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FIA準拠・超高輝度LEDレインライトの製作(2) - Audi R8編

 前回の続きです。

 前回は、「レインライト」を作るにあたって、「ライト・スイッチ・ユニット」に来ている「リヤフォグランプ」の信号を確認しました。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 こちら、以前に作製した「セキュリティLED制御回路」の回路図です。

 6年前に作った回路をしみじみ眺めて、考えを巡らせます。

 具合の良いことに、PIC(PIC16F819)のポートが、2つ残っていることが分かりました。

#プリント基板を作る際、空きポートをオープンにしておいて良かったなぁ、と。

 この2つのポートを、リヤフォグランプ信号の入力と、レインライト信号の出力に使うことにします。

 さっそく、カイゾーに掛かります。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 XHコネクタの5Pのものを取り外して、7Pのものに付け替えます。

 2P分は、プリント基板に差さらないため、足を伸ばしておきます。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 このような感じで、親亀の上に子亀を載せて、この上に追加の回路を構成することにします。

 “子亀基板”は、サーキュラーソウを使って、精確に切り出しています。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 追加した回路です。

 プラスチックケース内に収めるため、高さ制限があることから、やむなくFETを寝かせてあります。

 回路の構成は、とても簡単です。

 フォグランプ信号の入力は、「ライト・スイッチ・ユニット」からの信号電圧が+12Vであることから、PICのロジック電圧(+5V)に合うよう降圧しています。

 また、PICの入力ポートが負論理になっている(他の入力信号の都合上、内部プルアップしてある)ことから、FETで反転しています。

 念のため、ツェナーダイオードを逆に入れて、入力を保護しています。

 レインライト信号の出力は、PICの出力ポートのロジック電圧が+5Vであることから、「ライト・スイッチ・ユニット」の信号電圧(+12V)に合うよう昇圧しています。

 FETを2段かまして、反転の反転で、正論理になっています。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 あまりやりたくなかったのですが、定電圧レギュレーターの足から、直接、+12V / +5V / GNDを取り出しています。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 “子亀基板”を載せて、各種信号を配線したところです。

 子亀は、3Mの両面接着シートを使って、親亀に固定しています。親亀と子亀との間の信号がショートしないよう、絶縁の意味もあります。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 電源系は、表面から取りましたが、PICからの信号系は、裏面から取りました。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 XHコネクタからの2本の足をハンダ付けすることにより、子亀基板は、親亀基板にがっちり固定できています。

Security LED Conrtol Program for Audi R8

 Microchip Technology社の「MPLAB XC8」で、レインライト用の制御プログラムを追加し、PICKit3で「PIC16F819」に書き込みます。

 PIC16F819内蔵のCCP(Compare / Capture / PWM)モジュールを使用し、1kHzの周期 / 10bitの分解能(1,024段階)でLEDの輝度をPWM制御しています。

 また、Timer0によるハードウェア割り込みを使用し、1kHzの周期(1ms間隔)で状態監視をしています。

#無駄に高分解能という。0xF9C7


(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)

 机上で所定の動作ができているかどうか、確認します。

 記述が遅くなりましたが、何が「FIA準拠」かというと、点滅の周期になります。

 FIAのレギュレーションによると、「レインライト」のフラッシングの周期は、4Hz(1秒間に4回点滅する)となっています。

 よって、「リヤフォグランプ」をONにすると、超高輝度赤色LEDが「125ms点灯し、125ms消灯する」というのを、無限に繰り返すようにしています。

 PIC内部で、1ms周期のタイマー割り込みを使っていることから、125回ずつカウントすれば、精確に点滅周期を再現することができます。(PIC自体は4MHz動作)

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 動作確認が取れたところで、プラスチックケースの加工に入ります。

 フライス盤を使って、コネクタが逃げる場所を切削します。いつものとおり、テプラを使って型紙を作り、精確に位置決めをしています。

 5PのXHコネクタのところに、7Pのものを入れているため、センターより少しオフセットされています。

 手仕事ですが、0.1mm程度の精度は出ていると思います。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 プラスチックケースに、プリント基板を収めたところです。

 寸分違わず、ぴったり収まっています。

Security LED Conrtol Circuit for Audi R8

 上蓋を取り付けて、完成。

 ほとんど製品レベルかと。0xF9F8

 左側の穴は、緑色LEDのパイロットランプで、中央付近の穴は、スモールランプ点灯時の超高輝度赤色LEDの明るさを調節するためのボリュームです。

 と、いうことで、純正の「リヤフォグランプ」を、FIA準拠の「レインライト」として動作させるための準備ができました。0xF9C6

(つづく)

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