前回の続きです。
まずは、マイクロフォンアンプユニット(以下、MAU)を作製します。
こちらが、今回のシステムのキモとなる、「マイクロフォンアンプIC」です。
「オートレベルコントロール」機能を持っており、微小な音は伸張して、過大な音は圧縮して出力してくれます。エンジンやマフラーの音を拾うには、まさに打って付けのICです。
こちらは、今回のもう一つのキモとなる、「エレクトリックコンデンサーマイク」(以下、ECM)です。
なんといっても、「音の入口」ですから、このECMの特性が、音のリアリティーを左右するといっても過言ではないでしょう。
周波数特性を示すグラフです。
一般的に入手しやすいHoshiden製のECMは、10kHzを過ぎた辺りから感度がガタ落ちになりますが、このPanasonic製のECMは、20Hz~16kHzまで、ほぼフラットな特性を持っています。
「吸気音の比較」の時に使ったSony製の小型ステレオマイク(ECM-MSD1)も、高域側は16kHzまでの特性を持っていました。
せっかくなので、電子部品にも拘ってみました。価格は倍ぐらいになりますが、オーディオ用の低ノイズ/高精度なものを選びました。
(倍といっても、通常20円ぐらいのものが、40円ぐらいになるとかいうレベルですが)
#秋葉原をあちこち探したら、Philips製の抵抗(30円)なんかが置いてあって、密かに感動。
ユニバーサル基板は、ノイズ対策のために、シールドパターン付きのものにしました。
表面(部品側)が、すべてシールドパターンで覆われています。
プラスチックボックス(以下、プラボックス)は、エンジンルーム内に設置することを考えて、耐熱性のあるものにしました。
大きさは、55mm(縦)×40mm(横)×20mm(厚)と、かなり小型のものです。
ケーブルも、エンジン(またはマフラー)から車内に引き込む距離のことを考えて、シールド線にしました。
柔軟かつ耐熱性のあるものです。
さて、順番が逆になりましたが、今回、なぜMAUを作ることにしたか(マイクロフォンアンプICを使うことにしたか)、簡単に説明します。
当初は、ECM(マイクロフォン)を4ヶ所に設置し、そこからケーブルを引き込んで、センターコンソール内に設置するSMU(Sound Mixing Unit)で混合・増幅して、オーディオシステムから再生するように考えていました。その方が、回路的に簡単になるためです。
しかしながら、ECMからの出力は、数mV程度(マイクロフォンレベル)しかなく、ただでさえノイズの多い環境の中をセンターコンソールまで引き回しているうちに、信号なんだか雑音なんだか、分からなくなってしまうことが容易に予想されます。
そこで、回路としては多少複雑になりますが、ECM近傍で信号をラインレベル(数100mV~1V程度)まで増幅してから、センターコンソールまで持ってきて、そこで混合するような構成にしました。
また、使用するパーツも、一般制御用のものではなく、できるだけオーディオ用(またはノイズ対策が取れるもの)を使うようにしました。その結果が、前述のようになります。
ついでに、ハンダもオーディオ用のものにしました。
#ここまでくると、ほとんど宗教みたいなもんです。効果のほどは、分かりません。0xF9C7
なお、オーディオ用の部品はここ、東京ラジオデパート内の「海神無線」さんで、だいたい手に入ります。
(まぁ、秋月でも千石でも大丈夫ですが)
(つづく)
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