ここ1ヶ月ほど、“副”業が忙し過ぎて、疎かにしていましたが、
しさしぶりの更新です。
上野駅の、公園口改札。
別に、パンダを見に来たのではありません。
東京都美術館にて開催されている、
「バベルの塔」展を見に来ました。
「バベルの塔」とは、旧約聖書に記された、人間の傲慢さと愚かさを描いたお話。
(画像は、撮影可能範囲にて撮影)
その、「バベルの塔」とは、つぎのようなお話です。
(以下、「美の巨人たち」の小林薫さん風に)0xF8E4
はるか昔、ノアの子孫たちは、皆同じ言葉を話していました。
ある時、西方から来た人々が、海のほとりに移り住み、こう言いました。
「煉瓦を硬く焼き、皆で積み上げよう」
「天にまで届く塔を建て、名を上げよう」
「日本一のビルを建て、東京モンを出し抜いてやろう」その様子を見ていた神は、驚き、怒り、憂います。
「人間の企ては、留まるところを知らない」
「いまこの塔をいかずちで倒したところで、変わりはしない」
「それは人間が、皆同じ言葉を話しているからだ」神は、決断し、実行します。人間の使っていた言葉(言語)をバラバラにし、混乱(バラル)させたのでした。
言葉を分けられ、意思疏通のできなくなった人々は、散り散りに各地に別れていきました。
かくして、バベルの塔は完成することなく、途中で放棄されることになったのでした。
ただし、言葉は分けても、唯一、否定の意味だけは、音(音韻)で分かるようにしたのでした。
「Not」「Nicht」「Non」「Ne」「ぬ」
(一部、創作を含みます)0xF9D1
この、「バベルの塔」を題材にし、ピューテル・ブリューゲル1世が描いた油彩画は、ブリューゲルの現存する数少ない絵の中でも、最高傑作と言われています。
しかも、このブリューゲルの最高傑作が日本で展示されるのは、実に24年ぶりとのこと。
こちらは、職人の自室に飾ってある、ブリューゲルの別の絵。
ブリューゲルは、生涯で、3つの「バベルの塔」を描いたと言われていますが、残っているのは2点のみ。
1つは、1563年に描いた、現在はオーストリアの「ウィーン美術史美術館」に所蔵されている作品。(大きさ:155×114cm)
もう1つは、1568年ごろに描いた、オランダはロッテルダムにある「ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館」に所蔵されている作品。(大きさ:75×60cm)
これら2つの作品は、そのキャンバスの大きさの違いから、前者は「大バベル」、後者は「小バベル」と呼ばれています。
#職人の自室に飾ってあるのは、「大バベル」の方。
(画像は、撮影可能範囲にて撮影)
こちらは、漫画家で映画監督でもある、大友克洋氏が描いた作品。その名も、「INSIDE BABEL」。
バベルの塔の内部が、ブリューゲルに勝るとも劣らない緻密さで描かれていて、思わず見入ってしまいます。
と、いうことで、めったに見られない貴重な絵を見られたということで、帰りは、いつものスペインバルでちょっと一杯。0xF9CF0xF8D3
で、スイーツ男子としては、けっきょくパンダ絡みになるという・・・。0xF9C7
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