前回の続きです。
まだまだ改造は続きます。
Asusの「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」を、EK Water Blocksの「EK-Quantum Vector Strix RTX 2080 Ti D-RGB - Nickel + Plexi」で水冷化し、nVIDIAの「NVLink HB Bridge」で並列動作させるようにしました。
水冷ブロックには、アドレサブルLEDが組み込まれており、これを、EK Water Blocksの「EK-Loop Connect」で点滅制御するようにしています。
「グラフィックカードの水冷化(LEDの取付)」(2014年10月5日)
LEDを仮点灯。
ちなみに、こちらは、以前にAsusの「ENGTX580/2DI/1536MD5」を水冷化し、日亜化学の超高輝度LED、「NSPG300A」を組み込んだ時の模様です。
さて、と、
以前に紹介したとおり、DCポンプ付きリザーバー、「EK-DBAY D5 MX - Acetal」の裏面にあるサービスポートにも、LEDを組み込むためのメクラ栓を組み込んであります。
このメクラ栓、「EK-PLUG G1/4 Plexi (LED 5mm)」に、φ5mmのLEDを仕込み、リザーバーを内部から照らし出すことにより、クーラントの水位がはっきり分かるようにします。
「次期主力戦闘機製造(DCポンプの改造)」(2014年11月23日)
例によって、仮点灯。
ちなみに、こちらは、以前にCoolerMasterの「Aquagate Max 限定版」を改造し、PWM制御のDCポンプを組み込んだ時の模様です。
今回は、単一色のLEDではなく、フルカラーのアドレサブルLEDを組み込むことにします。
秋葉原で手っ取り早く手に入るものが、秋月電子から出ている、Shenzhen Rita Lightingの「PL9823-F5」(40円/個)です。
一般的なφ5mmの砲弾型のLEDに、Worldsemiのコントローラー「WS2811(相当)」を内蔵し、RGBの輝度値をシリアルに送り込むことにより、フルカラー制御ができるようになっています。
足は4本ありますが、RGB+アノード(またはカソード)ではなく、電源線(Vdd, Gnd)とデータ線(DataIn, DataOut)となっています。
#秋月電子からは、OptoSupplyの「OST4ML5B32A」(40円/個)も出ていますが、なぜかデータ線が3値制御のため、却下。
さっそく、ブレッドボード上に回路を組み、「EK-Loop Connect」から信号を引き込んで、点灯させてみたのですが・・・、
ちょっと、水冷ブロックに組み込まれているアドレサブルLEDとは、色味が違うのです。0xF997
nVIDIAへのリスペクトとして、発光色を、ライムグリーンっぽい色(0x40FF00)にしているのですが、かなり赤味が強く、オレンジに近い色になってしまっています。
ロットによって、RGB素子の発色が微妙に違うのではないかと考えましたが、ロットを変えてもらう訳にはいかないため、別の手を。
SparkFunから出ている、iPixel LED Lightの「YF923-F5-LED」(2.95ドル/5個)を調達。
前述の「PL9823-F5」では、樹脂モールドが“乳白色”でしたが、こちらは“透明”になっています。また、コントローラーが、「WS2812(相当)」になっています。
これなら大丈夫だろうということで、同じ信号を引き込んで、点灯させてみたのですが・・・、
をいをい、をい。
こちらも、なぜかオレンジっぽい色に。0xF998
こうなったら、テッテーテキに、同じ色調になる素子を探すことにします。
akiba LED ピカリ館から出ている、NeoPixelの「LP-50AFWS2812B」(380円/10個)です。
前述の2つのLEDは、φ5mmの“砲弾型”でしたが、こちらは、φ4.8mmの“帽子型”になっています。また、コントローラーが、「WS2812B(相当)」になっています。
さすがに、これなら大丈夫だろうということで、意気揚々と点灯させてみたのですが・・・、
ま、まぢですか。
こちらも、これまでと同じ、オレンジっぽい色に。0xF999
#どーゆーこっちゃい!
