前回の続きです。
サン・マルコ広場に近い、「San Zaccaria」という乗船所で降りました。
向こうに見えるのは、「サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会」で、16世紀の最も有名な建築家の一人、パッラーディオの設計で、1565~1583年に建てられたものだそうです。(正面は1611年に完成)
遠くに見えるのは、アカデミア橋の下からも見えた、「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会」です。
いやぁ、それにしても、素晴らしい景色です。さすがは水の都、ヴェネツィア。0xF9CF
「ゴンドリエーレ」(ゴンドラ漕ぎ)のおじさん。
ケータイで何か話してます。(ここにも現代化の波が)0xF9C7
サン・マルコ広場に向かう途中に、小さな運河を超えます。その先に見えるのが、ここヴェネツィアで最も有名なスポットの一つ、「溜息の橋」です。
(残念ながら、全面改修中でした)
地元の言い伝えによると、「恋人同士が、ゴンドラに乗ってこの橋の下でキスをすると、永遠の愛が約束される」のだそうです。
しかし、現実はそれほどロマンチックではありません。実は、橋に向かって左側が裁判所、右側が刑務所になっていていて、有罪判決を受けた囚人が、投獄される時にこの橋を渡るようになっています。
「『ヴェネツィアの美しい景色を見られるのは、もうこれが最後か・・・』という絶望感から、囚人が深く溜め息をついた」ということから、この名が付いたそうです。
(昔の刑務所は衛生環境等が良くなかったため、一度収監されると、ほぼ出られなかったとか)
ついにやってきました、サン・マルコ広場(の入口)です。
右側の建物は、「ドゥカーレ宮殿」。“ドゥカーレ”とは総督の意で、その名のとおり、ヴェネツィア共和国の総督の邸宅だったものです。
巨大な石柱の上には、翼の生えたライオンが飾られています。(後述)
目の前にそびえ立っているのは、ここヴェネツィアで最も高い建物、「サン・マルコの鐘楼」(高さ98.6m)です。
その尖塔の頂上には、金色に輝く大天使ガブリエルが飾られています。
この鐘楼が最初に建てられたのは9世紀のことで、1514年に現在の形として完成したそうです。
(その後、地震や火災などがあり、とうとう1902年に崩壊したため、現在の建物は1912年に再建されたもの)
とりあえず、高いとこマニアとしては、上っておかずにはいられません。(後述)
奥に進むと、「サン・マルコ寺院」が見えてきました。(写真は側面)
ここにも、翼の生えたライオンがいます。
「サン・マルコ寺院」の正面です。
ここにも、翼の生えたライオンが。
「サン・マルコ寺院」の内部です。
正面から見ると、3連のドームのように見えますが、実際は、5つのドームが十字型に配置されています。
広場を取り囲む回廊の下は、ジュエリーショップなどが軒を連ねています。
我が奥さんは、商売柄、熱心に見入っています。
歩き疲れたので、近くのカフェで、少し休むことにしました。
それにしても、18世紀の風景とほとんど変わっていないことに、ただただ驚かされるばかりです。
(画像は、1730年ごろに描かれたもの)
フラッと立ち寄ったはずのカフェでしたが、ここは「カッフェ・フローリアン」という、ヴェネツィアに現存する最も古い喫茶店で、カフェ・ラッテの発祥の店として有名だそうです。
(開業は、1720年とのこと)
カフェ・ラッテの味も、18世紀と同じでしょうか。
(つづく)