(この記事は、現地2016年9月10日のものです)
北コースの入口付近とブリュンヒェン・コーナーの偵察が終わったところで、本日宿泊するホテルに向かうことにします。
L92号線を戻ってB258号線に入り、“例のガソリンスタンド”を過ぎると、しばらく「デッティンガー・ヘーエ」(Döttinger-Höhe)の超ロングストレートと併走します。
開けたところに出てきたら、ラウンドアバウトがあります。
このまま直進(2つめの出口を右折)します。
ラウンドアバウトを超えて100mほどのところに、ホテルの入口があります。
#看板が左手に出ていますが、ホテルは右手です。
入口に誘導員が2名立っていて、ブロックしている感じでしたが、今夜予約があることを告げると、中に入れてくれました。
警察車両(Polizei)もたくさん出ていて、なにやら、物々しい感じです。
こちらが、今夜から2泊する、「ドリント アム ニュルブルクリンク ホッホアイフェル」(Dorint Am Nürburgring Hocheifel)です。
#駐車場は、この右手奥(ホテル本館の地下)です。
とりあえず、車寄せにと。
#おっ、Cayman選手も、お泊まりのようですよ。
地下駐車場には、こんなクルマも。
あらためて、「ドリント アム ニュルブルクリンク ホッホアイフェル」。
ホテル全景。
ホテルの目の前には、トレーラー型のTV中継車が、たくさん駐まっています。
上空には、ヘリコプターのローター音。
そう、今日は、DTM(ドイツツーリングカー選手権)の第7戦が、ここ、ニュルブルクリンクのGPコースにて、開催されているのです。0xF995
周辺の物々しい感じは、ホテルの目の前が地元の警察署であったことに加え、DTMのイベント期間中であったためのようです。
「ドリント アム ニュルブルクリンク ホッホアイフェル」の側面です。
なぜに、このような不思議な形状をしているのかは、後ほど。0xF9CE
ホテル周辺の偵察はこれくらいにして、さっそく中に入ってみましょう。
「ドリント アム ニュルブルクリンク ホッホアイフェル」は、ニュルブルクリンクにある4つ星のホテルです。
この近くにある「リンドナー コングレス&モータースポーツ ホテル ニュルブルクリンク」(Lindner Congress & Motorsport Hotel Nürburgring)と並んで、人気を二分するホテルの一つです。
なぜに、人気を二分しているかというと・・・、
ホテル全体が、
クルマたち(二輪・四輪)の、
テーマパークのようになっているのです!0xF9CF
#画像は、宿泊階のエレベーターを出たところ。
今夜から泊まる部屋です。
なんと! 絨毯には、ニュルブルクリンクのGPコースの意匠がされています。
#「ホテルミラコスタ」もびっくりの徹底っぷり。
バルコニーを出ると、目の前に、GPコースのグランドスタンドが見えます。
そう、ここは、「オーシャンビュー」ならぬ、「サーキットビュー」の部屋なのです。0xF9F8
#「スタンダードルーム」は、森側(View of the green forests)ですが、「コンフォートルーム」で追加料金を払うと、GPコース側(Direct view of the race track)になります。
と、いうことはですね、
寝ても覚めても、
クルマ三昧な日々が送れる訳です。0xF9CB
で、ですね、
先ほどから、目の前を、爆音を轟かせながら、ビュンビュンとツーリングカーが疾走していきますが、
今日は、2016年9月10日の土曜日。DTM第7戦の予選が行われています。
#よく、まぁ、こんな日にホテルが取れたものだと。0xF9F8
部屋の右側には、GPコースの最終コーナーが見えますが、
その奥には、北コース(ノルトシュライフェ)の終盤、「ホーヘンライン」(Hohenrain)のコーナーを立ち上がっていくクルマたちが見えます。
片や、コンマ1秒を争う過酷なレースをしているところ、片や、クルマ好きたちが、草レースをしています。
なんという国だ!0xF9CF
と、いうことで、画像ではなかなか雰囲気が伝わらないと思いますので、動画でどうぞ。
バルコニーからDTMが観戦できるなんて、なんという贅沢!(しかも、明日は決勝)
まさに、夢のよう。0xF9CB
ふたたび、中央ロビーから。
大画面TVでは、DTMの生中継をやっています。
Audi勢が、調子が良いようです。
と、いうことで、
例によって、
ホテル本館内を、偵察してみることにします。
フロントの反対側の廊下。
いろいろなイラストレーションや、
メーカー各社のコレクターズアイテムのほか、
往年のレーシングドライバーたちのフォトグラフが飾られています。
この方も居ました。(サイン入り)
「ジェームス・ハント」(James Hunt, 1947年~1993年)。
#あの方も、探したのですが、ここには居ませんでした。
