そんな訳で、ドイツから部品が届いた訳ですが、
Type 991用の「フロントリップスポイラー」(以下、スポイラー)です。
しかも、通常のスポイラーではなく、純正オプションの「PASMスポーツシャシー」装着車用のもので、品番は「991.505.525.01.1E0」、価格は「132.67ユーロ」(約17,060円、輸送費除く)でした。
当然ながら、Type 991とType 997とでは、“顎”の形状が異なるため、実車に仮組みして、アタリ具合を確かめます。
#“顎”というか“唇”というかは、好みの分かれるところですが、ここでは“顎”とします。
(タイトルは“唇”と書いていますが)0xF9C7
スポイラーには、ボディー側の固定穴に填め込むための嵌合が、全部で10ヶ所あります。
一番外側(両端)の嵌合は、ボディーと干渉するため、根元から削り取ってしまいます。(水色の○の部分、左右計2ヶ所)
それ以外の嵌合も、ボディーと干渉するだけでなく、ボディーに固定するための「基部」として活かすため(後述)、嵌合の“爪”の部分を削り取ってしまいます。(青色の○の部分、左右計8ヶ所)
嵌合の“爪”の部分は、填め合わせのため、数mm程度、台形状に盛り上がっています。これを、周囲との段差が無くなるまで削り取ります。
こんな時は、ミニルーターがあると、作業効率が大幅に向上します。
電動工具は、削り過ぎる場合があるため、慎重に切削します。
最後は、ハンドサンダーを使って、手作業で仕上げます。
(あらぬところを削らないよう、布粘着テープで養生しています)
切削加工が終わったところ。
#最終的には見えなくなるところですが、見えなくなるところも手抜きしません。0xF9C5
両端以外の嵌合には、スポイラーをボディーに固定するための「基部」とするため、φ5mmの穴を開けておきます。
今回は、M5×12mmのタッピングビスを用います。(後述)
スポイラー底面の一番外側の嵌合にも、φ5mmの穴を開けておきます。
固定用の「基部」に生まれ変わった、「嵌合」だった部分。
Type 997用に、加工が終わったところ。
両面テープだけでは、高速走行時に吹っ飛んでいってしまわないかと不安が残りますが、タッピングビスを用いることにより、ボディーに確実に固定することができます。
スポイラーをボディーに固定するための部材です。
左側が、M5×12mmのタッピングビス。右側が、住友3Mさんの「車輌用両面テープ」です。
(M3 Coupeの「カーボンリヤスポイラー」を取り付けた時にも使ったものです)
再度仮組みして、アタリ具合を確かめます。
#レジャーシートが見つからなかったので、急遽、新聞紙で代用。0xF9C7
スポイラーを取り付ける前に、アタリ面をきっちり脱脂しておきます。
(画像は、ペイントシーラント用の前処理材(デュポン社製)です)
#ちなみに、うちの新聞は、アカ○ではありません。0xF9D1
弱粘着テープ等を使って、位置決めをします。
少しでもズレていると、この上なくみっともないので、完全にシンメトリーとなるよう、しっかりと位置決めをします。
位置は、センターで合わせようとせず、両端の隙間の開き具合を見ながら、少しずつ合わせていきます。
(黄色いマスキングテープは、この後、何度かスポイラーを脱着するので、位置決めをした位置がズレないよう、マーキングしているものです)
当然ながら、Type 991とType 997とでは、“顎”の形状が異なるため、普通には“ツラ”が合いません。
Type 997は、センターから緩やかにラウンドしていますが、Type 991は、途中で(ちょうど画像の真ん中辺りで)、カクッと“く”の字に曲がっています。(大げさに言うと)
しかし、心配は無用です。0xF9C6
スポイラーは、PP(ポリプロピレン)樹脂という柔軟性の高い素材のため、グイッと押し込むことにより、ピタッとアールに合うようになります。
(画像では、押し込んでいないため、“ツラ”がズレているように見えますが)
なお、今回は、日中の暖かい時間帯に取り付けを行ったため、PPが柔らかくなっており、作業性が良かったのですが、冬期など、気温の低い時に取り付けを行う場合には、ヒートガン(無ければ、ドライヤー)で暖めてから作業すると良いでしょう。
