広場に続き、「サン・ピエトロ大聖堂」を見てみましょう。
高さ約120m、幅約156m、奥行き約212m。いうまでもなく、世界最大級の教会建物です。
これが有名な、教皇の執務室への入口を守る、ヴァチカンの衛兵(スイス衛兵)です。
この制服のデザインは、一説にはミケランジェロによるものだとか。
(たしかに、このデザインのまま描かれている絵画を観たことがあります)
大聖堂の入口です。
中央には、ローマ法王が、広場に集まった信者たちに祝福を与えるバルコニーが見えます。
圧倒されるほどの高さです。
人々の大きさから、この建物がいかに巨大なものであるか、お分かりいただけるでしょう。
大聖堂は、十字架の形をしており、長い方の建物は、「身廊」(約212m)と呼ばれています。
身廊に入ってすぐ右側の礼拝堂には、この大聖堂で最も有名な作品、ミケランジェロの「ピエタ」があります。
磔にされ、死せるキリストを腕に抱き、悲しみにくれる聖母マリアを描いたこの大理石像は、1499年から1500年に掛けて製作されたもので、ミケランジェロ23歳の傑作です。
身廊をさらに進み、左右の「翼廊」(約156m)と交差するクーポラ(ドーム)の下には、教皇の祭壇があり、ブロンズの大天蓋(バルダッキーノ)で覆われています。
この大天蓋は、ベルニーニが助手ボッロミーニとともに、1633年に完成させたもので、バロックを代表する傑作です。
大天蓋の下には、ネクロポリス(地下墓地)への入口があります。歴代のローマ法王が眠っています。
映画のクライマックスでも出てきました。追い詰められたカメルレンゴが、ここから地下墓地に入っていきます。
透かし彫りのような蓋があり、下の灯りが透けて見えます。
この下に、ネクロポリスが広がっているのですね。
一番奥(後陣)の礼拝堂です。大聖堂の中でも、とりわけ聖なる場所で、ここに聖ピエトロの司教座が置かれています。
ベルニー二が1665年に完成させた作品で、雲に群がる天使たちの後には、化粧漆喰でできた大きな光背が輝いています。
ベルニーニ作、「聖ヴェロニカ像」です。
キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かう途中、亜麻布でキリストの顔の汗を拭ったとされる伝説の女性です。
それにしても、なんと動きのある彫刻でしょう。これがすべて大理石でできているとは、とても信じられません。
歴代のローマ法王の名が刻まれています。
それでは、いったん外に出ます。
大聖堂のクーポラに上ります。
途中まではエレベータですが、途中からは階段で上がることになります。
クーポラの内部です。このように二重構造になっています。
途中まではいいのですが、だんだんと傾斜がきつくなっていき、最後は平衡感覚がおかしくなるくらいの斜度になります。
大聖堂の中(後陣)を見下ろしたところです。
クーポラの天井画です。
人間は、これほどまでに巨大で美しいものを、造れるのですね。
クーポラの頂上に着きました。
ローマの街が一望できます。サン・ピエトロ広場が、美しい左右対称性を示しています。
その向こうに、「サンタンジェロ城」が見えます。
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