#バーチャルでばっかり遊んでいてもなんなので、たまにはリアルネタを。
またも、航空貨物が届きました。0xF8E6
はるばる、10,000kmの距離を超えて、ドイツはベルリンから。
テープに、「Porsche Genuine Parts」の文字があります。
ワクワク。0xF9CF
最も手に触れる部分のパーツだけあって、厳重に梱包されています。
はい、すでにお分かりのとおり、またもや「ハンドルネタ」です。0xF9F8
2005年には、BMW 530i(E60)に、M5用のパドルシフトを移植し、
(個人レベルでは、国内初?)
#某・ボッタクリのファンション系チューニングショップに対抗し、DIYにて安価に実現。0xF9D1
2009年には、BMW M3 Coupe(E92)に、BMW Performanceステアリングホイールを移植し、
(個人レベルでは、国内初?)
#当時は、まだ3シリーズ用の純正後付けオプション(BMW Performanceシリーズ)として国内導入されておらず。0xF9C5
そしていよいよ、
2013年の今年は、Porsche 911 Carrera S(Type 997 Phase 2)に、「スポーツステアリングホイール」を移植してしまいます。
題して、「パコパコ計画(彼等編)」ですっ!!0xF9CF
#いや~、ここまで来ると、ほとんどビョーキです。0xF9C7
センター部分を拡大。
「997 347 803 B8 A34」と書いてありますが、実際に購入する部品番号とは、違います。
#世の中には、不思議なヒトもいるもので、トラブルを避けるため、公開しないこととします。
(どうしても知りたい方は、オフミ等にて)
ステアリング単体で、908.50ユーロ(約118,000円)でした。
肝心の、パドル部分。
微妙にラウンドしていて、手によく馴染みそうなデザインです。
ステアリングホイールの「コントロールユニット」です。
M5の時は、物理的配線でなんとかクリアしましたが、クルマの電子化が進んだいま、力業では解決できそうにないので、いろいろなリサーチの結果、論理的に解決する方法を採りました。
コントロールユニット単体で、231.17ユーロ(約30,000円)でした。
ということで、オリンピックばりに、4年毎にハンドルを交換している訳ですが・・・、0xF9C7
改造に入る前に、そもそもなぜに「パコパコ計画(彼等編)」を発動するに至ったのか、ご説明します。
こちらは、BMW M3 Coupe(E92)のM-DCT(M Double Clutch Transmission)のパドルシフトです。
シフトパターンは、右手のスイッチを手前に「引く」とシフトアップ、左手のスイッチを手前に「引く」とシフトタウンとなっています。
他のメーカーでも同様な、一般的なシフトパターンです。
こちらは、M-DCTのシフトレバー。
レバーを手前に「引く」とシフトアップ、奥に「押す」とシフトダウンします。
ロケットスタートで、キョーレツな加速Gが掛かっている時に手前に引けばシフトアップし、フルブレーキングで、キョーレツな減速Gが掛かって前のめりになっている時に奥に押せばシフトダウンするので、感覚的にも身体的にも、非常に分かりやすいシフトパターンです。
(いずれも、“たとえば”の例です)0xF9C7
一方、こちらは、Porsche 911 Carrera S(Type 997 Phase 2)のPDK(Porsche Doppel Kupplung)のステアリングホイールです。
シフトパターンは、左右にあるスイッチを、奥に「押す」とシフトアップ、手前に「引く」とシフトダウンです。左右どちらでも同じ動作です。
Type 997 Phase 1まであった「ティプトロニック」(Tiptroinc)では、親指の位置に“シーソースイッチ”のようなものがあり、上側を軽く「押す」とシフトアップ、下側を軽く「押す」とシフトダウンでしたが、PDKのスイッチは、その操作とも異なります。
スイッチ全体を、前後にスライドさせるような感じです。親指で車両前方(奥)に「押す」とシフトアップ、中指と薬指などで車両後方(手前)に「引く」とシフトダウンします。
その操作も、パドルシフトを「パコパコ」する感じではなく、スイッチ全体を「ガコッ、ガコッ」っと動かす感じです。
PDKのシフトレバー。
レバーを奥に「押す」とシフトアップ、手前に「引く」とシフトダウンします。