両面テープを、スポイラーのエッジのギリギリ内側を狙って貼り込みます。
1本ですべてのエッジに貼り込むのではなく、センターで2分割しています。
スポイラーの端部は、形状が完全には一致しないため、プレスラインの凹凸を目印にして、途中でカットしています。
最終的な位置決めをし、タッピングビスの穴開け位置を、マジックペンなどでマーキングします。
(画像では、スポイラーを押し込んでいないため、“ツラ”がズレているように見えますが)
ピンバイス(ハンドドリル)を使って、タッピングビス用の穴(φ3.5mm)を開けます。
#込み込みで10数万円はするであろうフロントバンパーに、穴を開けちゃいました。ここまで来たら、もう後戻りはできません。完遂あるのみです!0xF9C5
いよいよ最終段階。
タッピングビスを仮留めし、少し隙間が開いた状態で、“ツラ”をしっかりと合わせます。
この状態で、両面テープの保護フィルムを、(45°に折り返して)面に対して「直角」になるよう、ゆっくりと慎重に剥がしていきます。
(「剥がす」というよりは、「引き抜く」感じ)
その後、スポイラーをボディーに圧着します。
センターに向けても、隙間の開いた状態で保護フィルムを剥がし、“ツラ”を合わせて圧着します。
間を開けず、タッピングビスをねじ込み、スポイラーをボディーに完全に固定します。
(タッピングビスは、ねじ込み過ぎると、ボディー側のネジ山がバカになってしまうので、加減に気を付けます)
取り付け、完了っ!!
スポイラーの端部です。
微妙にアールが合っていないようにも見えますが、それでも、あたかもType 997用に設えたかのようなぴったり感です。0xF9CF
左右とも、これくらいのチリの開き具合で収まっています。Type 997用に設計されたものではないことを考えると、驚異的なことです。
装着前。
これはこれで、シンプルでイイ感じではあります。
余談ですが、ご存知のとおり、Type 997のPhase 1(便宜的に「前期型」)と、Phase 2(便宜的に「後期型」)とでは、フロントバンパーのデザインが大きく変更されています。
具体的には、左右のエアインテークの形状が、Type 997 Turboっぽくなったのですが、この点が、Phase 2(後期型)を気に入っているポイントの一つだったりします。
一般的に、マイナーチェンジを行うと、オリジナルのデザインの完成度を壊してしまう「改悪」のパターンが多いのですが、このPhase 2(後期型)の場合は、まさしく「改良」となっていると思います。
装着後。
“顎”(というか“唇”?)が下に伸びて、どっしり感が増しました。これだけ高さがあると、空力的にも効果があるのではないでしょうか。(もっとも、超高速域でのハナシでしょうけど)0xF9C7
また、スポイラー左右のキックバックの位置も、エアインテーク内側の立ち上がり位置と微妙にマッチしていて、“吸い込み”が強調されたデザインになりました。
かなり手間ひま掛かりましたが、その分、満足できる完成度となりました。
後付けのスポイラーですが、まるで「純正」のようです。
#って、「純正」ですけど。0xF9F8
乙かれ様です。
朝飯前の作業のようですね。
ナンバー、もはやマスキングする必要がないのではww
リップスポイラー、車体色と合わせるのもいいかもしれませんね。
> ナンバー、もはやマスキングする必要がないのではww
そうかも知れません。
カーボン調のダイノックフィルムを貼ろうかとも、考えました。
仕事をリタイヤしたら、ここでショップでも開こうかなと。0xF9F8
いつもながらクオリティの高いDIYです。
写真も綺麗で分かり易く
ポルシェは近くで見たことはありませんが
その場で見ているような感じがして楽しいです。
マフラーその後がどうなったのか気になります...w
SPINさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
SPINさんも、着々とカスタマイズを楽しまれていらっしゃるようですね。
マフラーは、現在、自室に安置されておりまして(かなり邪魔ですが)、装着されるのを待っております。
バルブ切り替え機能を活かしつつ、さらなる爆音化を画策しております。0xF9C7
装着は、夏ごろを予定しております。乞うご期待!ということで。