まだまだ、続きます。
「Cockpit」という名の、バーがありました。
なかなか洒落たディスプレイ。
#夜にでも、来てみますかね。0xF8D2
まだまだ、あります。
アトリウムのような明るい廊下の先は、
「カンファレンスセンター」になっています。
戦い、終わって、ニュルブルクリンクの夕暮れ。
#夕暮れといっても、これで20:00過ぎです。ヨーロッパの一日は長いです。
バスタブに浸かって、バーにでも行こうと思ったのですが、長旅の疲れか、1日目の夜は、そのままバタンキューになってしまいました。0xF9CA0xF9A6
日付変わって、ニュルブルクリンクの朝焼け。
今日は、DTMの決勝が行われます。
職人的にも、“決戦”の日となります。0xF9F8
はたして、M4 Coupeで、「Freude am Fahren」となるかどうか。
眠い目をこすりながら、ビュッフェに向かいます。
朝食も、サーキットビュー。0xF8D1
ふと見上げると、天井の換気口が、「ALPINA Classic Wheel」に見えてきました。
#我ながら、かなりのビョーキです。(すでに末期的症状)0xF9C7
(「Nicole Circuit Day」の一コマ)
ちなみに、こちらは、FISCOのVIPラウンジで見た、「ALPINA Classic Wheel」のテーブル。
なお、写真には撮りませんでしたが、目の前や真横には、「Audi Motorsport」や「Mercedes AMG」、「BMW Motorsport」のチームウェアを着た皆さんが、食事をされています。
また、エレベーターの中では、「stand21」のレーシングスーツを入れる黒いバッグを持った、長身の方と一緒になりました。
どうやら、DTMの大会関係者の皆さんも、泊まられているようです。
#すごいな、ここ。0xF9CF
オープンテラスもありますが、少し肌寒いので、中で食べることにします。
ホテルのサーキット側。
台形のような不思議な形状をしていたのは、こういう訳でした。
まさに、グランドスタンドが、そのままホテルになったような感じです。
豪華朝食。
今日も長い一日になりそうですので、しっかり食べておくことにします。0xF9F7
と、焼きたてのパンを取ろうと思ったその先に、
“あの方”は、いらっしゃいました。
「ニキ・ラウダ」(Niki Lauda, 1949年~)。
1976年のF1第10戦、ここ、ニュルブルクリンクの北コースで行われたドイツGP。宿命のライバル、ジェームス・ハントとの熾烈なポイント争いを繰り広げる中で、その悲劇は起きました。
タイヤ交換で順位を下げ、その挽回中。コース北部、「エクスミューレ」(Ex-Mühle)と「ベルクヴェルク」(Bergwerk)との間にある、左に廻る高速コーナー。
ニキ・ラウダの乗ったマシンは、ここで突然コントロールを失い、右側のキャッチフェンスを突き破り、露出した岩に激突。その衝撃により、ヘルメットが脱げてしまいます。
発火したマシンは、コース中央まで跳ね返されて停止。これに後続のマシンが衝突、炎上。後続のドライバーや駆け付けたマーシャルら5名が、捨て身の行動で消火、救出活動を行います。
燃え盛るマシンからなんとか救出されたものの、ヘルメットが脱げた影響で頭部に大火傷を負い、さらにFRPが燃えて発生した高熱の有毒ガスを吸い込み、肺に深刻なダメージを受けてしまいます。
数日間、生死の境をさまよい、もはや手の施しようがないと診られ、病室に牧師が招かれます。しかし、牧師が聖書の一節を読み始めたその途端、ニキ・ラウダは驚異的なペースで回復を始めます。
「冗談じゃない、死んでたまるか」。その年の春に結婚した妻の呼び掛けに、薄れ掛ける意識を保ちます。
常人には想像を絶する苦痛と戦い、自らを律してリハビリを行い、事故発生から42日後のイタリアGPにて、奇跡のレース復帰を果たします。
その姿は、まさに「不死鳥」。
#なお、ニキ・ラウダが事故に遭ったポイントは、現在は、「ラウダリンクシュニック」(Laudaringsnick)と名付けられています。(直訳では、「(ニュルブルク)リンクでラウダが強打した場所」の意)
さまざまな歴史が刻まれている、ニュルブルクリンク。
と、いうことで、
ニキ・ラウダ氏に勇気をもらえたところで、朝焼けの中、北コース(ノルトシュライフェ)へ向かいます。0xF9C6
(つづく)
〔地図情報〕
〔おまけ〕
この、ニュルブルクリンクを舞台とした、二人の男たちのドラマは、こちらでどうぞ。
監督は、「アポロ13」、「ビューティフル・マインド」、「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」、「インフェルノ」の、ロン・ハワード。
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