前回の続きです。
引き続き、基台の作製です。
ベースボード上に固定した、「Jetson TX2 Developer Kit」です。
基台に収納してしまうと、RESETスイッチをはじめとして、基板上にあるスイッチが押せなくなってしまいます。
そこで、前面パネルに取り付けるための、スイッチ基板を作製しました。
5mm厚のアクリル板に取り付けるため、通常よりも柄の長い、タクトスイッチを使っています。
あわせて、Jetson TX2用だけでなく、「ArbotiX-M Robocontroller」用のRESETスイッチも、組み込んであります。
擬装用に、サーフェイサーを吹いて、ライトグレーに仕上げておきます。
裏面は、このような感じ。
Jetson TX2のジャンパピンは、それぞれのスイッチに対して2本ずつ出ていますが、配線量を減らすため、GNDは共通にしています。
基板の表面にあったトランジスタは、LED制御用のものです。
Jetson TX2には、外部取付用のパイロットランプとして、330Ωの抵抗を挟んだジャンパピンが出ています。
しかし、この信号の電圧は3.3Vのため(Jetson TX2内部は1.8V)、今回使用しようとしている定格3.0Vの高輝度LEDを駆動することは、少し難しくなっています。
#一般的な、定格2V系のLEDを使えばいいだけのハナシですが、まぁ、そこは天邪鬼なので。0xF9C7
そこで、トランジスタ(抵抗入りのデジタルトランジスタ)を介し、ArbotiX-Mから供給される5.0Vを使って、高輝度LEDを点灯させるようにしています。
Fusion 360で、スイッチ部をモデリングします。
各スイッチの上部には、後からズレなく銘板を入れられるよう、深さ0.2mmの凹みを付けておきます。
また、各スイッチの周囲には、スイッチが押し易くなるよう、皿ザグリを入れてあります。
4D SystemsのTFTディスプレイ、「gen4-uLCD-70D-SB」です。
こちらも、取り付けの準備をします。
ベゼル部が、金属の素材剥き出しのため、スイッチ基板同様、サーフェイサーを吹いて、ライトグレーに仕上げておきます。
画面下端にFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)があったり、四隅に小さな隙間があったりするため、塗料が内部に入り込まないよう、細かくマスキングを施しておきます。
なお、画面中央部に塗料が載っていますが、出荷時から貼ってある保護シートを剥がさず塗っただけなので、問題ありません。
データシートから、取付寸法を起こします。
注意すべきは、四隅の取付穴に対し、上下左右のベゼルの幅が、微妙に異なっていることです。
画像の表示位置が、前面パネルのちょうど中央にくるよう、取付穴の位置を調整します。
フロントパネルに、TFTディスプレイ部とスイッチ部を組み合わせ、モデリングします。
5mm厚のアクリル板を、切削します。
今回初めての、透明タイプ(ミスティスモーク)のアクリル板となるため、表面にキズを付けてしまわないよう、慎重に作業しました。
保護シートを貼ったまま切削できる特殊なエンドミルもあるようですが、今回使っているエンドミルは、一般的な樹脂用タイプのため、保護シートを剥がして切削しています。
透明タイプのアクリル板、切削完了。
スイッチ部も、やたらと綺麗に仕上がりました。0xF9CF
銘板をズレなく入れるための凹みも、うっすらと見えています。
計3種類のフラットエンドミル・ボールエンドミルを使い分け、切削しています。
エンドミルを取り換える毎に、Z軸方向を校正しなければならないため、なかなかに手間が掛かりますが、これだけ美しく仕上がれば、苦労も吹き飛びます。
固定用のボルト類も、抜かりなく塗装しておきます。
ボルトは「横須賀海軍工廠グレイ」で、スペーサーは「ライトグレー」で。
TFTディスプレイを固定。
TEPRAの透明タイプのテープを使って銘板を作り、スイッチ部に貼り込みます。
位置決め用の凹みがあるため、貼り付けは比較的簡単ですが、ルーペと精密ピンセットを使って、寸分の狂いなく貼り付けます。
プラモデルの透明パーツに、デカールを貼っている感じです。
スイッチ基板を取り付け。
フロントパネルを、基台前面に装着。
ついでに、外人ウケを狙って、KANJIのデカールを貼ってみました。0xF9F8
電源投入。
いや~、イイ感じになってきました。0xF9CF
マザーマシンである、Snapmaker 2.0 A350と。
んが、しかし、高輝度LEDで作ったパイロットランプが明る過ぎて、銘板が読みにくいという弊害が・・・。
#まったく、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、ということで。0xF9C7
(つづく)
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