SOARISTO工房 Logo

ペガソス計画(23) - 週刊「ファランクスを作る」

 前回の続きです。

 オーディオ出力回路とDCモータ制御回路ができたところで、さらなる回路の追加です。

nVIDIA Jetson TX2 GPIO Expander 40pin

 Jetson TX2のマザーボード上の「Expansion Header」(J21, 40pin)から、必要な信号を取り出すためのドーターボードを作製します。

 GPS+GLONASSモジュールとのシリアル通信のための信号や、Adafruitの各モジュールとのI2C通信のための信号を取り出します。

nVIDIA Jetson TX2 GPIO Expander Daughter Boards

 ドーターボードを取り付けたところです。

 中央が「Expansion Header」(40pin)用のもの、左側が「GPIO Expansion Header」(30pin)用のものです。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 こちらは、Adafruitの「9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055」です。

 Boschの「BNO055」を搭載した9軸センサで、3軸加速度計、3軸磁力計、3軸ジャイロスコープの各機能が統合されています。

 左側は、「STEMMA QT」コネクタ(SparkFunの「Qwiic」コネクタとコンパチブル)を持つタイプ(29.95ドル)で、右側は、コネクタレス(ジャンパ接続)のタイプ(34.95ドル)です。

 どちらも、センサ機能は同じですが、今後搭載を予定しているガジェット内部のスペースに合わせ、どちらを採用するか判断します。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 まずは、ブレッドボード上に実装し、テストしてみます。


(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)

 ブレッドボードの動きに合わせ、3Dモデルが動いています。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 STEMMA QTコネクタ(JST SH)は1.0mmピッチで扱い難いため、秋月の変換ケーブルを使って、Groveコネクタ(JST PH)の2.0mmピッチに変換しておきます。

Sony HMZ-T1, Head Mounted Display, Personal 3D Viewer

 こちらが、9軸センサを取り付けるガジェットです。

 世界初のHD有機ELパネルを搭載した、3D対応ヘッドマウントディスプレイ、Sonyの「HMZ-T1」(2011年11月11日発売)です。

ソニー信者は20m先に750インチのスクリーンを見るか?」(2012年4月21日)

 またも、お届け物が。

hmz-t1-01.jpg

 昨年11月の発売以来、長らく“超品薄状態”が続いていましたが、やっと届きました。

 SONYさんの3D対応ヘッドマウントディスプレイ、「HMZ-T1」です。
(ソニーストア価格:59,800円、購入価格:53,222円)

 いまからちょうど11年前に購入しましたが、ほとんど視聴することなく現在に至ります。0xF9C7

Sony HMZ-T1, Head Mounted Display, Personal 3D Viewer

 よってからに、ほぼ新品同然の状態で保管されていました。

Sony HMZ-T1, Head Mounted Display, Personal 3D Viewer

 で、ですね。

 こいつを惜しげもなく、分解クンしてしまいます。0xF9F8

 左右の眼に独立して配置される、HD有機ELパネルが見えます。

Sony HMZ-T1, Head Mounted Display, Personal 3D Viewer

 9軸センサを、できるだけヘッドマウントディスプレイのセンターに近いところに設置できるよう、場所を探します。

 ちょうど、青色LEDのイルミネーションの発光部のところに設置できそうです。

Autodesk Fusion 360

 発光部の外枠を上手く活かして、9軸センサを取り付けられるよう、プレートを作製します。

 いつものとおり、Autodesk Fusion 360でデザインし、Snapmaker 2.0 A350でミリングします。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 出来上がったプレートです。

 Tiny Phalanxの端材、3mmのアクリル板をミリングしたものです。

 真ん中のスリットは、元の外枠の突起を避けるためのものです。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 ヘッドマウントディスプレイに、プレートを取り付けたところです。

 3Mのプラスチック用強力接着剤を使って固定しました。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 プレートに、9軸センサを取り付けたところです。

 何かの時に取り外しが利くよう、両面接着テープを使って固定しました。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 4芯ケーブルにSTEMMA QTコネクタを取り付け、9軸センサに接続します。

 STEMMA QTコネクタは、1.0mmピッチの「JST SH」コネクタであるため、コンタクトピンを圧着するのは、非常に骨の折れる作業になります。

Adafruit 9-DOF Absolute Orientation IMU Fusion Breakout - BNO055

 4芯ケーブルを、既存のケーブルに沿わせて処理します。

 万が一、張力が掛かってもコネクタに負担が掛からないよう、HellermannTytonのインシュロック(AB80-W)で結束してから、筐体の外に引き出してあります。

 ケーブルは、高性能多芯ソフトキャプタイヤケーブル、「ADS-VCTF」の「7/0.12 TA」(4芯、φ3.6mm)を使っています。

Sony HMZ-T1, Head Mounted Display, Personal 3D Viewer

 せっかくなので、HMZ-T1の一部を、塗装しておきました。

 サンドペーパーで足付けをし、サーフェイサーをを吹いてから、中段はTAMIYAの「横須賀海軍工廠グレイ」、上段は「マットホワイト」で仕上げてあります。

nVIDIA Head Mounted Display

 分解クンした時と逆の手順で組み立て直して、完成。

 3D対応ヘッドマウントディスプレイの、帝国海軍「横須賀鎮守府」仕様。

nVIDIA Head Mounted Display

 勝手に、nVIDIAのステッカーを貼ってみました。0xF9F8


(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)

 HMDをJetson TX2に接続して、動作テスト。

 初期位置をキャリブレーションしていないため、方向が微妙にズレていますが、頭部の動きに合わせ、3Dモデルが動いていることが分かります。

JMSDF Izumo DDH-183, Soaristo

 とりあえず、動作確認完了。

〔追加情報〕

nVIDIA Head Mounted Display

 BNO055の搭載でGroveコネクタが追加となったため、リヤ上段パネルを作り直しておきました。

(つづく)

Trackback(0)

Trackback URL: https://www.soaristo.org/mt/mt-tb.cgi/1290

Post Comment