前回の続きです。
Panasonicの「CN-F1X10BD」の取り付けは完了しましたが、まだ、リヤビューカメラ、「CY-RC100KD」の取り付けが残っています。
ナビ本体(CN-F1X10BD)の購入に合わせ、リヤビューカメラ(CY-RC100KD)も購入していましたが、Audi R8純正のリヤビューカメラが流用できたため、CY-RC100KDは、使わない予定でした。
しかし・・・、
こちらは、Audi R8純正のリヤビューカメラの映像です。
別にこのままでも良いのですが、「CN-F1X10BD」の10V型の大画面で見ると、びみょ~に、映像の荒さが目立ちます。
#まぁ、元々、NTSCのコンポジット信号なので、解像度は高くはないのですが。
以前に書いたとおり、Audi R8では、リヤカメラの映像に、「リヤカメラアダプター」を介して、後退時の予想進路の“枠線”を付加(スーパーインポーズ)しています。
ただでさえ、あまり画質の良くない映像に、「リヤカメラアダプター」で枠線を付加し、さらにそれを「CN-F1X10BD」で取り込んで、枠線を付加(表示はOFF)しているため、映像の“にじみ”や“ボケ”が、如実に表れてしまっています。
「リヤカメラアダプター」があることにより、CANバスから取り出したステアリングホイールの舵角情報を元に、後退時の予想進路が表示されるので、あとどれくらいステアリングを切ったら駐車位置に収まるのかが一目瞭然で分かり、これはこれで便利なのですが。
いずれにしても、NTSCのコンポジット信号に、2回も画像処理をしているため、画質が良い訳がありません。
こちらが、「リヤカメラアダプター」です。
リヤカメラ入力用ケーブルを改造し、異音対策として、カームフレックス(10mm厚)で包んで、再利用する気まんまんだったのですが・・・、
映し出された映像を見て、止めました。
「J42-AE7A01」という文字が見えます。
Audi R8から取り外した純正ナビ(Clarion製)は、「J42AE2JP7A1」という型番でした。
と、いうことで、当初の予定に戻して、リヤビューカメラ(CY-RC100KD)を、Audi R8純正のリヤビューカメラに換えて、取り付けることにします。
さっそく、脱着マニュアルを紐解きます。
まずは、車速感応式電動リヤスポイラーを、上げた状態にします。
青○の位置の、T-30のトルクスボルト(7ヶ所)、水色○の位置の、T-25のトルクスボルト(2ヶ所)、緑○の位置の、M6のナット(2ヶ所)を外します。
Audi R8純正のリヤビューカメラです。
青○の位置の、T-15のトルクスボルト(2ヶ所)を外します。
#これを外しておかないと、後でタイヘンなことになります。
左右のライセンスランプを、取り外します。
防水カプラーになっているため、けっこう外しづらいです。
左右外側にある、T-30のトルクスボルト(の位置)です。
こちらは、分かりやすいです。
左右内側にある、T-30のトルクスボルトです。
こちらは、ライセンスランプの奥に隠れているため、分かりづらいです。
指定のすべてのボルト類を外すと、バンパーカバーの上部(正式名称:「バンパーカバーセンターセクション」)が外れます。
この時、前述のリヤビューカメラを固定しているトルクスボルト(2ヶ所)を外しておかないと、リヤビューカメラのケーブルが繋がったままとなり、バンパーカバーを持ったまま路頭に迷うことになるため、注意が必要です。
#2人で作業すれば、リヤビューカメラの防水カプラーなどを外せば済むので、困ることはありませんが。
バンパーカバーの上部を取り外したところです。
左右にある、大きなアルミ板は、なんでしょうかね。
左右のアンテナ板とも、コネクタを介して、ケーブルが接続されています。
よく見ると、ドイツ語で「Antenenblech」(アンテナ板)と書いてあります。これらは、ダイバーシティ用のアンテナのようです。
リヤビューカメラに接続されているコネクタを外します。
防水カプラーになっているため、けっこう外しづらいです。
