それでは、同じ4,100Kのバーナーを使っている純正のHIDヘッドランプでも、メーカー(車種)の違いによって、黄色っぽく見えたり、青白く見えたりするのはなぜなのでしょうか?

 ここに、興味深い実験結果があります。

[写真19](写真提供: K-Lさん)
pale_hid19.jpg
  • (写真19左)は、SILVIA(S15)のプロジェクターユニットです。
  • (写真19右)は、CELICA(ZZT231)のプロジェクターユニットです。
    (「K-L」さんが、なぜにこのような代物を所蔵しているかは、同じく謎。)0xF9C7
 
[写真20](写真提供: K-Lさん)
pale_hid20.jpg
  • レンズ部を、裏から見たところです。(写真20)
 
[写真21](写真提供: K-Lさん)
pale_hid21.jpg
  • リフレクター部です。(写真21)
 
[写真22](写真提供: K-Lさん)
pale_hid22.jpg
  • SILVIA(S15)のリフレクター部を拡大したものです。(写真22)
  • つるんとした滑らかな形状をしています。
 
[写真23](写真提供: K-Lさん)
pale_hid23.jpg
  • CELICA(ZZT231)のリフレクター部を拡大したものです。(写真23)
  • 上方向および下方向に窪みがあり、複雑な形状をしています。
 
[写真24](写真提供: K-Lさん)
pale_hid24.jpg
  • 2つのプロジェクターユニットを、点灯させたところです。
  • (写真24左)がSILVIA(S15)、(写真24右)がCELICA(ZZT231)です。
  • それぞれ、同じ色温度のバーナー(5,200K)を組み込んであります。

 さて、どうでしょう?

 明らかに、SILVIAのユニットに比べて、CELICAのプロジェクターユニットの方が、青白い光を放っています。

 CELICAのリフレクターでは、上下方向に反射角度を変える窪みが付いていて、セラミックチューブによって発生する「黄色いグレア光」を、うまく抑え込む工夫がしてあります。
(ただし、SILVIAのユニットは、CELICAのユニットに比べて、劣っていると言っている訳ではありません。SILVIAのユニットの方が、純白の光を放っているので、夜間の視認性という意味では、優れているのではないかと思います。)

 すなわち、リフレクターの設計の考え方によって、HIDヘッドランプの放つ光の色調は、大きく異なってくるのです。HONDA ACCORDやS2000のHIDヘッドランプが、同じ色温度のバーナーを使っていながらも、涼しげな青白い光を放ち、その筋では「最高傑作」と言われる所以は、ここにあります。

[おまけ3] “ブルーコーティングバーナー+ブルーペイント”

 さらに、別の実験結果です。

 ガラス管面が「ブルーコーティング」してあるHIDバーナーに、「ブルーペイント」してみます。

[写真25](写真提供: K-Lさん)
pale_hid25.jpg
  • (写真25右)は、某社のHIDバーナー(色温度:7,500K)です。
  • (写真25左)は、セラミックチューブを「ブルーペイント」したものです。
 
[写真26](写真提供: K-Lさん)
pale_hid26.jpg
  • CELICAのプロジェクターユニットに組み込み、点灯させたところです。
  • (写真26左)がブルーペイント前、(写真26右)がブルーペイント後です。

 見た目には、あまり差が無いようです。もともと色温度の高いHIDバーナーに、「ブルーペイント」を施しても、色調の違いは現れないようです。残念。。。

[おまけ4] “純正HIDヘッドランプでの実験結果”

 「よしき」さんから、「純正HIDヘッドランプ」と「PIAAコバルトスーパーHIDバルブ」との組み合わせでの実験結果をお送りいただきましたので、ご紹介します。

[写真27](写真提供: よしきさん)
pale_hid27.jpg
  • (写真27左)は、純正のHIDバーナー(D2R)です。
  • (写真27右)は、「PIAAコバルトスーパーHIDバルブ」(D2S)で、セラミックチューブを「ホワイトペイント」したものです。
 
[写真28](写真提供: よしきさん)
pale_hid28.jpg
  • 純正HIDバーナーの色調です。(写真28)
 
[写真29](写真提供: よしきさん)
pale_hid29.jpg
  • 「コバルトHIDバーナー」+「ホワイトペイント」の色調です。(写真29)
 
[写真30](写真提供: よしきさん)
pale_hid30.jpg
  • 純正HIDバーナーの色調です。(写真30)
 
[写真31](写真提供: よしきさん)
pale_hid31.jpg
  • 「コバルトHIDバーナー」+「ホワイトペイント」の色調です。(写真31)

 上記より、純正HIDヘッドランプでも、大きな「美白効果」があることが分かりました。「よしき」さん、どうもありがとうございました。

[おまけ5] “HIDバーナーの交換方法”

 ご質問の多かった、HIDバーナーの交換方法についてご説明します。

[図面1]
pale_hid201.jpg
  • 「バックカバー」を、反時計方向に回して取り外します。(図面1)
  • バックカバーは、防水パッキンが付いていて、かなり硬く締まっています。外周部をしっかり押さえて、ゆっくり回します。
  • また、バックカバーは、4ヵ所のツメで固定されるようになっています。このツメの位置は、微妙に非対称になっているため、向きを間違えると、うまくはめ込むことができません。
  • 後で分からなくなってしまわないように、バックカバーを外す前に、テープ等で目印を付けておくと良いでしょう。
 
[図面2]
pale_hid202.jpg
  • 「ソケットカバー」を、押し下げながら引いて取り外します。(図面2)
  • ソケットカバーは、上下にある勘合ではまっています。上下から摘むようにして、手前に引き出します。
 
[図面3]
pale_hid203.jpg
  • 「バルブソケット」を、反時計方向に回し、手前に引いて取り外します。(図面3①)
  • 「セットスプリング」のロックを外し、HIDバーナーを取り外します。(図面3②)
  • バルブソケットにも、取り付け方向があります。取り外す前に、向きを覚えておきます。
  • HIDバーナーは、左右から2本のスプリングで固定されています。スプリングは、ハウジング上端の留め金に引っ掛かっていますので、少し奥に押し込んでから、手前に引き出します。
  • HIDバーナーがフリーになりますので、ガラス管が各部に触れないよう、慎重に引き抜きます。

 取り出したHIDバーナーは、ガラス管面にチリやホコリが付かないよう、早々にケース等にしまっておきます。万が一、ガラス管面に触れてしまった場合には、アルコールで脱脂します。
(HIDバーナーは、1本1万数千円しますので、くれぐれも取り扱いは慎重に。)

[おまけ6] “光軸の調整方法”

 ついでに、光軸の調整方法についてもご説明します。

[図面4]
pale_hid204.jpg
  • HiビームおよびLowビームの調整ポイントは、全部で4つあります。(図面4)
  • 「上下エーミングスクリュー」および「左右エーミングスクリュー」を回すことにより、光軸を上下左右に調整することができます。
  • 図面中のドーナツ状のものは、フェースギヤ(円盤状の歯車)です。長めのドライバーを差し込み、時計方向および反時計方向に回すことにより、スクリューの長さが変わり、光軸が動きます。

[おまけ7] “純正HIDヘッドランプの分解構成図”

[図面5](画面をクリックすると拡大します)
pale_hid301.jpg
  • 純正HIDヘッドランプの分解構成図です。(図面5)

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