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研究開発力の将来について(その5) ~タレント学者の罪~

 先日の投稿の続きです。

NHK技研の志の高さ
(2006年3月31日:ITmedia +D)

 昨日、NHKの技研にお邪魔して、最新の研究成果を色々と見せて頂いた。率直な感想として、我々の生活の身近なところにあるテレビを、少しでも見やすくするのと同時に、高齢者にも優しいサービスの数々を生み出しているだけでなく、そのレベルをさらに向上させていくための研鑽も詰まれており、非常に高い志をもって日々取り組まれていることを実感した。

 良質な番組を制作するのに役立つ技術開発も着々と進行している。まさに公共放送としての使命を果たすために日々努力を積み重ねている様子が伝わってきた。竹中大臣や松原さんが仕切っている懇談会では、技研を切り離すようなことも検討しているようだが、それこそ何の意味も持たない、形だけの「改革の成果」を追い求めているに過ぎないことは明らかだ。

 懇談会の方々も技研の方にお願いして、どういう技術開発を行っているのかくらいは見ておくべきだろう。技術開発部隊は現場に密着していないと、より良い成果を生み出すことが難しくなる。松原さんは記者会見の席で、そうした疑問が投げかけられたのに対して、「それなら大学の研究開発はどうなのだ?」と反論したことが報道された。基礎研究と応用研究の違いをご存知ないだけだろう。

 実際のサービスに直結させるための研究開発は現場に密着していないと、研究のための研究になってしまう。もっとも松原さんご自身が、大学における研究開発の動向にどの程度通じているのかは甚だ疑問だが。事業者ヒアリングと言いながら、自ら足を運ぼうともせずに、警察の事情聴取のように事業者を呼びつけているようなことはやめて、最新技術の動向を見せてもらうために足を運んでみるべきだろう。フィールドワークを怠けて、机上で空理空論を述べているから、地に足のついていない改革案しか出てこないのではないか。

 仕事柄、これまでにたくさんの大学を回り、多くの先生方にお会いし、様々なご意見をお伺いしたことがあります。中には、私のような青二才が普通にはお会いすることができないような、高名な先生方や、重鎮と呼ばれる先生方、総長・塾長もいらっしゃいました。

 大学の先生方には、大きく分けて、2つのタイプの方がいらっしゃいます。

 ・ ・ ・ 。

 え~と、書く内容について、いろいろ考えていたのですが、アホらしくなったので止めておきます。賢明な方には、私がなにを言わんとしていたか、ご推察いただけるものと思います。0xF9C5

 とかいっているうちに、同じ方が、このような記事を。

タレント学者の罪
(2006年4月1日:ITmedia +D)

 学者としての評価は勿論、常日頃からの研究成果によってなされるべきである。しかし昨今では、テレビのトーク番組にレギュラー出演し、顔と名前を売ることに精進する勘違い学者が多々見られる傾向にある。エコノミストなどと名乗る輩にもそういう人が多い。

 研究らしき研究もせず、そのため何ら研究成果も残してもおらず、政治的活動に注力したがるような人を学者と呼ぶと、本物の学者たちから怒られそうである。タレントエコノミストたちは大学の先生になりたがる。タレント学者は政治活動に注力したがる。そういう人たちにとって、テレビ出演は何よりのビッグチャンスなようだ。

 テレビが育てたタレント学者がテレビ改革に乗り出す始末だ。テレビ局にとっては自業自得だが、改革に乗り出してからも出演を続け、ギャラを受け取るというスタンスはいかがなものか。モラルが欠如しているのにもほどがある。

 テレビ局もテレビ局で「そんなに文句があるなら、ウチの番組に出演し、センセイを論破して下さい」などと言ってくる。相手の土俵で喧嘩をしたって勝てっこない。公平・公正な場でなら議論をしてもいいかなと思うが、ベースとなる知識を持ち合わせていない人との議論は、話がまるで噛み合わず虚しい結果に終わることが多い。何度も経験してきたことだ。

 マスコミも政治も、そして大学側も、もう少し真剣に自らのスタンスが、国民からどう見えているのかを反省した方が良いのではないか。物言わぬ国民が本当に怒りを顕わにしてからでは遅いのだ。

 御意に御座います。まさに仰るとおりです。

#現役の、「タレント大臣」(勘違い学者大臣)もいらっしゃいますね。0xF9D1

> ベースとなる知識を持ち合わせていない人との議論は、話がまるで噛み合わず虚しい結果に終わることが多い。

 おやおや、この方も、かなりの辛口のようで・・・。0xF9C7

 「基礎研究」と「応用研究」との違いすらご存知ないような薄識な、もとい、博識なお方に、将来の国家の盛衰を決するような研究開発の在り方を、ご議論いただいていてよろしいのでしょうか。

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