前回の続きです。
千葉県は千葉市、「Active」さんに来ています。
これまで、キャリパーやローターハブ(およびベンチレーションフィン)は、DIYで塗装してきました。よって、“今回も”と思ったのですが、とある事情(後述)により、専門の業者さんにお任せすることにしました。
Activeさんは、ヨーロッパ最大の塗料メーカー、オランダの「Akzo Nobel」(アクゾ・ノーベル)社のプレミアム塗料ブランド、「Sikkens」(シッケンズ)を使っています。
多くの業者では、顔料を有機溶剤で希釈する「溶剤塗料」を使っていますが、Sikkensは、ヨーロッパの厳しい環境基準をクリアする「水性塗料」となっていて、VOC(揮発性有機化合物)が大幅に削減されています。
#Akzo Nobel社(Sikkens)は、マクラーレンF1チームのオフィシャルスポンサーで、2017年モデル(MCL32)を彩っていた“タロッコオレンジ”は、同社との共同開発によるものだそうです。
こちらは、Activeさん特注の大型塗装ブース。
塗装作業中のミストを強力に吸引し、無塵状態を作り出します。さらに、揮発性有害物質を大気に開放しない、「プッシュプル式」(圧送式)のものだとか。
さっそく、一番奥のピットに入庫。
フロント(施工前)。
リヤ(施工前)。
フロントキャリパーは、8pot。
リヤキャリパーは、6pot。加えて、パーキングブレーキ用のサブキャリパーもあります。
いずれも、brembo社製です。(キャリパー上面に、「brembo」の刻印があります)
ところで、Audi R8のブレーキローターは、ご覧のとおり、前後とも「ひまわり型」の形状をしています。
これまで、DIYで塗装してきた際には、ドーナツ状のマスキングシートを作り、少しずつ角度を変えながら(ブレーキローターを回転させながら)塗り分けていました。
しかし、ひまわり型のブレーキローターでは、この技が使えません。(カッティングプロッタを使えば、作れないこともなさそうですが)
また、ブレーキ周りは、重要保安部品ということもあり、おいそれと“素人”が手を出すのは危険かと思い、専門の業者さんにお任せすることにしました。
#って、「いままで塗ってたのは何だったのか?」とツッコミが来そうですが、けっきょくのところ、“時間と苦労をお金で解決!”することにしちゃいました。0xF9CD
まずは、下地を整えます。
もともとあった「/ /R8」のロゴを削り落とし、面を出します。その後、塗料が乗りやすいよう、足付けをします。
上色の「brembo red」を塗る前に、あずき色の下色を塗ります。
「brembo red」の赤は、隠蔽性が低く、黒の上にいきなり塗ると、本来の色を出すまでに何層も重ね塗りしなければなりません。結果として、「厚塗り」となってしまうことから、これを避けるための工夫です。
#どのような色を下色とするかは、長年の経験と勘に基づくとのこと。
上色を塗ったところ。
恐ろしいほど、鏡面が出ています。ピカピカです。0xF9CF
上色が乾いたところで、前回作製しておいたカッティングシートを貼り付けます。
フロントキャリパー。
リヤキャリパー。
位置決めが楽にできるよう、前後ともガイドライン(のデザイン)を入れておきましたが、「とても貼りやすかった」とのこと。
仕上げにクリアを吹いて、完成です。
ツルピカです。0xF9CB
クリアが、カッティングシートをコートする形になっているため、熱が加わっても剥がれることはありません。
ピストン周辺や、キャリパーとブラケットとのボルト固定部など、ていねいにマスキングされ、塗り分けられています。
いや~、美しい。0xF9CF
ブレーキローターや、サブキャリパーも、同様に塗装します。
ベンチレーションフィンの部分は、ひまわり型の形状に合わせ、精確にマスキングされています。
また、ホイールとブレーキローターが密着するハブの部分も、きちんとマスキングされています。
#“素人”がやろうとすると、相当な時間が掛かると思われ・・・。
下色を吹いて、
上色を吹いて、クリアを吹いて、完成。
見えないところも、抜かりなく。0xF9C5
ゴムブッシュの部分や、スプリングなどの可動部分も、しっかり塗り分けられています。
この後、ゆっくり熱を入れて、塗装を完全に硬化させます。
フロント。
リヤ。
素晴らしいっ!!0xF9CB
と、いうことで、数日後に再会です。
な、な、なんということでしょう!0xF8F2
フロント(施工後)。
リヤ(施工後)。
いや~、タイヘンなことになってしまいました。0xF9CF
古来より、“腰巻き”の赤は、ちらっと見えるところがイイのですが、これではエロさ全開です。
#って、前車のPorsche 911同様、RI-Dに換えた時点で分かっていたことですが。0xF9C7
ブレーキキャリパーやローターハブは、Audi純正ホイール(10スポークYデザイン)では開口部が少なく、目立たない存在となってしまいますが、“スカスカ”のRI-Dにしたことで、ホイール内部まで光が入り、メチャメチャ目立つようになりました。
いや~、素晴らしいっ!!0xF9CB
期待していたとおりのモディファイとなりました。Activeさん、ありがとうございました。
これで、制動力が、2割増しになった(ような気がします)。
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