前回の続きです。
アクリル板を組み合わせ、RAIDのスタックボックスを作製し、PCケースにビルトインしたまでは良かったのですが・・・、
「LEDチカチカ回路」に、ハード的なバグがありまして、作り直すことにしました。
左側が、弐号機で、右側が、参号機。
「RN1201」を「2SC2458-Y」に、「RN2201」を「2SA1048-Y」に、置き換えています。
#基板上がぴっちぴちなので、ICソケットの下にまで、抵抗を忍ばせています。
んが、しかし・・・、
ブレッドボード上では動くのですが、ユニバーサル基板に組むと、なぜだか上手く動きません。
仕方がないので、トランジスタに換えて、MOSFETを使うことにします。
画像中央は、チップ型Nch MOSFETの「BSS138」です。パッケージは、SOT-23です。
比較のため、左側に米粒を置いてみましたが、SOT-23パッケージの大きさは、2.9×2.4mmしかありません。
さらに、右側にあるのは、プルアップとして使うチップ抵抗(2012パッケージ)で、大きさはさらに小さく、2.0×1.2mmしかありません。
SMD(表面実装素子)があまりにも小さいため、MIL規格(2.54mmピッチ)に戻すべく、専用の変換基板を使います。
さらに、今回は、この変換基板の一部をサーキュラーソウを使って切断し、改造しておきます。
改造した変換基板を使って、2-4E1AやTO-92パッケージと同様、3本足にします。
こちらは、チップ型Pch MOSFETの「BSS84」を実装したもので、さらにS(ソース)とG(ゲート)の間に、チップ抵抗を入れてあります。
こちらは、チップ型Nch MOSFETの「BSS138」を実装したものです。
トランジスタのダーリントン接続(2段)を置き換えているため、MOSFETを2つ接続しています。
実装が便利になるよう、変換基板は切り離さず、2枚を連接して使っています。
さらに、前述のとおり、元回路では、ユニバーサル基板上の配線がかなり立て込んでいることから、配線の一部を、変換基板の方に引き取ることにしました。
簡単な回路で、5本足しかありませんが、ある意味、IC(Integrated Circuit)と言えるでしょう。
左側が、参号機で、右側が、四号機。
「2SC2458-Y」を「BSS138」に、「2SA1048-Y」を「BSS84」に、置き換えています。
縦系も使った、立体配線になっています。
緑色のLEDがHDDの#1~#6に対応し、黄色のLEDが「Global Active」、赤色のLEDが「Global Fault」に対応しています。
LEDは、いずれも高輝度タイプを使っています。
PCケース(CoolerMaster「CM 690 III」)に、RAIDのスタックボックスを、組み込み直します。
(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)
作動させたところです。
動画は、コールドスタート(電源OFFからの初回立ち上げ時)のものです。
基本的には、#1~#6のいずれかのHDDへのアクセスにより、「Global Active」が点くはずです。
しかし、黄色LEDの点灯は、必ずしも緑色LEDとは、一致(OR条件)していません。
おそらくこれは、キャッシュメモリからのライトバック等の関係で、一致していないものと思われます。
さて、ハード面の準備ができたところで、いよいよ、RAIDアレイを構成します。
RAIDアレイは、BIOSからも設定できますが、せっかくなので、「MegaRAID Storage Manager」を使って設定することにします。
「MegaRAID Storage Manager」を起動し、接続した6本のHDDが、きちんと認識されていることを確認します。
また、今回採用したRAIDカード、NECの「N8103-178」(LSIの「MegaRAID SAS 9362-8i」)は、2GBのキャッシュメモリが搭載されています。
「Memory Size」が「2.000GB」となっていることが確認できました。
なお、以前に紹介したように、今回もRAIDカードを水冷化しています。
起動してしばらく経過した後でも、「Chip Temperature」は40℃前後で、非常に安定していることが確認できました。
いよいよ、RAIDアレイを構成します。
「Physical」のタブから、設定したいRAIDカードを選んで、「Create Virtual Drive」を選ぶと、設定のためのウィザードが開きます。
ここでは、「Simple」モードで設定を進めることにします。
RAIDのレベルを選ぶ画面が開きます。
以前の「MegaRAID SAS 9265-8i」では、追加ライセンスを買わないと、「RAID6」を選ぶことができませんでした。
「MegaRAID SAS 9362-8i」の場合は、標準の状態で一部オプションがアクティベートされているため、「RAID6」を選ぶことができます。
これだけで、あっけなく、物理容量「43.662TB」、論理容量「29.108TB」のRAID6アレイを構成することができました。
「Logical」のタブを選ぶと、「Virtual Drive」が構成されていることがわかります。
ついでに、RAIDアレイの予防保全のため、「Set Patrol Read Properties」を選び、定期メンテナンスの起動周期などを設定しておきます。
「CrystalDiskMark」の結果です。
RAIDカードは、NECの「N8103-178」(LSIの「MegaRAID SAS 9362-8i」)、HDDは、Western Digitalの「HUS728T8TALE6L4」(旧HGST製、8TB、SATA 6Gbps、7,200rpm)です。
6本のHDDで、RAID6を組んでいます。
ついでに、メインのSSDの結果です。
crucialの「P5 CT2000P5SSD8JP」(2000GB)を、M.2接続で使っています。
ディスクの管理画面です。
約30TBもの、巨大かつ冗長性の高いストレージを構成することができました。
(つづく)
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