前回の続きです。
さっそく、ブレッドボード上に、評価用の回路を作ります。
コントローラーは、世界最小のマイクロコンピュータ、Microchip Technology社の「PIC12F1612」を使っています。
動作させた状態。
基板上にある「モードセレクトスイッチ」を押し、「常時ONモード」にしておくと、イグニッションON時から、可変バルブを「Open」にすることができます。
この時、「貼り付けプッシュスイッチ」のLEDが点滅し、可変バルブの制御が「常時ONモード」であることを教えてくれます。
#このような動作は、単純なオルタネートスイッチでは、実現できません。0xF9C5
回路図は、このような感じ。
#部品名まで公開すると、すぐにパクって商売始めるヤカラが湧くので(チューコクじん、とか)、詳しくは書きません。0xF9D1
ソレノイドバルブをOn/OffするFETは、Porsche 911用は「ローサイドスイッチ」でしたが、グランドが浮くのが気持ち悪いため、「ハイサイドスイッチ」に変更しています。
これにより、ソレノイドバルブに向かう2本のケーブルが断線しても、FETがOnになっていなければショートしないという、フェイルセーフ設計となっています。
ささっと、プリントパターンをデザインします。
プリント基板の完成予想レンダリングです。
製造データを入稿して、約1週間で、ブツが届きました。
脱酸素剤で、完全密封されています。
このような感じで、プラスチックケースに、ぴったり収まる形状にしています。
部品を実装します。
プラスチックケースを、「テプラ技」を使って、切削します。
このような感じで、ぴったり収まりました。
この基板は、一つでAudi用とPorsche用とに切り替えられるよう、工夫が施してあります。
はんだジャンパー(JP1)を、「A」側に繋ぐとAudi用、「P」側に繋ぐとPorsche用になります。
PICのコントロールプログラムを、MPLAB XC8で書きます。
PICは、4MHzで動作させ、周期1kHz(1ms)のタイマー割り込みにより、I/Oを監視しています。
このタイマー割り込みを用いて、前回作成した「貼り付けプッシュスイッチ」からの入力に対し、50ms未満の変動には反応しないよう、チャタリング防止のフィルタを、ソフトウェア的に掛けています。
また、CCPモジュールを用いて、周期1kHzのPWM制御により、LEDインジケーターの減光状態を作り出しています。
分解能は、理論上は10bit(1,024段階)ありますが、目にも留まらぬ速さで点滅を繰り返しているため、ボリューム抵抗の上げ下げに対し、滑らかに変化しているように見えます。
と、いうことで、ハードとソフトが出来たところで、海外のPorsche乗りのために、量産。0xF9F8
(つづく)
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