前回の続きです。
PSEスイッチの制御回路ができたところで、いよいよ取り付けです。
まずは、「コンバインドスイッチ」を、PSEスイッチ付きのものに取り換えます。
センターコンソール左右のサイドパネルを外します。
T30とT20のトルクスドライバーを使います。
左側のサイドパネルを外したところです。
「コンバインドスイッチ」は、フレームに金属バネで嵌め込まれています。
青色の枠にある金属バネを、トルクスドライバーの先端などで押しながら「コンバインドスイッチ」を引き出すことにより、フレームから取り外すことができます。
左側の嵌合を取り外し、「コンバインドスイッチ」が浮き上がったところです。
右側の嵌合も、同様に取り外します。
「コンバインドスイッチ」が取り外せました。
赤色のコネクタを、上面にあるツメを押しながら引っ張り、「コンバインドスイッチ」から分離します。
赤色のコネクタには、配線コードがタイラップで固定されているため、ミニニッパなどを使って切断します。
赤色のコネクタに見えたのは、実はカバーで、赤色のカバーを横方向にスライドさせることにより、本来の黒色のコネクタが現れます。
黒色のコネクタには、スロットにピン番号が振られています。
#ものすごく小さいので、老眼にはつらくなってきました。0xF9C7
「PSEキット」付属のワイヤーハーネス(配線コード)を準備します。
「青」(BU/BU)線を10番スロット(A10)に、「灰/緑」(GY/GN)線を11番スロット(A11)に、それぞれ挿入します。(カチッと音がするまで、確実に押し込みます)
配線コードは、後々の“カタカタ音”の原因とならないよう、自動車用の「アセテート布粘着テープ」を使って、純正のワイヤーハーネスに固定しておきます。
その後、赤色のカバーを被せ、タイラップで締め上げます。
標準の「コンバインドスイッチ」に替えて、PSEスイッチ付きの「コンバインドスイッチ」に、赤色のコネクタを接続します。
その後、元通りにセンターコンソールに嵌め込みます。
2本の配線コードを、アセテート布粘着テープを使って純正のワイヤーハーネスに適宜固定しながら、運転席右側足下まで引き回します。(RHDの場合)
#ものすごい狭いスペースでの作業となります。0xF9C8
PSEの制御回路の電源を取り出すための部材です。
画像中央は、エーモンさんの「平型ヒューズ電源」(品番:E529)です。その名のとおり、平型ヒューズから電源を取り出すための便利グッズです。
Type 997のヒューズは、ヒューズボックスがType 996からのキャリーオーバーなのか、いまだに普通の平型のもの(ミニヒューズでも、低背ヒューズでもなく)が使われています。
もう少し小さなアンペア数のものが欲しいところですが、エーモンさんの「平型ヒューズ電源」のラインナップでは、10A用が一番小さなアンペア数(7.5Aでも、5Aでもなく)のため、これを使うことにしました。
画像左側は、「管ヒューズ」(品番:1252)です。
前述の平型ヒューズ電源(10A用)の取り出し側にも、管ヒューズが付いていますが、5Aのものが組み合わされています。
しかし、PSEスイッチの制御回路に5Aも流れたら、それこそ燃え上がってしまいますので、アンペア数の小さい2Aのものに付け替えておきます。
画像右側は、アース(GND)接続用の「クワ型端子セット」(品番:M274)です。
PSEスイッチの制御回路を、両面テープで固定します。
取り付け位置は、運転席右側、ヒューズボックスの上方としました。(RHDの場合)
電源を取り出します。
ヒューズボックスの中で、空いている(使われていない)ヒューズにテスターを当て、イグニッションONでバッテリー電圧(+12V)が出るところを探します。
C列のF1、「4WDドライブ・コントロールユニット(Turboモデルのみ)」から取り出すことにしました。
ヒューズの下側の端子がバッテリー側(上側の端子は空き)のため、向きに注意して「平型ヒューズ電源」を挿入します。
(逆向きに接続すると、いったん10Aのヒューズを通って、さらに2Aのヒューズを通ることになります)
配線コードの接続ができたところで、動作確認をします。
イグニッションをONにし、電源が入ること(緑色のLEDが点灯すること)を確認します。
#PSEのソレノイドバルブに接続する配線コード(基板右側下部の2Pコネクタ)は、後日改めて。
ヒューズボックスのカバーを、元に戻します。
ということで、PSEスイッチの制御回路の取り付け、完了っ!!
