前回のとおり、サイドパネルにPCファンを追加し、一通りの改造が終わったはずですが、またもや“良からぬ事”を思い付いてしまいました。0xF9F8
そう、タイトルのとおり、RAIDカードの水冷化です。
ネットで探しても、マザーボードやメモリモジュールを水冷化しているヒトはあまたいますが、RAIDカードまで水冷化している“奇特なヒト”は、ほとんどいないようです。
いたとしても、汎用の“ごっつい”ウォーターブロックを無理矢理カードに取り付けているため、見るからにガテンな仕様になってしまっています。
せっかくここまで仕上げたシステムですから、ここは少しアタマを使って、“スマート”にRAIDカードを水冷化してみることにします。
まずは、「なぜに水冷化することになったか」について、簡単に述べます。
工房の「Ultimate Tera Storage Machine」には、LSI社の「MegaRAID SAS 9265-8i」を搭載し、SSD:128GB×2本(RAID0)、HDD:2TB×5本(RAID5)の構成としています。
(パフォーマンス等の詳細は、こちら)
RAIDカードの稼働中は、ヒートシンクが触れないくらい熱くなっていたため、ヒートシンク上面に小型のPCファン(φ40mm)を取り付けていました。
(nVIDIAグリーンで統一)
前回、このヒートシンクに直接風が当たるよう、サイドパネルにPCファン(φ120mm)を取り付けたことから、ヒートシンク上面の小型のPCファンを取り外してみました。
さっそく、管理ツール(MegaRAID Storage Manager)でRAIDカードのチップ温度を測ってみると・・・、
なんと、80℃以上の温度を示しているではないですか。これはまずいっ!!0xF9FC
(というか、最初の状態に戻っている)
絶対的な風量では、サイドパネルのPCファンの方が勝っているはずですが、やはり側面から風を当てるより、ヒートシンク上面の小型のPCファンから直接風を当てた方が、放熱性が高いようです。
(投影面積の差を考えれば、当たり前ですが)
ということで、「また元に戻せばいいじゃないか」というハナシもありますが、職人は“天の邪鬼”なので、過去に戻るようなことはせず、一足飛びに水冷化することにしました。0xF9C7
さて、まずは水冷化に取り組む前の状態の確認です。
マザーボード(ASUS Maximus IV Extreme-Z)を通ってきた冷却水は、2枚のVGAカード(ASUS ENGTX580/2DI/1536MD5)に向かっていきます。このマザーボードとVGAカードとの間に、RAIDカードが挿さっています。
RAIDカードとVGAカードとの間は、PCIスロットで2スロット分(約40mm)しかないため、RAIDカードに水冷ブロックを取り付ける際には、この「高さ制限」に気を付ける必要があります。
つづいて、今回の水冷化のキモとなる、水冷ブロックです。
遠路はるばる、スロヴェニア共和国から届きました。
トラッキング無しの国際郵便でしたが、オーダーしてから5日で届きました。(素早い!)
EK Water Blocks社の「EK-NB ASUS HP」です。
これまで、水冷ブロックは、すべてEK Water Blocks社のもので統一していたので、今回も同社のものとすることにしました。
同社の水冷ブロックで、RAIDカードに取り付けられそうなものをあれこれ比較検討した結果、VGAカード用の汎用のものではなく、マザーボードのチップセット用のものとしました。
つづいて、RAIDカードの確認です。
アルミのヒートシンクを取り外したところです。
チップ表面にサーマルコンパウンド(熱伝導グリス)が塗布されているため、きれいに清掃しておきます。
心臓部であるRAIDコントロールプロセッサ。このモデルからデュアルコア化され、パフォーマンスがさらに向上しています。
画像では反射の関係で黒っぽく見えますが、チップ表面は鏡面加工されています。
ここから、固定穴の位置を、ノギスを使って正確に測り取ります。
EK Water Blocks社の仕様書を基に、
サクッと図面を引きます。
実寸大に印刷した設計図で、アタリを確認します。
バッチリです。0xF9CE
せっかくなので、少し手を加えることにします。LEDを取り付けるための穴を加工します。
切削位置を正確に割り出すため、「テプラ PRO SR3900」を使って、特製のシールを作り、現物に貼り付けます。(L:52.0mm×W:7.4mm)
このモデルは、0.1mm単位で作図できるため、このような現物合わせの位置決めの際に、とても重宝しています。
このような感じで、フライス盤を使って、φ3mmの穴を空けます。
(つづく)
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