で、ですね。アタマを冷やして、冷静に考えてみました。
これまで試した“砲弾型”のLEDは、メーカーは違えど、すべて想定していたより「赤味」が強い結果でした。
これは、RGBの各素子の発光特性という電気的なものや、コントローラーの違いという論理的なものではなく、“砲弾型”という、物理的・光学的な違いに因るものではないかと。
そう考えてみると、水冷ブロックに組み込まれているアドレサブルLEDは、“砲弾型”ではなく、“チップ型”であるはずで、このパッケージ化(発光素子の封入の仕方)の違いが、「色調」という、光学的な違いとして現れているのではないかと想定できます。
と、いうことで、Back to The 秋月電子。
Worldsemiのマイコン内蔵フルカラーLED、「WS2812B」(50円/2個)です。
秋月電子からは、この5050パッケージのチップLEDを、ECOOL基板(高熱伝導性ガラスコンポジット基板材料)を使ってモジュール化した、「マイコン内蔵RGB LEDモジュール」(70円/個)という便利なものが出ています。
紆余曲折で、いろいろ集まったアドレサブルLEDの皆さんです。
左から、「PL9823-F5」(φ5mm砲弾型乳白色)、「 YF923-F5-LED」(φ5mm砲弾型透明)、「LP-50AFWS2812B」(φ4.8mm帽子型透明)、「WS2812B」(チップ型5050パッケージ)です。
4種類のアドレサブルLEDを、ブレッドボード上で、チェックしてみます。
#左側の回路は、まったく関係ありません。Audi R8用の「LEDカーテシランプ」です。
右側から、「EK-Loop Connect」の信号を引き込んでいます。
推奨回路にある、ターミネーターやパスコンは、省略してあります。
まずはじめに、nVIDIAグリーンで確認してみます。
砲弾型(および帽子型)LEDの3つは、前述のとおり、赤味の強い、オレンジっぽい色になっています。
一方、チップ型LEDは、ウォーターブロックの発色と同じ、ライムグリーンとなっています。
つづいて、色調をグラデーション変化させてみます。
ここでも、砲弾型LEDは、3つともほぼ同じような発色となっていますが、チップ型LEDは、異なる発色となっています。
また、砲弾型LEDでも、樹脂モールドが乳白色のものは、色調が滑らかに変化しているのに対し、透明なものは、色調の繋がりが荒く、極端に大きく変化しています。
これは単純に、カメラの撮影角度の問題と思われます。
樹脂モールドが透明なものは、RGBの各素子の発光が直接見えてしまうのに対し、乳白色のものは、光が内部で拡散し、三原色が上手くブレンドされているものと想定します。
(実際、乳白色のモノの下半分は、透明なモノと同じように急激に変化していますが、上半分は滑らかに変化しています)
と、いうことで、
5050パッケージのチップLED、「WS2812B」が、ウォーターブロックに組み込まれているアドレサブルLEDと、同じ発色であることが確認できたところで、リザーバーのメクラ栓に、チップLEDを組み込む準備をします。
ainexのアドレサブルLED用延長ケーブル、「RLD-EXD50」を改造します。
「RLD-EXD50」の片端をぶった切り、「マイコン内蔵RGB LEDモジュール」にハンダ付けします。
5050パッケージのチップLEDの対角は、約7.1mmあります。
メクラ栓の六角穴の対角より少し大きいため、「Snapmaker 2.0 A350」でミリングし、拡大しておきます。
メクラ栓の穴の軸中心と、エンドミルによる切削の回転中心とを、精確に合わせるためには、ちょっとしたコツが必要となります。
#んが、そこはナイショということで。0xF9CD
メクラ栓の穴に、3Mのプラスチック用強力接着剤を使って、チップLEDを固定します。
点灯させると、このような感じになります。
上段が、EK Water BlocksのDCポンプ付きリザーバー、「EK-DBAY D5 MX - Acetal」で、下段が、ScytheのPCファンコントローラー、「SCKM-1000」です。
(つづく)
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