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超高輝度LEDリヤフォグランプの製作(1) - Audi R8編

 以前の「FIA準拠・超高輝度LEDレインライト」の続編です。

 ドイツから、航空小包が届きました。

Audi R8 Rear Center Fog Lamp

 Audi R8の部品ですが、VolksWagenグループだけあって、同グループ各社のロゴが入った箱に入っていました。

Audi R8 Rear Center Fog Lamp
(画像は、天地逆さまです)

 画像のとおり、「リヤセンターフォグランプユニット」(部品コード:420 945 703)です。

Audi R8 Rear Center Fog Lamp

 Audi R8のリヤコンビネーションランプは、すべてLED化されていますが、このリヤセンターフォグランプだけは、白熱バルブ(P21W)となっています。

 カプラ自体が防水タイプとなっていますが、さらにカプラ周辺にシーリング剤が塗布されており、かなり厳重に防水対策がなされていました。

Audi R8 Rear Center Fog Lamp

 予想はしていましたが、ユニット本体とクリアパーツとは、熱で溶着されています。

 近年の欧州車は、ほぼこの方法で加工されています。

 以前のランプユニットは、シーリング剤により接着されており、熱を加えることにより分解(殻割り)できましたが、今回は、それができません。

 超音波カッターなどで無理矢理分解することもできますが、前述のとおり、車体下面にあるパーツで、かなり厳重に防水対策がなされているところをみると、下手に切断すると、すぐに水漏れ(涙目現象)が起きそうです。

 仕方がないので、少し工夫を施して、ランプユニットを分解せずに、LED化することにします。

Murata DC-DC Converter OKL-T/6-W12N-C

 まず先に、電源関係です。

 超高輝度LEDを多数接続しても、十分な電源容量が得られるよう、村田製作所のDC/DCコンバータ、「OKL-T/6-W12N-C」を使います。

 表面実装型のスイッチング電源モジュールで、最大14Vの入力電圧から降圧し、最大6Aの電流を供給することができます。

#以前に製作した「人体検知によるドラレコ電源制御回路」でも、使用していたものです。

 秋月電子では、エクール基板とセットになったキットも販売されていますが、あえてそれを使用せず、電源モジュールとエクール基板とを、別々に調達しました。

 これにより、チップ抵抗やチップコンデンサを、個別に調達する必要が出てきますが、回路の自由度が増します。

 今回は、出力電圧2.5Vが得られるよう、回路定数を計算し、それに合わせたSMD(表面実装部品)を選び、ハンダ付けしました。

#部品サイズが「1608」とか「2012」とか、かなり細かな作業を要求されますが。

Power MOS FET Integrated Switching Circuit

 チップ型のMOS FETを組み合わせ、超高輝度LEDの電源開閉回路を作製します。

 以前に作製した、「RAIDアクセスインジケータ」や「超高輝度LEDレインライト」の制御回路と、同じようなものです。

 ハイサイドスイッチとするため、PchのPower MOS FETを使用し、入力信号を反転するため、NchのMOS FETを使用しています。

 Power MOS FETは、SOT-23Fという、非常に小さいパッケージ(2.9×2.4mm)ですが、この大きさで、-30V, -6Aまで開閉することができます。

 基板上に6本ある端子のうち、5本を使い、電源が2本(14V, 2.5V)、入力が1本、出力が1本、GNDが1本となっています。

 とても小さい基板に、チップ型のFETと抵抗を詰め込みましたが、これも集積回路(IC; Integrated Circut)の一つといえるでしょう。

Power MOS FET Integrated Switching Circuit

 ユニバーサル基板の上に、回路を構成します。

 子亀基板の上に、孫亀基板が載る感じになります。

Murata DC-DC Converter OKL-T/6-W12N-C Modified Circuit

 親亀基板の上に、子亀基板が載りました。

 秋月電子の専用基板を使って、非常にコンパクトに、電源供給・開閉回路ができました。

OptoSupply OS5RKAZ2C1P

 つづいて、照明関係です。

 今回は、Fluxタイプの超高輝度赤色LEDを使用することにしました。OptoSupplyの「OS5RKAZ2C1P」(250円/10個)です。

 定格2.5V, 70mAで、光度10,000mcd, 光束10lm, 半減角120°と、非常に明るいLEDです。

OptoSupply OS5RKAZ2C1P Array

 先に、下半分のLEDアレイを作製しました。

 12行×3列の、36連発で、360lmになります。

 ユニバーサル基板は、光束を余すところなく使えるよう、タミヤのサーフェイサーを吹いてから、「シルバーメタル」で塗装してあります。

OptoSupply OS5RKAZ2C1P Array

 仮に点灯させてみたところです。

 直視すると幻惑を覚えるほど、圧倒的な明るさです。0xF9CF

 画像では、オレンジ色っぽく見えますが、CMOSセンサが飽和してしまっているためで、ドミナント波長625nmの、純然たる赤色をしています。

#海上自衛隊の護衛艦のVLS(垂直発射装置)から放たれる、SSM(対艦ミサイル)の同時飽和攻撃みたいな。

(つづく)

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