BMW(やその他のメーカー)とは、操作が“まったく逆”です。
しかしながら、「ステアリングホイールの操作とシフトゲートの操作とが同じ」という点では、インターフェースの統一が取れていると言えます。
ドイツのエンジニア達の“拘り”を感じさせます。
#Porscheの開発陣から言わせれば、「他が逆なのだよ」という感じでしょうか。0xF9C7
とはいえ、この操作系、なかなか慣れません。
ある時、シフトアップしようとして右側のスイッチを引いたら、いきなりシフトダウンして「ウォ~ン!」と高回転になり、思わず肝を冷やしたことがあります。0xF9FC
#BMWに2世代乗り継いだこともあり、きっと今後も、このシフトパターンに慣れることはないでしょう。
(画像は、Porsche AGさんから拝借)
で、ですね、
実は、この「右手アップ、左手ダウン」方式のパドルシフト、メーカーオプションとして用意されているのです。
正式名称は、「パドルシフト付き3本スポーク・スポーツステアリングホイール」といいます。
#「こっちを標準採用してくれよ~!」と思うのは、職人だけでしょうか。0xF9C7
ただ、前述のとおり、ラインオプション(メーカーオプション)ですから、注文時にオーダーしないと、後から取り付けることはできません。
職人の車は、“セコハン”ですが(笑)、クルマを探す時に、当然、この「パドルシフト付き」を狙っていたのですが、セールスさんから、
「4SかSで、後期型(Phase 2)で、シルバーで、スポーツ・クロノ・パッケージで、パドルシフト付きなんて、滅多に出ませんよ」(その他、条件多数)
「そもそも、日本に何台入っているか・・・」
ということで、気長に待っていたところ、思わぬ出物(新古車みたいな個体)があったので、「パドルシフト」については、諦めました。
んが、しかし、前述のとおり、どうしても標準ステアリングのシフトパターンに慣れることができず、この「パコパコ計画(彼等編)」を発動することにしました。
#個人レベルでは、前人未到だと思いますが、BMWを2台もやっていますし、「まぁ、なんとかなるだろう」という軽い気持ちで・・・。0xF9C7
(写真は、大黒オフに来ていたPorsche 911)
ところで、
この「デュアルクラッチトランスミッション」(Dual Clutch Transmission)ですが、市販車への投入は、VWがDSG(Direct Shift Gearbox)としてGolf R32に導入したのが最初とされていますが(2003年)、
(編集中)
ということで、初回のうんちく、終わり。0xF9F8
(つづく)
はじめまして。
楽しく記事読ませていただいております。
覚えていらっしゃったら教えてください。
コントロールユニットを2009→2010へ換装した理由は何でしょうか?
この度、DIYチャレンジしようと思ってます!
よろしくお願いします。
Toshiさん、はじめまして。
海外の掲示板にて、パドルシフト左右のスポーク部にある「白い文字」(Sport / Sport Plus / Launch Control)を点灯させるには、当該のコントロールユニットが必要、との情報があったためです。
しかしながら、私のMY2009では、コントロールユニットの交換は不要でした。
そもそも、MY2009では、白い文字を点灯させること自体、不可能であることが分かりました。(ユニットを交換後、アラームが消えないため、PCに行ってコーディングで対処可能かなどいろいろ調べていただきましたが、ダメでした)
さらに詳しく調べてみると、PDKを初導入したMY2009と、それ以降のMY2010とは、パドルシフトそのものの部品コードが違うことが分かりました。
(MY2009用のパドルシフトは、形状はまったく同じでも、左右の「白い文字」がない)
ということで、MY2009か、それ以降かで、必要となる部品をよくよく調べてから購入する必要があります。
コントロールユニット分を損したことと、解析に相応の時間を要したことはありますが、PCの優秀なチーフメカニックの方とお知り合いになれたため、それはそれで有意義でした。
こんばんは。
ご返信ありがとうございます!
とっても参考になりました!
私も2009年式なので発光はしないって事ですね…
とにかくパドルに変えたかったので、早速チャレンジしてみます。
Toshiさん、上手く取り付けられると良いですね。成功をお祈りしております。