エンジン後方、マフラー上部ということもあり、各部、遮熱処理・耐熱対策が、しっかり施されています。
取り外した、Audi R8純正のリヤビューカメラです。
さっそく分解。
カメラ本体が、凸型のケースの中に、スペーサーを挟んで、収められています。
カメラ本体からのケーブルは、ビデオ系(コンポジット信号)が2本、電源系(+12V、アース)が2本で、いたってシンプルです。
アルミ板には、茶色のケーブルが接続されていましたが、カメラ側とは、電気的には接続されていませんでした。前述のとおり、これもアンテナの一部だと思われますので、再利用します。
左側が、Audi R8純正のリヤビューカメラ。2013年8月の製造のようです。
右側が、Panasonicの「CY-RC100KD」です。サイズが、若干、小さくなっています。
「CY-RC100KD」(2019年6月発売)は、前モデルの「CY-RC90KD」(2013年6月発売)に比べ、F値2.0の明るいレンズが使われています。
加えて、新たに「HDR機能」が搭載されたことにより、明暗の差が激しいところでの、白飛びや黒潰れが抑えられています。
Audi R8純正のリヤビューカメラの仕様は分かりませんが、得られる映像に、期待が持てそうです。(少なくとも、2013年8月製造の純正リヤビューカメラには、「HDR機能」は付いていないかと)
で、ですね、
純正ライクに仕上げるため、純正のリヤビューカメラが収まっていたケースを流用して、「CY-RC100KD」を取り付けようとしたところ・・・、
なんと、「CY-RC100KD」のレンズが広角過ぎて(水平:146°、垂直:114°)、どうやっても純正のケースの“丸枠”が、映像に入ってしまうのです。
画像は、「CY-RC100KD」からのビデオ信号を、PCでキャプチャーして見ているところです。
#よかった~、車両に取り付けてしまう前に分かって。0xF9C7
「CY-RC100KD」を分解して、レンズユニットだけをケースに入れる方法は、防水性がまったくなくなるので、ダメ。
Audi R8純正のリヤビューカメラを分解して、「CY-RC100KD」のレンズユニットを「移植」する方法も考えたのですが、そもそも純正のリヤビューカメラ自体が、防水性確保のためか本体が封止されていて、分解できず、こちらもダメ。
けっきょく、「CY-RC100KD」付属の取付ステーを使って、ふつーに固定することにしました。
#うん、柔軟性も、大事。0xF9CE
と、いうことで、バンパーカバー上部。
ここに、取り付けます。
ボルト穴の位置などを、確認しておきます。
取付位置が確認できたところで、まずは、取付ステーの加工です。
Audi R8純正のリヤビューカメラを収めていた、ケースとスペーサーと、アルミ板です。
前述のとおり、アルミ板は、アンテナの一部だと思われますので、これだけ再利用します。
サーキュラーソウを使って、アルミ板を、切断します。
Audi R8純正のリヤビューカメラを収めていたケースを使わなくなった分、取付位置が前進しているため、大きさを合わせます。
フライス盤を使って、「CY-RC100KD」付属の取付ステーを、切削します。
バンパーカバー上部の四角い穴の大きさに、合うようにしています。
アルミ板も、切削します。
「CY-RC100KD」のケーブルを、逃がすための長穴です。
加工した、アルミ板と、取付ステーです。
#よく考えたら、このアルミ板がアンテナだとしたら、形状を変えたら、周波数特性も変わっちゃいますよね。ま、いっか。0xF9C7
アルミ板と取付ステーを、金属用の特殊な接着剤で、接着します。
念のため、T-15のトルクスボルトで1ヶ所、固定しておきました。
「特設塗装ブース」にて、タミヤの「ファインサーフェーサー」で下地処理した後、同じくタミヤの「セミグロスブラック」で、塗装してみました。
#最終的には、見えなくなってしまうところですが、見えなくなるところも、抜かりなく。0xF9C5
つづいて、リヤビューカメラの遮熱処理・耐熱対策です。
車両の遮熱処理・耐熱対策でいえば、ミノルインターナショナルの「BILLION」シリーズがすぐ思い付くところです。(職人だけか?)0xF9C7
