久しぶりの二輪企画です。
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とある御仁が、愛機、bimota TESI H2に、どうしてもブーストメーターを付けたいということで。
日本精機の「Defi Racer Gauge N2」です。
ブーストメーターなんて、ARISTO V300 Vertex Editionに取り付けて以来ですから、すでに20年以上経ってます。
ブラックウッド調
三連メーターパネル製作
(Club ARISTOへリンクします)'01/02/03 ブラックウッド調
ブーストメーターパネル製作
(Club ARISTOへリンクします)'00/09/15
いや、まぁ、懐かしい。
こちらが、フロント右側のカーボンパネルです。
この位置に取り付けたい、というご指定が。
んが、しかし、カーボンパネルは、やたらとスラント(傾斜)しています。
さらに、メーター取付面に対し、メーターを垂直にはめ込んだのではダメで、若干左方向に傾けないと、ライダーの目線と合いません。
なんという、ややこしさ。
一般的には、ホールソーを使うのでしょうけど、φ52mmとかいう中途半端なサイズをこのためだけに購入するのは、ちょっと勿体ないような気がします。(セコい?)
しかも、ホールソーでの切削は、完全に一発勝負で、アタリを見ながら調整することが難しいのです。
さらには、前述のとおり、メーター取付面に対し、微妙に傾ける必要があります。
余談になりますが、かなり以前に、Porsche 911 Carrera S(Type 997 Phase 2)に「HIDフォグランプ」を埋め込んだ際、円筒を斜めに精確に切断する技を編み出しました。
「超弩級ひかり化計画(4) - パイプ加工」(2016年11月23日)
ヒントは、こちら。
こんな感じで、塩ビパイプを斜めに切断します。
さて、ここで問題です。
円筒を、平面で斜めに切り取り、その立体の側面を展開すると、どのような形状になるでしょうか?
「超弩級ひかり化計画(5) - メッシュ加工」(2017年3月12日)
「マリオの土管」を斜めに切断し、「太めの門松」を作りました。
切り口が、かなり鋭角になっていますが、この角度こそ重要なのです。
「超弩級ひかり化計画(6) - メッシュ加工」(2017年4月2日)
「マリオの土管」のセンターをしっかり合わせた上で、ヘラを使って、円筒の内周に沿って曲げていきます。
メーターを、取付面に対して傾けると、その切断面の形状は「楕円」になります。
よって、その「楕円」を精確に切削するため、さらに工夫を凝らすことにします。
カーボンパネルを、グラつきなくがっちり支持するため、専用の治具を作ります。
いつものとおり、Fusion 360で設計し、Snapmaker 2.0 A350でアクリル板を切削します。
5mm厚のアクリル板を切り出し、主要パーツを溶着した治具の主要部分です。
コーナーの部分には、傷付き防止とズレ防止のため、1mm厚のエプトシーラーを貼ってあります。
ちなみに、アクリル板は、「タイニー・ファランクス」の端材です。なので、色はグレーです。
コーナーの部分は、位置決めのためのストッパーと、クランプで固定するためのパーツを付けてあります。
パーツの表面(おもてめん)は、現物に合わせて、微妙に傾けてあります。
もう片方のコーナーは、M4のボルトで固定するため、ボタン状のパーツを付けてあります。
こちらのパーツも、分かりにくいですが、現物に合わせて、表面(おもてめん)を微妙に傾けてあります。
Snapmaker 2.0 A350のベースホードに取り付ける土台部分を溶着して、治具が完成。
アクリル板を「接着」ではなく「溶着」しており、素材として一体化しているため、かなりがっちり組み上がっています。
指定の穴開け位置の中心に、精確に「Work Origin」を合わせます。
このWork Originを中心に、メーターが入る穴を切削します。
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いきなり所定の大きさ(φ52mm)に切削するのではなく、最初は、小さい穴を開けて様子を見てみます。
当初は、炭素繊維の切れ端が毛羽立つかと思ったのですが、あっさり、綺麗な断面に仕上がりました。
エンドミルの回転速度は12,000rpmですが、送り速度を、通常よりもかなり低速(200mm/min)にしたのが、功を奏したようです。
カーボンパネルの厚さは、0.8mmでした。
(つづく)
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