前回の続きです。
前回は、「レインライト」を作るにあたって、「ライト・スイッチ・ユニット」に来ている「リヤフォグランプ」の信号を確認しました。
こちら、以前に作製した「セキュリティLED制御回路」の回路図です。
6年前に作った回路をしみじみ眺めて、考えを巡らせます。
具合の良いことに、PIC(PIC16F819)のポートが、2つ残っていることが分かりました。
#プリント基板を作る際、空きポートをオープンにしておいて良かったなぁ、と。
この2つのポートを、リヤフォグランプ信号の入力と、レインライト信号の出力に使うことにします。
さっそく、カイゾーに掛かります。
XHコネクタの5Pのものを取り外して、7Pのものに付け替えます。
2P分は、プリント基板に差さらないため、足を伸ばしておきます。
このような感じで、親亀の上に子亀を載せて、この上に追加の回路を構成することにします。
“子亀基板”は、サーキュラーソウを使って、精確に切り出しています。
追加した回路です。
プラスチックケース内に収めるため、高さ制限があることから、やむなくFETを寝かせてあります。
回路の構成は、とても簡単です。
フォグランプ信号の入力は、「ライト・スイッチ・ユニット」からの信号電圧が+12Vであることから、PICのロジック電圧(+5V)に合うよう降圧しています。
また、PICの入力ポートが負論理になっている(他の入力信号の都合上、内部プルアップしてある)ことから、FETで反転しています。
念のため、ツェナーダイオードを逆に入れて、入力を保護しています。
レインライト信号の出力は、PICの出力ポートのロジック電圧が+5Vであることから、「ライト・スイッチ・ユニット」の信号電圧(+12V)に合うよう昇圧しています。
FETを2段かまして、反転の反転で、正論理になっています。
あまりやりたくなかったのですが、定電圧レギュレーターの足から、直接、+12V / +5V / GNDを取り出しています。
“子亀基板”を載せて、各種信号を配線したところです。
子亀は、3Mの両面接着シートを使って、親亀に固定しています。親亀と子亀との間の信号がショートしないよう、絶縁の意味もあります。
電源系は、表面から取りましたが、PICからの信号系は、裏面から取りました。
XHコネクタからの2本の足をハンダ付けすることにより、子亀基板は、親亀基板にがっちり固定できています。
Microchip Technology社の「MPLAB XC8」で、レインライト用の制御プログラムを追加し、PICKit3で「PIC16F819」に書き込みます。
PIC16F819内蔵のCCP(Compare / Capture / PWM)モジュールを使用し、1kHzの周期 / 10bitの分解能(1,024段階)でLEDの輝度をPWM制御しています。
また、Timer0によるハードウェア割り込みを使用し、1kHzの周期(1ms間隔)で状態監視をしています。
#無駄に高分解能という。0xF9C7
(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)
机上で所定の動作ができているかどうか、確認します。
記述が遅くなりましたが、何が「FIA準拠」かというと、点滅の周期になります。
FIAのレギュレーションによると、「レインライト」のフラッシングの周期は、4Hz(1秒間に4回点滅する)となっています。
よって、「リヤフォグランプ」をONにすると、超高輝度赤色LEDが「125ms点灯し、125ms消灯する」というのを、無限に繰り返すようにしています。
PIC内部で、1ms周期のタイマー割り込みを使っていることから、125回ずつカウントすれば、精確に点滅周期を再現することができます。(PIC自体は4MHz動作)
動作確認が取れたところで、プラスチックケースの加工に入ります。
フライス盤を使って、コネクタが逃げる場所を切削します。いつものとおり、テプラを使って型紙を作り、精確に位置決めをしています。
5PのXHコネクタのところに、7Pのものを入れているため、センターより少しオフセットされています。
手仕事ですが、0.1mm程度の精度は出ていると思います。
プラスチックケースに、プリント基板を収めたところです。
寸分違わず、ぴったり収まっています。
上蓋を取り付けて、完成。
ほとんど製品レベルかと。0xF9F8
左側の穴は、緑色LEDのパイロットランプで、中央付近の穴は、スモールランプ点灯時の超高輝度赤色LEDの明るさを調節するためのボリュームです。
と、いうことで、純正の「リヤフォグランプ」を、FIA準拠の「レインライト」として動作させるための準備ができました。0xF9C6
(つづく)
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