よしきさんからのご質問にお応えして。
BMWの「故障診断コネクタ」(OBD2ポート)は、右ハンドル車の場合には、運転席右下にあります。
国産車のように、故障診断コネクタの規格が統一されていれば、「燃費マネージャー」のように面白いツールが出てくるはずなのですが、BMWの場合には、ざっと探したところ、まだOBD2ポートのスキャンツールは、出ていないようです。
最近のクルマは、コンピュータの塊が走っているようなもので、各種センサからの情報は、最寄りのコントロールユニットで受けて、ディジタル化してから、その情報を必要とするコントロールユニットに、つぎつぎに伝送されます。
よって、外付けのメーター等を取り付けるためには、このディジタル化された信号を紐解いて、元に戻してやる必要があります。
とはいえ、末端を見れば、各種センサは必ず存在する訳で、このセンサから直接信号を取り出してしまうというのが、いちばん簡単で確実な方法となります。
外付けのタコメーター(シフトランプ)を作動させるためのエンジン回転数信号は、「クランクシャフトセンサー」から取り出すことができます。
図は、N52エンジンの場合です。
「クランクシャフトセンサー」からの信号は、コネクタX6203から取り出すことができますが、ここはメチャメチャ熱いので、
エンジンコントロールユニット側の、コネクタX60005から取り出すことができます。
以下、WDSの解説より。
クランクシャフト回転数センサー回転数センサーは、シリンダー クランクケースのリア カバー プレートに取り付けられています。DDE コントロール ユニットは、このセンサーにグラウンド接続(M_KWG)と 5 V (U_KWG)の供給電圧を供給します。
機能クランクシャフトには、周囲に 58 個の小さな永久磁石を備えたセンサー ホィールが 1 個あります。これらの永久磁石は、クランクシャフトが回転すると、回転数センサーの脇を通り過ぎて、回転数センサー信号を生成します。
センサーの先端には、ブリッジで並んだ 4 個の抵抗エレメントがあります。永久磁石がセンサーの脇を通り過ぎると、抵抗エレメントに影響を与える磁界の方向が変わります。この方向の変化が、抵抗値の正弦波を変化させます。
センサーには、抵抗の変化を矩形波電圧信号に変換する評価回路が内蔵されています。DDE コントロール ユニットは、この電圧信号をエンジン回転数を算出するために評価します。
ということで、クランクシャフトセンサから直接信号を取り出してしまう方法を考えていたのですが、
ネットでドイツ本国を徘徊していたら、OBD2ポートに関するものすご~い情報をゲットしちゃいました~。0xF9F8
ここで公開してしまうと、またも、某「ファッション系チューニングショップ」などが、さも自分が解析したかのように、ろくな商売を始めないので、よしきさんには、個別にPMすることにいたします~。0xF9CE
前回の続きです。
約2週間掛かって、はるばるドイツ本国から、部品が届きました。
コンタクトピンだけかと思っていたのですが、補修部品として、コードに圧着された状態で来ました。
ということで、さっそく改造に取り掛かります。
運転席右下の、「足下モジュール」(A4011)です。
右ハンドル車なので、コネクタの位置関係は、WDSの図(左ハンドル車)とは、天地逆さまになっています。
コネクタX10164の7番ピンに、新たにコンタクトピンを挿入します。
同じく、コネクタX14259の15番ピンに、新たにコンタクトピンを挿入します。
コネクタX10164の7番ピンと、コネクタX14259の15番ピンとを、結線します。これで、フロントフォグランプスイッチを押すと、信号「S55V」がアクティブになるはずです。
とりあえず、テスターを当てて、信号「S55V」の状態をチェックします。
フロントフォグランプスイッチを押すと・・・、
回路図の通り、信号「S55V」が、アクティブ(+5V)になりました。素晴らしいっ!!0xF9CF
いや~、ここまで予想通りにいくとは思いませんでした。
自分で言うのも何ですが、世界広しと言えど、ここまでマニアックな電装系チューンをしているM3オーナーは、かなり少ないのではないでしょうか。
(っていうか、いない?)0xF9C7