以前に紹介した「サイドウィンカーのLED化」の続編です。
Porsche 911 Carrera S Type 997は、Phase 2(後期型)からリヤウィンカーがLED化されていますが、フロントやサイドについては、なぜだかまだ電球が使われています。
そこで、今回は、「フロントウィンカー」(フロントターンシグナルランプ)を、LED化してみることにします。0xF9A0
まずは、材料集めから。
ドイツに行っている間に、ドイツから小包が届いていました。0xF9C7
中身は、こちら。
部品コードは、「999 631 253 91」、価格は、21.59ユーロ(約2,480円)/個です。
#ちなみに、PCでの日本国内価格は、4,644円/個でした。
あわせて、アメリカからも小包が届いていました。
中身は、こちら。
価格は、9.95ドル(約980円)/個です。
Type 997 Phase 2のフロントウィンカーは、「HP24W」という、日本国内では聞き慣れない形状のバルブが使われています。
欧州でも、あまり一般的ではないようで、「HP24W LED」などで検索しても、名の通ったメーカーからの製品は、出ていません。
出ていたとしても、CREE社製の何世代か前のLEDを使った、あまり光量のなさそうな“ちゅーこく製”の製品はありますが、発光色は「ホワイト」となっており、ウィンカーに適した「アンパーイエロー」のものは、ありません。
他方、「HP24W」の「アンバーイエロー」のものは、日本の“とあるWebショップ”が扱っていますが、角形LEDを手ハンダで積層しているという、ガビガビの汚ったね~作りで、とてもPorscheに装着できるようなクオリティーではありません。
#しかも、2個で24,000円という、超ボッタクリ価格!0xF9D1
まぁ、そもそも、見ず知らずのトーシローが作った製品(作品?)なんて、はなから購入するつもりはありませんので、ここは、いつものように、いくつかの素材を組み合わせて、Porsche用のものを“こさえる”ことにします。
#「お前もトーシローじゃね~か!」というツッコミはさておき。0xF9C7
能書きが長くなりましたが、画像上段が、Porsche純正の「HP24W」バルブです。
画像下段が、アメリカから購入したLEDバルブです。
アンバーイエローの5050のSMD(表面実装部品)タイプのLEDが、合計30個搭載されています。(側面に6個×4スロット、頭頂部に6個)
当然、「HP24W」用のものではなく、「PY21W」というバルブ形状用のものです。
また、サイドウィンカーの時と同様、ハイフラ防止対策の施された、「CanBus対応」の製品を選んでいます。
#ハイフラのキャンセラーとして、セメント抵抗などを咬ますというのは、せっかくのLEDの省電力性を蔑ろにした、まさに“愚の骨頂”で、「電気のトーシロー」と言わざるを得ません。0xF9D1
さて、放言はこれくらいにして、
まずは、「HP24W」バルブを分解します。
電球の直径は、φ18mmでした。
つづいて、「HP24W」用のLEDバルブを分解します。
頭頂部の円形の基板の直径も、ほぼ18mm(というか、そうなるように選んだのが、「PY21W」用のLEDバルブ)でした。0xF9C6
逆接続防止用のダイオードが、+側に入っています。
こちらは、秋月電子通商で購入した、「ブリッジダイオード」。5個入りで100円です。
#部品代より、ガソリン代の方が高いという。0xF9C7
ご存じのとおり、LEDには極性がありますが、このブリッジダイオードを、LEDバルブと車両側のソケットとの間に咬ますことにより、無極性(というか、ソケットの向きをどちらに挿してもLEDが点灯するよう)になります。
フライス盤を使って、「HP24W」バルブのソケットを加工します。
ブリッジダイオードの頭が入るよう、ソケットの中心部分を、3mmほど切削します。
このような感じで、ブリッジダイオードが、ソケットにすっぽり填まるようにします。
LEDバルブに、ブリッジダイオードを、ハンダ付けします。
ブリッジダイオードの足は、ソケット側の接点として、そのまま残します。
LEDバルブを、ソケットに、仮組みしてみます。
Porsche純正の「HP24W」バルブと比べると、かなり高さ(長さ)がありますが、Type 997 Phase 2のウィンカーユニット内には、十分なスペースがありますので、問題ありません。
バルブの発光位置も、それを受けるリフレクターの形状にも依りますが、まぁ、大丈夫でしょう。
φ18mm(内径φ14mm)のアクリルパイプを、サーキュラーソウで、高さ9mmに切り出します。
#Audiのマークではありません。0xF9C7
アクリルパイプを、プラスチック用の耐熱接着剤で固定して、完成。
透明アクリルパイプを使ったため、ちょうどブリッジダイオードの部分が、スケルトン状態になっていますが、特に意味はありません。
このまま取り付けても良いのですが、その前に、ちょっと工夫を。0xF9C6
今回購入したLEDバルブは、赤色のソルダーレジストが使われています。この状態のままウィンカーユニット内に取り付けてしまうと、この赤色がリフレクターに映り込んで、どちらが前なのか分からなくなってしまいます。
#と、いうのは、ちょっと大げさですが。0xF9C7
そこで、この赤色を消すために、ひと手間加えることにします。
5050のSMDにぴったり合うよう、マスキングテープを5mm角に正確に切り出し、精密ピンセットで貼り付けます。
#30個すべてのLEDに、ズレなく正確に貼り付けていくという、地道な作業の繰り返し。0xF9C8
LEDバルブを、フラットホワイト(ツヤ消し白)で塗装したところです。
赤色掛かった色調を、完全に消すことができました。
これを、片側2個、左右で合計4個、作ります。
と、いうことで、いよいよ取り付けですが・・・、
フロントバンパーに埋め込まれているウィンカーユニットは、Type 997 Phase 1(前期型)の場合には、専用のカード型のツールを使って、比較的簡単に取り外すことができます。
しかし、Type 997 Phase 2(後期型)の場合には、フロントバンパーに完全にビルトイン(固定)されているため、バンパーを取り外さない限り、バルブの取付位置にアクセスすることができません。
フロントバンパーの取り外しは、かなりの大工事となるため、次回に続きます。
(つづく)
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