前回の続きです。
ドライブレコーダーの改造ができたところで、まず、フロントから取り付けます。
Porsche 911には、フロントウィンドウを上下に走る、センターラインがあったため、Yupiteruの「Z800DR」は、これを目印とし、比較的簡単に取り付けることができました。
Audi R8には、このセンターラインがないため(普通はないと思いますが)、少し工夫してセンターを出すことにします。
フロントウィンドウのルームミラー周辺を実測し、少し厚手のボール紙(生菓子の入っていた箱など)で、台紙を作ります。
取付ステーの横幅(45mm)や、ルームミラー基部の横幅(56mm)を考慮し、台紙を正確に切り出します。
このような感じで、台紙を使って、取付ステーの位置決めをします。
フロントウィンドウ外周の「ぼかし」(黒いセラミックの部分)の目地などを参考に、台紙の位置を調整します。
台紙を正確に切り出しておけば、かなりの精度でセンター(および水平)を出すことができます。
取付ステーを、フロントウィンドウ中央に、正確に貼り付けることができました。
また、取付ステーとルームミラー基部との間隔は、近付け過ぎず、接触しないギリギリの間隔にしてあります。
つづいて、接着面の処理をします。
取付ステーを、フロントウィンドウに強力両面接着シートで貼り付けた部分には、どのように注意しても、僅かに気泡が入ってしまうことがあります。
外から見ていても、あまりカッコイイものではないため、Porsche 911の時と同様、上からカーボン調シートを貼って、隠すことにします。
強力両面接着シートに付いていたアプリケーションシートを採寸し、強力両面接着シートより周囲が0.5mmほど大きくなるよう、Adobe Illustratorで作図します。
Rolandの「STiKA」で、カーボン調シートを切り出します。
このシートは、以前からも使っている、住友3Mの「カーボン調(ハイグロスブラック)」というものです。(「ダイノック・フィルム」シリーズ)
カーボンの織目を模した模様が立体的になっており、見る角度によって光沢が変わります。従来のものより、本物に近い質感を再現した、優れモノです。
このような感じで、切り出されました。
ダイノック・フィルムは、通常のフィルムに比べ、フィルム厚があるため、カッターの刃先の調整が難しかったりします。
また、切り出し位置は、ちゃんとカーボンの織目のピッチを考慮して、微妙に調整しています。
#設計から製造まで、すべて自社(?)で行っているが故の、精度の高さと仕上がりの良さです。0xF9F8
このような感じで、強力両面接着シートの接着面を、上手く隠すことができました。
なお、取付説明書にもあるとおり、ドライブレコーダーの取り付け位置は、「フロントウィンドウの全高の20%以内」としないと、道路運送車両の保安基準に適合しません。
職人の場合は、「左右シンメトリーな映像を撮ること」に拘っているため、あえてフロントウィンドウ中央に設置していますが、皆さんにはお勧めいたしません。
#ついでに、「レンズ歪みの補正」もしていますが。0xF9CE
正規ディーラーに車検に出した際には、BMWの時も、Porscheの時も、(ドライブレコーダー本体は)取り外されてしまいました。
(Audiの時も、おそらく取り外されてしまうかと)
DVR3000は、他社のドライブレコーダーとは異なり、Wi-Fi機能が付いていない分、本体と取付ステーとは、簡単に取り外しができる着脱式となっています。よって、車検の際には、予め本体を取り外しておくことにします。
配線にも、ひと工夫を。
画像左側は、標準で添付されている電源ケーブルです。(シガープラグ - USB mini-B)
ゴツくて硬く、クセの付いたケーブルであるだけでなく、取付ステー側のコネクタ(USB mini-B)が、一般的なストレート形状をしているため、フロントウィンドウ中央で、“空中配線”状態になる部分が長くなってしまいます。
画像右側は、新たに買い足した電源ケーブルです。(USB A - USB mini-B)
径がφ3.8mmと、比較的細径のケーブルであるだけでなく、取り回しのし易い、しなやかなケーブルです。
なによりも、取付ステー側のコネクタを、「L型(左向き)」としたことで、ルームミラー基部の形状に沿わせて、できるだけ目立たないよう配線することができます。
(つづく)
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