奥さんのお仕事の関係で、ヴィオラの生音を拾うことになり、弦楽器用のマイクロフォンを購入しました。
こちらが、ヴィオラにマイクロフォンを取り付けた状態です。
画像のように、弦楽器用のクリップ(後述)を、ヴィオラのボディー側面に取り付け、このクリップにマイクロフォンを固定しています。
#このヴィオラ、Porscheより高いらしいので、最初はこわごわ取り付けました。0xF9FC
購入したのは、DPA社の楽器用マイクロフォン、「VO4099V」(オープンプライス、標準価格:53,784円、購入価格:43,027円相当)と、他社のワイヤレスシステム(後述)接続用の変換アダプター、「DAD6033」(オープンプライス、標準価格:13,500円、購入価格:10,800円相当)です。
さすがに単体で5万円を超えるマイクロフォンだけあって、しっかりとしたキャリングケースが付いています。
キャリングケースの中身。
最大音圧レベル142dBの「高感度マイク」(VO4099Hi)に、XLRへの「変換アダプター」(DAD4099BC)、弦楽器のボディーに取り付けるための「ヴァイオリン用クリップ」(VC4099)などがセットされています。
コンデンサー型マイクロフォンの選定にあたっては、Sonyやaudio-technicaのプロ用マイクロフォン、ドイツ・Sennheiser社の「e908シリーズ」なども比較検討しましたが、評価の高かったデンマーク・DPA社の「4099シリーズ」にしました。
#DPA社のマイクロフォンは、銀座のヤマハで、「モニター貸し出しキャンペーン中」(期間限定)です。
VO4099Vに組み合わせるのは、audio-technicaのラックマウント1chワイヤレスシステム、「ATW-1301」(希望小売価格:62,640円、購入価格:38,016円相当)です。
こちらも、DPA社のワイヤレスシステムや、Sonyのものも検討しましたが、将来構想(別途記述)にあわせて、audio-technicaのものにしました。
画像左側が、レシーバー本体、「ATW-RC13J」で、画像右側が、トランスミッター、「ATW-T1001J」です。
レシーバー本体は、ハーフラックサイズで、レシーバーユニット(ATW-RU13J)を増設することで、1つの筐体で2chの音声を扱うことができます。
さらに、リンク用ケーブルを使って5台のレシーバー本体を接続すると、最大10chの音声を扱うことができます。(職人は、そんなに必要としませんが)
レシーバー本体の裏面です。
バランス出力(XLR)、アンバランス出力(フォン)に、リンク用ケーブルのコネクタ、レシーバーユニットを外付けするためのコネクタなどがあります。
DPA社のマイクロフォン(VO4099V)に、変換アダプター(DAD6033)を介して、audio-technicaのトランスミッター(ATW-T1001J)を接続したところです。
あわせて、ミクサー(ミキサー)も購入しました。
YAMAHAのミキシングコンソール、「MG10XU」(オープンプライス、購入価格:23,040円相当)です。
型番の「10」は、10ch。「X」は、デジタルエフェクター搭載。「U」は、USB入出力搭載の意です。
また、1~4chは、ファンタム電源に対応し、コンデンサー型マイクロフォンを直接ドライブすることができます。
(今回は、ワイヤレスシステムを介してマイクロフォンを接続するため、ファンタム電源は不要ですが)
さて、あらためて、ヴィオラへのマイクロフォンの取り付け方法を説明します。
多くのメーカーのマイクロフォンでは、弦楽器(ヴァイオリン/ヴィオラ)の「顎当て」にクリップを挟み、このクリップにマイクロフォンを取り付ける方法を採っています。
(なぜならば、サックスなどの管楽器では、「ベル」(ラッパが広がっている先端の部分)に取り付けることが一般的であり、それと共通の部品を使うことが多いためだと推定)
この方法は、マイクロフォンの脱着が簡単ですが、弦楽器に固定する強度(というか剛性)が、クリップの挟み込む力に依るため、いまいち安心できません。
#マイクの固定にも、Porsche並みのボディー剛性が必要かと。0xF9C7
一方、DPA社のマイクロフォンは、「ヴァイオリン用クリップ」(以下、Vクリップ)というものを使います。
まず、Vクリップを、弦楽器のボディー側面に固定します。
Vクリップは、上下2つのパーツから成っていて、ボディー側面を上下から挟み込んだ上で、下半分のパーツを上方向に徐々にスライドさせていきます。Vクリップには、インシュロックのような後退防止のロックが付いていて、適度な保持力になったところで止めます。
このVクリップは、ボディー側面の厚みが、3.5~5.5cmのものに対応しています。
つぎに、マイクロフォンのグースネック(アームの部分)を、Vクリップのベース部に挟み込み、固定用のパーツを上から押し込みます。
これにより、「顎当て」にクリップで固定する方法に比べ、マイクロフォンを確実にボディーに固定することができます。試しに、上下左右に少し動かしてみたところ、マイクロフォンのぐらつきは、まったくありませんでした。0xF9C6
(なお、マイクロフォンを取り外す際には、Vクリップの下半分のパーツの左右のクランプを押し下げれば、Vクリップごと取り外すことができます。また、後退防止のロックは、ロック解除のノブを押すことにより、リリースすることができます)
つづいて、マイクロフォン本体が、「f字孔」の真上に来るよう、グースネックの角度を調整します。
Vクリップを、もう少し「胴」(ボディー中央)の方に持っていきたいところですが、「肩当て」とぶつかってしまうため、画像のあたりが、ぎりぎりの位置でした。
また、マイクロフォン本体の位置は、f字孔の真上であっても、f字孔の中心ではなく、下からから1/4程度のところが良いようです。(ちょうど、画像のあたり)
このあたりは、実際に生音をモニタリングしてみて、ベストな位置を探りたいと思います。
演奏中に弓が当たることがなく、また鼻息を拾うことがなく、いかに弦楽器が奏でる生音を拾うことができるか。
う~ん、シンセと違って、思っていた以上に奥が深そうです。0xF9C5
(つづく)
〔おまけ〕
シールドケーブルと各種コネクターを使って、機材用ケーブルを自作することにしました。
ケーブルは、Canareの4芯編組シールド、「L-4E6S」を使います。秋葉原ガード下の某ケーブル屋さんで、162円/mでした。
シースカラーは、黒・茶・赤・橙・黄・緑・青・灰・白と、なんと9色から選ぶことができます。(もう一方のケーブル屋さんでは、黒と白しかありませんでした)
普通は「黒」を使うところですが、奥さんのライブに職人が帯同できない時に、機械オンチの奥さんでもLとRを間違えることのないよう、「白」と「赤」にしました。
Canareのケーブルは、ケーブル径(φ6mm)の割には柔軟性があり、非常に扱いやすいものになっています。さすがDTMの世界での定番、カナレ良いです。0xF9C7
NeutrikのXLR3ピンメスコネクター(NC3FXX-B)と、CanareのRCAコネクター(F10)を使って、バランス-アンバランス間の接続変換ケーブルを作りました。
Canareのケーブルは、「有色ホット」とのことで、青線をホット、白線をコールド、シールド線をグランドにしています。また、RCAコネクター側で、コールドとグランドとを接続して、アンバランスにしています。
なお、RCAコネクターは、ホットとグランドとの間のギャップが比較的少ないことから、念のため、住友電工の熱収縮チューブ、「スミチューブ」で保護してあります。
くわえて、これはもう宗教(あるいは迷信)みたいなものですが、「音響用」のハンダを使って固定してあります。(何が違うのか分かりませんが)0xF9C7
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