が、遮熱シートだけでも結構なお値段がしますし、今回は、ホームセンターなどで、比較的入手が容易な素材を使うことにします。
(画像は、約20年前のもの)BILLIONシリーズは、TOYOTA ARISTO V300 Vertex Editionに乗っていた時に、お世話になりました。
サーモバンテージを、フロントパイプに巻いたり、遮熱シートを、インタークーラーのパイピングに「エビ管」状に巻いたり。
#いや~、懐かしい。0xF9C6
で、本題に戻ります。
Nittoの「耐熱アルミガラスクロステープ」(J3520)です。
250°までの熱に耐えることができます。
#耐熱でない「アルミガラスクロステープ」(J3040)もあるので、購入時に注意。
アルミを基材にしたテープには、よくある「アルミテープ」と、今回使用した「アルミガラスクロステープ」があります。
前者は、アルミ箔に粘着テープを付けたようなもので、強度(貼り付け後の捻じ曲げ耐性など)は、それほどありません。
後者は、その名のとおり、アルミ箔にガラス繊維を織り込んだものを合わせたもので、前者より幾分柔軟性があり、かつ強度も十分にあります。
と、いうことで、
前述の製品のテープ幅は50mmですが、これを10mm幅の短冊状に切り出し、「CY-RC100KD」のケーブルに巻き付けていきます。
長さ500mmに切り出したテープを、前周と2mmほど重なるように巻き付けていくと、ケーブル長では、約300mmほどを処理することができます。
アルミ箔のみのテープと比べ、強張ることが少なく、比較的巻きやすいです。粘着テープの粘着力もかなりあり、一度施工してしまえば、ちょっとやそっとでは、剥がれません。
遮熱処理した「CY-RC100KD」を、加工した取付ステーに仮組みした上で、バンパーカバー上部に固定します。
「CY-RC100KD」のケーブルを、純正のワイヤーハーネスに沿って、引き回します。
バンパーカバー上部を、外した時と逆の手順で、慎重に戻していきます。
取付ステーに固定したアルミ板に繋がっていた茶色のケーブルも、忘れずに接続しておきます。
Audi R8純正のリヤビューカメラに接続されていたワイヤーハーネスは、もう使いません。
水が入ってショートしないよう、防水カプラーの端子の部分を、3Mの「電気絶縁テープ」(EL-12)で処理してから、ヘラマンタイトンの「インシュロック」(AB80-W)で固定しておきます。
「CY-RC100KD」のケーブルは、途中に「中継コネクタ」があります。
接続を確認した上で、前述の「アルミガラスクロステープ」を巻き、遮熱処理しておきます。(こちらは、太さと段差があるため、螺旋状ではなく、海苔巻き状に巻きます)
このような感じで、「CY-RC100KD」が取り付けられました。
「CY-RC100KD」のケーブルを、純正のケーブルハーネスに沿わせて、インシュロックで固定していきます。
車室とエンジンルームとを隔てる、“隔壁”です。
Porscheの時と同様、ゴムブーツのところから、純正のケーブルハーネスに沿わせて、ケーブルを車内に引き込みます。
詳しくは、こちらを参照ください。
「CN-F1X10BD」のリヤカメラ入力に、ケーブルを接続し、「CY-RC100KD」からの映像を映し出します。
「グリッド」を表示させ、左右シンメトリーになるよう、カメラの取付角度を調整します。
リヤビューカメラの取り付け、完了です。
水平画角が146°もあるだけあり、かなり幅広い範囲を見渡すことができます。
#あまりに広角過ぎて、左右上端に、バンパーカバーの下端が映り込んでしまっていますが。0xF9C7
と、いうことで、購入から3ヶ月も掛かってしまった「大画面カーナビ」(CN-F1X10BD)の取り付け、これにて完了です。
んが、しかし、まだ終わっていません。「前後2カメラドラレコ」(CA-DR03TD)の取り付けが、残っています。
#まだまだ。0xF9CE
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