〔おまけ〕
前述の「コンバインドスイッチ」に接続されているコネクタのピン(メス)ですが、「純正のワイヤーハーネスをできるだけ弄りたくない」という“とある方”のために、純正と同じものを購入することにしました。
(画像は、BMW AGから)
BMWの場合には、リペアパーツ(補修部品)として、コネクタのピン単体(または配線コードに圧着されているもの)を簡単に入手することができるのですが、Porscheの場合は、どうでしょうか。
いつもお世話になっているPCの部品課の担当者さんに確認したところ、
- Porscheの電子部品の多くはBosch製であるが、Porscheの部品コード(11桁)とは異なり、直接オーダーすることはできない。
- コネクタの品番を確認するためには、車両識別番号(VIN)をドイツ本国に送り、そこからその車両に使われている電子部品を割り出し、電子部品を製造したメーカーに確認することとなる。
- 部品が届くまで、1~2ヶ月程度は掛かるだろう。
との、つれない返事でした。
#まぁ、予想はしていましたが。0xF9C5
ということで、自分で調達することにしました。
「まぁ、ドイツ車なので、コネクタを作っているのは、AMPかそこらだろう」と思っていたのですが、予想的中でした。
#なぜかここで役立つ、電子部品のナレッジ。(いつも秋葉原の電子部品街を徘徊しているヒトにしか分からない?)0xF9C7
Audiのリペアパーツで、同じ形状のコネクタピンが使われているものを発見し、このリペアパーツに圧着されているコネクタピンをいろいろと調べてみたところ、AMP製であることが分かりました。
画像のように、リールに付いた状態で納品されました。
こんなにたくさん要らないのですが、最小注文単位が100個/ロットなので、1ロット買うことにしました。コネクタピン1個、8円です。
タグを見たところ、「Made In Spain」とありました。
#粗悪品の代名詞、ちゅーこく製でなくて良かった。0xF9D1
コネクタピンを拡大したところです。
このコネクタピン、コネクタピンをコネクタ本体に固定する「ノッチ」(ツメ)のところが、“三角形”になっているのが特徴です。
#AMPのコネクタは、コンダクタ部の形状の違いや配線コードの挟み込み太さの違いなどにより、数100種類のラインナップがありますので、地道に探してください。0xF9F8
ちなみに、後から思い出したのですが、M3 Coupeに「BMW Performance Steering Wheel」を取り付けた際に使われていたコネクタピンと、同一のものでした。
#どおりで、この“三角形”のノッチに見覚えがあった訳です。
さすがはドイツ車。日本のDENSOに対して、ドイツのBosch、みたいなものでしょうか。
ということは、BMWのリペアパーツで、コネクタピンのみ入手可能ということで・・・。
(つづく)
SOARISTOさん
はじめまして、nmと申します。
私、997.2を3年程所有していますが、実はSOARISTさんが所有されていた、正にこちらに登場している997なのです!
はじめてこちらのサイトで発見した際には大変に驚きましたが、変更されている点などが理解でき、大変に参考になっています。ありがとうございます。
PSEコントロールユニット、大変に素晴らしいです。
実は、このPSEコントロールユニットについてご相談したく書き込みさせて頂きました。
一年程前になりますが、とある車屋さんで故障していた後方のドラレコを外して頂いたのですが、その際に一緒に配線含め取り外されてしまいました。
今後の車検もあるため、どうしたものか悩んできましたが、やはり完璧な選択としては、SOARISTさんのこのPSEコントロールユニットが頭から離れません。
厚かましいお願いとは承知しておりますが、1つお譲り頂けないでしょうか。