前回の続きです。
「Mirrorcam 3」(MRC-2024)の改造したリヤカメラの取り付けができたところで、いよいよ車内の配線に取り掛かります。
まずは、こちら。Mirrorcam 3の本体です。
幅257mm × 高さ88mmですが、厚みが18mmと、けっこうあります。
取り付け前に、純正の「反射防止シート」を貼ってあります。
裏面です。
Mirrorcam 3本体は、純正のルームミラーに、「ゴムバンド」で取り付け(括り付け)るようになっています。
軽自動車から普通自動車まで、あらゆるメーカーの、あらゆる形状のルームミラーの対応する必要があるため、致し方ないことではあります。
んが、しかし、これが「いかにも後から取り付けました」的な、安っちぃ~代物なのです。
車内からは、本体形状の見直しで目立たなくしているようですが、車外(フロント正面)からは、チープなゴムバンドが丸見えです。
と、いうことで、工夫します。
純正のルームミラーです。
Audi R8 V10 5.2 FSI quattro S-tronicのルームミラーは、自動防眩機能が付いているため、本体下部に、照度センサーやON/OFFスイッチが設置されています。
裏面にも、前方からの照度センサーが付いています。
これらのセンサーに影響を与えないよう、純正ルームミラーにMirrorcam 3本体を取り付けることにします。
Autodesk Fusion 360で設計し、Snapmaker 2.0 A350で、2mm厚のアクリル板を切削します。
Mirrorcam 3本体の裏面にぴったり合う、取付プレートが切り出されました。
ABS用の強力接着剤を使って、裏面に固定します。
画像上段は、Audi R8の納車後間もなく取り付けた、ワイドルームミラー(の改造版)です。
3Mの超強力両面接着シートを使って、純正ルームミラーに貼り付けます。
このような感じで、純正ルームミラーにMirrorcam 3本体を、がっちり固定することができました。
Mirrorcam 3本体の上面です。
旧モデルより形状を見直したり、L型コネクタを採用したりして、複数のケーブルがごちゃごちゃしないよう工夫しているのは良いのですが、MicroSDカードの挿入口がここにあるのは、いただけません。
Mirrorcam 3本体は、天地方向の大きさがけっこうあり(高さ88mm)、天井までの隙間がほぼないため、MicroSDカードを取り外すのに、いちいちルームミラーを傾けないといけないのです。
基板上の部品配置や熱設計が根本から変わってしまうのは分かるのですが、MicroSDカードの挿入口は、本体下面にして欲しかったです。
仕方がないので、MicroSDカードを取り出しやすいよう、工夫することにします。
MicroSDカードに、極薄フィルムを適当な大きさに切り出し、強力両面接着テープ(極薄タイプ)で貼り付けています。
極薄フィルムは、ICなどを保管するための「静電防止袋」を使用しました。このフィルムは、かなりの張力を掛けても伸びることなく、MicroSDカードを抜挿入しやすくなりました。
つづいて、ケーブル類を細工します。
右側が、Mirrorcam 3用の「GPSアンテナ」で、左側が、「二股シガーソケット電源ケーブル」です。
GPSアンテナは、端子がφ3.5mmのステレオミニプラグ(3極)になっているタイプで、市場で容易に入手できるものです。
こちら、ケーブル長が約1.9mもあり、Audi R8のフロント周りに引き回すには、ちょっと長過ぎます。
二股シガーソケット電源ケーブルは、その名のとおり、シガーソケットから電源を取り出し、Mirrorcam 3本体に給電するものです。
ケーブル長は約3.5mありますが、Mirrorcam 3本体側から0.5mのところで分岐しており、片側にGPSアンテナからのケーブルを接続するようになっています。
こちらもまた、ケーブル長が長過ぎます。
と、いうことで、シガーソケットを分解。
電源を供給するケーブルが無駄に長いため、Audi R8のヒューズボックス(助手席足下)から取り出せるよう改造した上で、適切な長さに調整することにします。
こちら、DC/DCの降圧回路。DC12Vを降圧し、5V/3.5Aを供給します。
Mirrorcam 3本体のディスプレイが「爆光液晶」ということで、従来のモデルより消費電力が大きくなっていることから、供給電流が強化されています。
ちなみに、この二股シガーソケット電源ケーブル、販売時期(2024年6~7月)によっては、供給電圧が安定しないという不具合が発生し、交換対応となっているようです。
電源ケーブルの細工ができたところで、ヒューズボックスから電源を取り出すための配線を作ります。
かなり以前にPorsche 911 Carrera S(Type 997 Phase 2)用に作ったものと同じものです。
エーモンから「ヒューズ電源」というものが出ていますが、平形ヒューズで3Aのものはラインナップされていないため、自作します。
配線が赤色のものが「常時電源(BAT)」で3A、オレンジ色のものが「イグニッション電源(IGN)」で5Aとなっています。
取り出し側は、複数のパーツに電源供給することを想定し、二股のギボシ端子(メス)にしています。
電源ケーブルに続き、GPSアンテナも細工します。
4ケタ万円のクルマですから、走行中にチープなビビリ音など出さぬよう、細心の注意を払います
GPSアンテナのケーブルには、tesaの「フリース粘着テープ」を、スパイラル状に巻いておきます。これで、走行中の振動でケーブルが各所に触れても、余計な異音を出さなくなります。
さらに、日東電工の「エプトシーラー」(EPDM発泡シール材)を、適所に巻いておきます。
#タイムコストに追われるショップでは、ここまで手の込んだことはやってくれまい。0xF9D1
前準備がだいぶ長くなりましたが、いよいよ車内の配線に取り掛かります。
はじめに、GPSアンテナ本体を、両面接着テープで固定します。
GPSアンテナのケーブルを、フロントウィンドウとダッシュボードとの隙間に、定規などを使って押し込んでいきます。
「エプトシーラー」がストッパーの役を果たし、隙間でケーブルがしっかり固定されます。
つづいて、Mirrorcam 3本体の取り付けに掛かります。
中央のルームランプと左右のサンバイザー取り外し、ルーフライニングをフリーにします。
Mirrorcam 3本体を、いったん仮組みしてみます。
想定どおり、天地方向のクリアランスは、ほとんど有りません。
ケーブル類の引き込みです。
すべてのケーブルには、ルームミラーの付け根から露出する部分を除き、純正のケーブルハーネスと同様、フリース粘着テープで異音対策をしておきます。
5本のケーブルは、ここから先、右回りと左回りに分かれていきます。
右回りは、二股シガーソケット電源ケーブルの、分岐している電源取り出し側と、リヤカメラのケーブル、セキュリティLEDのケーブルの3本になります。
画像中央の膨らんでいる部分は、電源ケーブルの分岐点で、片方には、GPSアンテナのケーブルを接続します。よって、ルーフ中央で、左側に折り返します。
3本のケーブルをまとめ、フリース粘着テープで異音対策をしておきます。
左回りは、二股シガーソケット電源ケーブルの、分岐しているGPSアンテナ側と、フロント4Kカメラ(Vantrue X4S Duo)の電源ケーブルの2本になります。
GPSアンテナ用のジャックに、フロントウィンドウの縁を回してきた、GPSアンテナのプラグを接続します。
2本のケーブルをまとめ、フリース粘着テープで異音対策をしておきます。
(つづく)
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